2011年に登場した『W800』。2016年にファイナルエディションが発売されるも、2019年に現行モデルとして復活。中古市場なら2011~2016年モデルがお手頃だけど、実際の評価はどうだった? 2016年モデル、ファイナルエディションの当時の試乗インプレを紹介します!
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美しきビンテージスポーツ、その魅力は色褪せない

KAWASAKI W800(2016)

画像: 美しきビンテージスポーツ、その魅力は色褪せない

カワサキが続々と発表しているファイナルエディションシリーズ、続いてはW800を紹介しよう。ベベルギア駆動の美しい空冷バーチカルツインを搭載するクラシカルなロードスターは、W3と同じ工程で塗られる特別仕上げのタンクを採用するなど、工芸品としての美しさにも磨きをかけている。ここで、万感の想いを込めて、改めて試乗する。

文:宮崎敬一郎
※この記事は2016年11月9日にwebオートバイで公開されたものを再構成した記事です。

ライダーの心に響く存在感を改めて感じさせてくれる1台

画像1: ライダーの心に響く存在感を改めて感じさせてくれる1台

またひとつ、カワサキの伝説が消えようとしている。次の排ガス規制をしっかりとした性能を維持したままクリアできない事が判明し、ファイナルとなったベベルギア駆動のW800だ。※現在は2019年に登場した新型『W800』シリーズが販売中。

もう、あえて説明する必要もないだろうが、このネオクラシックモデルは、かつてのW1シリーズをオマージュしている。そのかつてのバーチカルツインのOHV・650が持っている雰囲気を大切にしていた。

でも17年前にW650として登場する際、どうせなら、と個性的で見た目もアピールのあるベベルギア駆動にしたのだ。

もちろん、このエンジンは完全な新作だった。コストも掛かっているが、このモデルに使うこと以外考えていない、潔いエンジンだ。

画像2: ライダーの心に響く存在感を改めて感じさせてくれる1台

かつてのWと同じく、650でスタートした現在のWだが、このご時世で675㏄のマイルドツインは、かつての勇ましいイメージからはほど遠いものだった。そのため、2010年には773㏄にボアアップ、それも低中域トルクの充実を狙っての排気量アップを受け、W800となった。

さすがに、いにしえのWのごとき弾けるような咆哮は発しないが、力量感は増し、粘りも強くなって質実ともに元気になった。

Wはもともと身軽で、ハンドリングやエンジンも素直。高速道路での連続走行を含む常用速度レンジが得意なモデルだ。コミューターとしての使いやすさは実利的な魅力である。

さらに、ただ走っているだけで楽しくなる低中速型ツインの表情も魅力だ。それは低回転域でのツインのパルス感、中回転域からのビート感溢れる吹けなど、その演出はのどかだった時代の荒くれツインの雰囲気だ。

画像3: ライダーの心に響く存在感を改めて感じさせてくれる1台

もし、リプレイスもののマフラーなどに換装すると、力量感を含めて、その雰囲気は一段とノスタルジックなテイストを増す。

これが現在のW800だ。今回のファイナルエディションは、かつてのWシリーズ最終ブランドになぞった演出をまとった。Z2と同時に登場した650RS、つまりW3の前期モデルのタンクカラーとステッチの入ったシートをアクセントにしている。

改めてこのWの造形をじっくり眺めてみる。英国製のツインに追いつけ追い越せと必至に頑張っていた、50〜60年代のスリムだったビンテージツインのイメージを上手く醸し出している。造形も今時のバイクにしてはすばらしく丁寧だ。

画像4: ライダーの心に響く存在感を改めて感じさせてくれる1台

人が磨いて、眺めて、乗って満足できる「所有物」として惚れ込める要素をたくさん持ったバイクだと思う。

これから先、カワサキはこのWのような、乗り手の心に訴えるバイクを一生懸命に作ってくれるだろうか? 

2年後か3年後か、何かWのようなバイクを作ってくれるかもしれないが、今のベベルのWはこのファイナルエディションで生産を終了する。かつてのWは、なくなってから趣のある存在感にみんな気がつき、今では高級クラシックモデルだ。

このWもそんな人気が出るような気がする。

文:宮崎敬一郎
webオートバイ公開日:2016年11月9日
※掲載記事は記事公開日時点での内容であり、時間の経過などに伴って内容に不備が生じる可能性があります。ご了承ください。

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