Z900RSをさらに大型空冷Zの姿にしたい……というイメージを見事に形にしているドレミコレクション。その姿は、新たなバイクカルチャーを生んでいる。
文:林 勝二/写真:鈴木広一郎/協力:ドレミコレクション

Z900RS Mk. II STYLE by DOREMI COLLECTION

画像1: Z900RS Mk. II STYLE by DOREMI COLLECTION

ネオクラシックシリーズとして、ゼファーシリーズのFXスタイル、CB1100タイプR、CB400SFタイプX等を次々と生み出してきたドレミコレクション。簡単に言うと「同じメーカーの血統モデルに変身できる外装キット」となるが、取って付けたような印象が一切ない姿になっているのは、往年の各モデルを深く理解した上で開発しているからといえる。

それはZ900RSにおいてもしかり。GPZ900Rスタイル、Z1000Rスタイルに続き、昨年プロトモデルが発表されたMk.IIスタイルが遂に販売となった。角と直線と基調とした造形であるZ1000Mk.II/Z750FXのニーグリップ部、サイドカバーからテールへのラインど、見事に再現されている。元々Z900RSと両車は車格が全く異なるため(全長では10cm弱)、造形を同様としつつ、サイズは専用に設計されているのだ。

そしてこのMk.IIスタイルで注目なのが、フューエルタンク。インナータンク+カバーではなく、スチールタンクとして本体を設計している。

画像2: Z900RS Mk. II STYLE by DOREMI COLLECTION

それはなぜなのか。

「充分な容量を確保したかったんです。インナータンク式だと13Lとなるので『ノーマルよりも少なくなるのは困る』という声を多く頂き、開発はスタートしました」と語ってくれたのは、ドレミコレクション代表・武浩さん。

元々Z900RSはダウンドラフト吸気でフレームのメインチューブがワイドスパンなZ900をベースに開発しており、車体デザインは相当な苦労が伴った。その角Z版を作るのだから、いわば作業は"バイクメーカー"だ。

「パソコン上では簡単に合成出来ますが、実際はマウント部分やハンドルの切れ角等様々なクリアすべき事がある上で設計となります。一番苦労したのはタンクの幅です。容量を20Lとして3Dプリンターで試作すると、見た目はZ1300のタンク。『これじゃMk.IIじゃない!』と何度も作り直しました」

最終的に18.5Lでいく事になり、金型を製作してプレス。純正の内蔵式電磁ポンプを組んだ上での実際の容量は、17Lとなった。純正Z900RSと同量。繰り返すが、見事と言うほかない。

画像3: Z900RS Mk. II STYLE by DOREMI COLLECTION

2017年の登場以来人気が続いているZ900RSの存在、そして同社のネオクラシックシリーズへの反応について、武さんは実感している。

「ひとつは、50歳代以上で空冷Zを所有したり知っている方々にとっての『もう1台のZ』。車体は軽くメンテナンスの頻度は少なく、外出して愛車が見えない場所でも食事できます。外装キットの造形は、空冷Zやニンジャを知っている方々にも褒めて頂いています。もうひとつ、Zの歴史を知らない世代の方々はシンプルに『カッコイイから』と選んでいます。他に沢山オーナーがいるから、自分のZ900RSをカスタムして個性を出す。免許を取って間もない人はもちろん、速いリッターSSなどを乗り継いだ末に選ぶ方も多いです。バイクライフのひとつとしてZ900RSがある。これってとても健全だと思います」

幅広い世代に受け入れられるドレミコレクションのネオクラシックシリーズ。この先のアイテムにも期待したい。

画像4: Z900RS Mk. II STYLE by DOREMI COLLECTION

①ヘッドライトとメーターをオリジナルのステーを使い上方にアップ。
②インジェクション部分を覆うABS プラス樹脂製カバー(純正と同品質、かつグロメット差込部を強化)に覆われ見えない部分のタンクを下に伸ばし容量を確保。
③シートは低反発&高反発スポンジを組み合わせ、快適性を確保。
④テールレンズとのクリアランスも絶妙に計算。
⑤サイドカバーも専用サイズ。
⑥外装キットとは別にフェイクツインショック(30,800 円税込)も用意。下写真/現車はSE のため、ステーを使いリモートアジャスターを別マウント。

画像5: Z900RS Mk. II STYLE by DOREMI COLLECTION

車体を真横や斜め後ろから見た際の、フューエルタンク下部、サイドカバー、テールカウルが一直線上に並ぶ造形も見事に再現。Z900RSは倒立フォーク&ステムトップが低いため空冷Zのようにタンク前端がステムを覆うような造形には出来ないが、ライダーが跨った際そのように見えないように前端部をデザインしている。

画像6: Z900RS Mk. II STYLE by DOREMI COLLECTION

Z900RS Z1000R STYLE by DOREMI COLLECTION

画像1: Z900RS Z1000R STYLE by DOREMI COLLECTION
画像2: Z900RS Z1000R STYLE by DOREMI COLLECTION
画像3: Z900RS Z1000R STYLE by DOREMI COLLECTION

Z900RSがZ1000R に変身するキット。スクリーン、テールランプ、ウインカー(LED)はZ1000R にも使用できるパーツで、他は専用品を開発(ミラーやシート、ヘッドライト等も付属。エンブレムは別売)。無塗装のコンプリートキットは418,000円(税込)で受注生産。キット注文時にオーダー出来るR1のライムグリーン塗装料金は165,000円(税込)。

画像4: Z900RS Z1000R STYLE by DOREMI COLLECTION

①フューエルタンク部はインナータンク式で、外側はFRP製カバー。② Z1000RルックのサイドカバーはZ900R 専用。エンブレム類は別売。③フェイクツインショックのアッパー側マウントはMk.IIルックと同じ位置にするとサイドカバーに干渉するため(同じ位置だとサイドカバーを削る必要がある)、それを避けるために専用の位置にマウント。④タンデム部分との段差やシート表皮のパターンなど、Z1000Rのデザインを再現。現車のホイールはダイマグの17 インチホイール仕様で、今後発売されるであろう18インチを履かせるのも面白い。

画像5: Z900RS Z1000R STYLE by DOREMI COLLECTION

Mk. IIスタイルの無塗装外装キットは330,000円(税込)、塗装済みセットは462,000円(税込)。写真は武 浩社長。同社が作り上げた飛燕レプリカが収まるドレミコレクションミュージアムの前で。

画像: リスペクトと徹底した作り込み by DOREMI COLLECTION【ミスター・バイクBG カワサキZ900RS特集】

ドレミコレクション
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