まとめ:斎藤ハルコ/写真:高柳 健
※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
※この記事は、月刊『オートバイ』2025年4月号に掲載したものを一部編集して公開しています。
古澤 恵&野本佳章×佐々木優太 開運ツーリングトーク

「じつは子供のころからの目標がオートレーサーでした」(野本佳章)
「子供3人とツーリングしたいから、いつかサイドカーが欲しい」(古澤 恵)
「おふたりのお話を聞いていて、すごく刺激を受けました」(佐々木優太)
バイク好き夫婦のお子さんもやっぱりバイク好きでした
佐々木優太(以下、佐々木) 今日は開運ツーリング+ドライブになってすみませんでした! せっかく久しぶりに恵さんとお会いできて、初めましてのヨッシーさんともツーリングできる機会だったのに。
古澤 恵(以下、恵) 私、優太さんには以前のSRとか国産車に乗ってるイメージしかなかったから、今日はハーレーに乗る姿に会えるのが楽しみだったんですよ。
佐々木 すみません! よりによって今日バイクが動かないとは……。でも逆に考えれば、それぐらい今日の参拝は強運! “持ってる”ってことですから(笑)。
恵 そっか~。なら良かった(笑)。
佐々木 恵さんはハーレー長いですよね。やっぱりハーレーがいちばん好き?
恵 いやいや、今も持ってる中ではCRM250がいちばん長く乗ってて、もともとオフ車好きだったんですよ。それでバイクに乗り始めて、国産アメリカンにも乗った後、FXRSにひと目惚れして、もう20年以上乗ってるんです。ヤマハのYZF-R1も持っててやっぱ大好きだし、車種問わずバイクは全部好き。っていうかクルマも好きだし、乗り物が好きですね。

佐々木 ヨッシーさんのスズキ・250SBは、なかなかマニアックですよね?
野本佳章(以下、佳章) 僕が二輪免許を取っていちばん最初に買ったバイクなんです。だから20年近く乗ってますね。
佐々木 すごい! 夫婦揃って約20年、愛車を大事に乗り続けてるんですね。それだけ人生を共にしてるバイクなら、おいそれと手放せないのも当然です。今はどのくらいの頻度で乗ってるんですか?
恵 仕事ではいろいろなバイクに乗ってるけど、FXRSでのツーリングは3年ぶりくらいかな? いちばん下の子がいま2歳で、その前は妊娠中だったから、なかなか乗る時間がなかったので。
佐々木 お子さん達はバイクに興味は?
佳章 子供達はバイク大好きで、ヨツバモトの電動バイクに乗ってるんですよ。特に1番上の子なんかは幼稚園のお迎えとかもいつも「バイクで来て」と言ってたので、よくバイクでお迎えしてました。
佐々木 いいですねぇ。じゃあ将来的には家族でツーリングに行けそうですね。
恵 うんうん、行きたいね。でも全員で乗るとなったら、3人乗せなきゃいけないでしょ。だからサイドカーがちょっと欲しいなと思ったり。私が1人後ろに乗せて、ヨッシーがサイドカーで2人乗せれば家族全員でツーリング行けるので。
佐々木 なるほど。お子さん達はお父さんのオートレースを見に行ったりは?
恵 見に行っちゃいけないわけじゃないんだけど、選手の家族は車券を買ってはいけないんですよ。だから疑惑が生まれないように……って、暗黙の了解みたいなのもあって、ほとんど行かないですね。
佐々木 じゃあトライアルの方は競技だったり、イベントでのデモンストレーションは見られるわけだ。格好いいお父さんだもんなぁ。絶対憧れられますよね。今日もクルマで後ろからおふたりが走る姿を見てて、めちゃくちゃ格好良かったんですよ。恵さんの乗り方も格好いいし、ヨッシーさんはバイクがもう体の一部になってるような印象でした。完全にバイクを操れる感じがして、やっぱプロは違うなって。
恵 そうそう、もう乗り方やポジションが綺麗なんだよね。でもこの人、子供を後ろに乗せてスタートでウイリーとかするから「やめて!」ってなるよ(笑)。
佳章 ツーリングに行くと「なんで俺はこんな何もせずにバイクに乗ってんだろう」とか思うんです(笑)。バイクはただ乗るものじゃなく、競技とか勝負とか「何かをするもの」として育ってきちゃってるので……。もともと自分の父親が遊びでトライアルをやってて、小さい頃からいつも山に連れていかれたから。

佐々木 トライアルからオートレーサーへの転向は、結婚したのが大きかった?
佳章 デカかったです。結婚する前はバイク屋で働きながらトライアルライダーやってて、本当にお金がなくて。ただ、僕はもともと小学校の頃から、オートレーサーになるのが夢だったんですよ。通ってたバイク屋さんにオートレーサーがよく来てて、「ちゃんと休みもあるし、普通に稼げるし、バイクに乗って食えるオートはいいぞ」て小さい頃から聞いてたんです。だからいつかやろうと思ってたんですけど、トライアルの成績もどんどん上がっていって、カミさんと結婚する頃にはもうやめるにやめれない感じだったんですね。
佐々木 確かに全日本トライアルの最高峰クラスでランキング上位の常連ともなば、応援してくれる人も多いですよね。
佳章 はい。だからトライアルを一生やってくのかなと思ってたときに、カミさんにふと「なんかさ、オートレーサーって仕事を見つけたんだけど、試験受けてみれば?」って言われて、「じつは昔から本当になりたかったんだよね」って。
恵 あの頃本当にお金なくて、家賃4万円のアパートに子供と住んでね。私、よくこの人と結婚したと思わない?(笑)

佐々木 僕、オートレースについては不勉強で申し訳ないんですけど、賞金ってだいたいいくらくらいなんですか?
佳章 レースによって違うんですけど、1番でかいレースは3000万です。
佐々木 3000万! 夢がある‼
佳章 で、一般戦っていう、1番普通のレースの賞金が60~70万の間ぐらいで日によって違います。日当はあるんですけど、部品やタイヤは全部選手が自費で購入ですし、そういう経費を引いた年収でいったら全然大したことないと思います。成績がひどければ最終日の賞金が少ないとか全然あるし。
恵 そういうとき「生活費ごめん」って帰ってくるから、マジか~って(笑)。
佐々木 恵さんの懐の深さもすごい! でも稼ぐ人はすごく稼げるんですか?
佳章 そうですね。稼ぐ人は年収1億ちょいぐらいです。成績を見れば、選手の年収は全部わかっちゃうんですよ。
佐々木 夢もあるし、シビアな世界でもあるなぁ。でもなんかおふたりに話を聞いて、個人的にはすごい刺激を受けてます。やっぱり年代も近いですし、僕もカミさんが年上で、子供が女・男・男って家族構成も一緒だし、自分もカミさんや子供のためにもっと頑張ろうと思いました。神社全然関係なくなってる話だし、今日はバイクも乗ってないですけど(笑)。
恵 乗ってないのにね(笑)。でも優太さんはすごい頑張ってるじゃん! 私、結構よくテレビ見る方だから、優太さんが出たテレビとかみんな見てるもん。本当にめっちゃ有名になりましたよね?
佐々木 まだまだそんなことないです!
恵 そんな優太さんのおかげで、きっとヨッシーの運気も上がると思うので!
佳章 今日神社を案内してもらって、次のレースはいける気がしてます(笑)。
佐々木 参拝に上がればお金持ちになれるなんて話はないですが(笑)、今日の参拝がヨッシーさんのさらなるご活躍と獲得賞金アップ、おふたりとご家族の幸せの何か後押しとなれば嬉しいです。そして暖かくなったら、今度こそおふたりとツーリングにご一緒させてくださいね!
まとめ:斎藤ハルコ/写真:高柳 健
※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
※この記事は、月刊『オートバイ』2025年4月号に掲載したものを一部編集して公開しています。