文・写真:西野鉄兵
ツーリング好きにぴったりな「MOTO-R Mid」が新登場

1989年に設立した腕時計メーカーのケンテックス。創業当時は日本や欧州の有名ブランドへOEM供給を行なう会社だったが、1998年に自社ブランド「KENTEX」を本格始動する。現在は日本製であることと高い品質にこだわりながら、さまざまなモデルを展開している。
陸・海・空の自衛隊モデルや、300m潜水防水の本格ダイバーウォッチなどが有名。自動巻きのラインナップも充実し、その技術力の高さはうかがい知れる。世界三大機構のひとつ“トゥールビヨン”を日本ブランドで初めて発表したのも同社だった。

▲ケンテックス「MOTO-R」(スタンダードモデル)シリーズ。
さて、そんなケンテックスはライダーへ向けたスポーツウォッチ「MOTO-R」シリーズを展開してきた。レーシーなスタイルを採用し、耐震ムーブメントを搭載する。リューズが一般的な腕時計と逆側に備わっているのは、バイク乗りへの配慮の証。左手首に巻いても、ハンドル操作時にリューズが干渉しないのだ。
またカスタムを好むライダーの性質を考慮し、オーダー時に各パーツのカラーやデザインをセレクトできるようにしている。その組み合わせは5000億通り以上にも及ぶ。

▲東京モーターサイクルショー2025では、オーダーできるパーツの種類を公開。各部それぞれにさまざまなカラーが用意され、自分だけの一本をつくることができる。

▲スズキとコラボレーションし、KATANAモデルやGSX-Rモデルなども展開してきた。

▲2025年5月30日には、EVANGELION RACINGとのコラボレーションウォッチの予約販売が開始される!
これまでの「MOTO-R」は、外観からメタル感・ギア感があり、サーキットを連想させ、モータースポーツと親和性の高いものが主だった。
東京モーターサイクルショー2025では、まったく新しいコンセプトの「MOTO-R Mid」が初公開された。

▲東京モーターサイクルショー2025で世界初公開されたケンテックス「MOTO-R Mid」のプロトタイプ。
すっきりとした文字盤で、ケースにさりげなくブレーキディスクを想わせる「MOTO-R」ならではの意匠が見て取れる。逆位置リューズはこのMidも同様だ。ツーリングライダーやバイクでキャンプも楽しんでいる人へ向けて開発したという。

▲MOTO-R Mid

▲MOTO-R Mid
ケースサイズは「MOTO-R」のスタンダードモデルより小さくなった。デザインも中性的になり、女性ライダーへの普及も視野に入れているのだろう。
そして、ベルトの脱着が容易なのも特長。汚れた際に簡単に洗ったり、付け替えたりしたいという要望に応えた仕様となっている。

東京モーターサイクルショー2025では5パターンの「MOTO-R Mid」が展示されたが、またしてもカスタムを楽しめる販売方法には期待が持てそう。発売時期は2025年9月~10月頃の予定。価格は「MOTO-R」のスタンダードモデルよりお求めやすい設定となるようだ。
