バイクツーリングに行きたいけど、どこに行く? 何を持つ? 気をつけた方が良いコトとか、事前にチェックした方が良いポイントとかあるの? バイクビギナーが悩む、ありとあらゆるツーリングに対する不安を解消すべく、「ツーリングに行く前の準備・確認事項」についてオートバイ女子部のRurikoさんに教えてもらいました。
談:Ruriko/写真:webオートバイ編集部/まとめ:大冨 涼

オートバイ女子部 Ruriko

バイク系YouTuberとして活躍しつつ、webオートバイスタッフとして裏方や動画制作も担当。愛車はスズキ・ハヤブサとトライアンフ・デイトナ675。

最近のビックリ事件は、ふと窓の外に目をやったら何故か愛猫のすずちゃんとビシッと目があったこと。気づかぬうちに脱走してたいたみたい.......

二輪免許を取ったから早速ツーリングしたいけれど……

バイクの免許を取得したら、すぐにでもツーリングに出かけたい! けれど、周りに頼れる先輩ライダーがいない場合、何を準備したら良いの? と不安に思っている方も多いことでしょう。

オートバイ女子部の頼れる旅ライダー・Rurikoさんに「はじめてのツーリング」に出かける際のノウハウをお聞きしました。

以下では、近場のツーリングから、1カ月にわたるロングツーリングまで、事前に準備・確認しておいた方が良いモノ・コトを紹介します。

画像: それ、確認必須やで。

それ、確認必須やで。

ツーリング前に準備するモノ・確認するコトをまとめて紹介

1.ツーリングの「目的」を決める

Ruriko “目的地”じゃなくて、“目的”⁉ と思う方も多いと思うので、はじめにその点について説明させていただきます。

「ツーリング」という言葉は、バイクでお出かけするときに広く用いる言葉ですが、それぞれ何を楽しみたいのかによって、個々のスタイルが分かれますよね。

私の場合は、都会や街並みを楽しみながら走るよりも、山々が連なるワインディングを走る方が好きなのですが、逆に、シタミチを使って海沿いをひたすら走る方が好きだよって方も、いらっしゃると思います。

画像: 1.ツーリングの「目的」を決める

Ruriko つまり、ツーリングの“目的”=「自分はどんなことを楽しみながら走りたいのか」ということです。これを決めておくと、目的とする場所やルートなどある程度絞ることができるので調べやすくなり、ツーリングのプランを上手に練ることができるんです。

とくに、はじめてお友達とツーリングに行くときなどは、お互いのバイクの乗り方や楽しみ方を擦り合わせたうえで計画をした方が、満足度の高いツーリングになると思いますよ。


2.ルートや目的地の決定、および宿泊施設等の手配

画像1: 2.ルートや目的地の決定、および宿泊施設等の手配

Ruriko 「どんなことを楽しみたいのか」というツーリングの目的が決まったら、その目的にあったツーリングスポットを決めます。

この時、「どのくらいの期間でツーリングをするのか」を十分考慮して目的地を設定するのが大事でなんです。例えばですけれど、休みが5日間しかないけれど、北海道から沖縄まで行ってみよう! なんて、無理な話ですよね。

あとは、日数的には間に合うけど、とってもカツカツ! 行って帰ってくるほか、道中の寄り道はできない! なんていうのも、旅を楽しんでほしい私としてはおすすめできないプランです(もちろん、個々のツーリングの目的によります!)。

目的地にも寄りますが、北海道や四国、といった広大な地域を旅したい! と思ったら、最低でも1週間以上のお休みを取ったうえでツーリングに出かけた方が、安全面・満足度の双方の観点から良い思い出になると思います。日帰りでもそうですが、時間や日数には、十分な余裕をもって計画を立ててくださいね。

画像2: 2.ルートや目的地の決定、および宿泊施設等の手配

Ruriko 日帰りのツーリングであれば必要ありませんが、宿泊を伴うツーリングでは、宿泊場所の手配は必須です! とはいえ、1カ月規模のツーリングでは、必ず予定通りに行くなんてこと、絶対にありませんから、全日数分の宿をあらかじめ予約しておくのは好ましくありません。前もっての予約は、2~3日先くらいまでが限度かな、と思います。

ただし、ちょっとした旅行規模(2泊3日くらい)の計画的なツーリングの場合は、事前に予約しておくとスムーズな場合が多いので、おすすめですよ!

画像3: 2.ルートや目的地の決定、および宿泊施設等の手配

  

Ruriko 逆に、フェリーはあらかじめの予約がとっても大切なんです。というのも、ゴールデンウィークや夏休みなどといった大型連休の期間では、受付を開始したその日のうちにチケットが売り切れ……なんてこともあるんですよ。ですから、目的地に行くためにフェリーに乗る必要があるのであれば、一番初めに乗船券をゲットしてほしいところです。

(フェリーのチケットの取り方や注意した方が良いポイントは、また別の記事でご紹介しますね!)


3.荷物の用意

Ruriko 日帰りのツーリングの場合は出発前に用意する程度で構わないと思いますが、宿泊を伴うツーリングに出かけるのであれば、少なくとも出かける前日までには準備を万端にしておきたいものです。持っていった方が良いアイテムについては、それぞれ1カ月の旅バージョン2泊3日の宿泊ツーリングバージョンの2通りを別の記事で紹介していますので、詳しくはそちらをご覧ください!

よく質問されるのが、荷物を入れておくバッグ類についてです。私が愛用しているものを紹介しますと、日数問わずいつでも使っているのがスズキとクシタニのコラボウエストバッグで、2泊3日程度の宿泊であればヘンリービギンズ製のシートバッグ(容量20〜26L)、それ以上の期間出かけるなら、タナックス製のシートバッグ(容量59~75L)に荷物を入れています。

Ruriko 日帰りツーリングで必要なモノは、財布や鍵、運転免許証などの貴重品をはじめ、ハンカチやポケットティッシュ等です。これらに加えて、欲をいえば500mLのペットボトルを入れられるくらいの容量があった方が何かと便利かなと思うので、コンパクトかつ収納力のあるボディバッグやウエストバッグがおすすめです。

問題なのが、荷物がどんっと増える宿泊を伴うツーリングの時です。バイクに乗りはじめたばかりだと、ヘルメットやグローブ、ライディングウエアなど、いろいろなことにお金がかかって、どうしてもシートバッグの購入にまで手が届きにくいですよね。そんなときは、持っていく荷物をなるべく取捨選択したうえで、リュックサックを使いましょう。

画像: 1カ月のロングツーリングの荷物はこんな感じ。これはツーリングバッグがないと正直しんどいレベルです。

1カ月のロングツーリングの荷物はこんな感じ。これはツーリングバッグがないと正直しんどいレベルです。

Ruriko 「リュックサックと同じように、両手が使えるショルダーバッグはどうなんだ?」という方もいらっしゃると思いますが、貴重品だけを入れておく小ぶりなものであれば問題はないかと思います。そうではなくて、着替えやお泊まりセットなどメインの荷物を入れる場合は、絶対にリュックサックをおすすめしたいんですよね。

というのも、荷物が大きくなるとヒモが掛かっている片側の肩だけに負荷がかかるので疲れやすくななるほか、肩ヒモがずり落ちてきたり、袋の部分が揺れのせいでどんどん自分の脇側にずれ込んできたりと、走行に支障をきたす可能性が大いにあるんです。

画像: 3.荷物の用意

Ruriko なので、荷物が多くなる場合や宿泊を伴うツーリングでは必ずリュックサックを背負うようにしましょう。リュックサックも、可能であれば肩ヒモのズレを防止するチェストストラップのついたものを選ぶのが良いかと思います。もし、ウエストバッグ等があるのであれば、貴重品等こまごましたものはウエストバッグに移して、リュックの重量をなるべく軽くしてあげるのが理想です。

けれどもやっぱり、リュックを背負った状態での長時間走行はあまりおすすめできません。ツーリング先でちょこっと立ち寄ったスポットでも、シートバッグと違ってバイクにくっつけておけないので、宿泊用の荷物がどっさり入ったリュックをずーっと背負っていなければならなくて、そう考えるとライダーへの負担ってかなり大きいんです。

ですから、リュックで凌げるのはせいぜい2泊3日分くらいまでの荷物が限度だな、という認識の方が良いかと思います。荷物の多くなりがちな方や冬場などは、とくに気をつけてくださいね。

そういった面でも、シートバッグはかなり有能なアイテムですから、宿泊を伴うツーリングをメインに楽しみたいのであれば、シートバッグやパニアケースを購入したり、あるいはバイクへ直接積載することを視野に入れた方が良いかもしれませんね。


4.バイクの整備やアイテムの準備、保険の確認

画像: 点検とあわせて洗車も忘れずに!

点検とあわせて洗車も忘れずに!

Ruriko ツーリング前、というかバイクに乗る前にチェックしておいてほしいのは、よく言われる「ブタと燃料」です。機械的なトラブルによって事故を招くことがないよう、その他の箇所も入念に確認しておきましょう。不安があれば、車両を購入したディーラーやバイクショップなどに点検をお願いするのが良いと思います(長期間のツーリングになる場合には、事前にオイル交換を済ませておくのも良いかもしれません)。

\ちょこっと天の声/
「ブタと燃料」って何だ?

教習所やライディングスクール等でよく使われるこの言葉、“ブタ”と聞いて“豚”を想像された方もいらっしゃるかと存じますが、これはバイクの整備箇所の頭文字を取って造られた、いわゆる語呂合わせのキーワードです。

それぞれ、「ブ」はブレーキ、「タ」はタイヤ、「と」は灯火類を表していて、これら車体の3カ所に加えて「燃料」を確認しよう、というのが乗車前のチェック項目。ライダーなら必ず覚えて実施しておきたいことのひとつです。
▶▶▶「ブタと燃料」の確認方法はこの記事をチェック!

Ruriko そのほか、準備しておくべきなのは装備類です。例えば、高速道路や有料道路を利用する場合、バイクにETCの車載器が標準で装備されているのであれば、車載器へカードをセットするのを忘れないようにしましょう。車載器がカードのICチップをしっかり読み込めているのかも確認してくださいね(緑のランプが点灯するはずです)。

車載器がなく、カードや現金で支払う場合には、料金所で停止したときスムーズに通行料金を支払えるよう、ウエストバッグやシートバッグの外ポケットなど、サッと取り出せる場所にお財布をしまっておくなど、工夫も必要です。

Ruriko スマートフォンをナビ代わりに使う方であれば、スマホホルダーも準備しておくのがおすすめです。信号待ちでスマホを取り出して確認……っていうのは危ないですし、ずっと手に持ちながら走行、という訳にはいきませんから(笑)。

欲をいえば、バッテリーを充電できるUSBポートなんかも付けておくと安心ですね。

Ruriko 車体そのものとは関係ありませんが、ヘルメットにインカムを装着しておくと便利なことが多いです。ほとんどのインカムがBluetoothを介してスマホとリンクさせることができるので、音楽やナビの音声案内を聴けたり、友人との通話を楽しみながら移動することができるようになります。

ただ、メーカーや、音質や機能のグレードによってお値段がかなり違ってくるので、機種の違いをしっかり吟味した上で、自分に必要だな、と思う性能を備えているものを選んでくださいね。

画像: 写真のインカムは、サインハウスの「B+COM SB6XR」(税込4万7300円)。 amzn.to

写真のインカムは、サインハウスの「B+COM SB6XR」(税込4万7300円)。

amzn.to

Ruriko バイクの整備や点検をいくら入念に行っていても、旅の途中のトラブルはつきものです。事故が起きなくとも、ガス欠やタイヤのパンクによって走行が困難な状態になってしまうこともあるので、そういった場合に備えてロードサービスに加入しておくのもおすすめです。

有名どころでいうとJAFなどがありますが、任意保険などにもロードサービスを受けられる特約が付帯している場合がありますから、出発の前にいま一度、ご自身で加入している保険の補償内容をしっかりと確認しておきましょうね。(任意保険には絶対に加入してくださいね‼)


5.気象情報のチェック、出発前準備

画像1: 5.気象情報のチェック、出発前準備

Ruriko 出発する直前はもちろん、日程が決まったタイミングからかならずチェックしておいてほしいのは、気象予報です。もちろんこれは、出発直前だけチェックしてほしいわけではなく、日程がある程度定まったら都度確認してほしいことです。

気象予報というと、晴れだとか雨だとか、天気にばかり目がいきがちですが、絶対に見ておいてほしいのが風速です。バイクに慣れている方ならある程度は問題ないかと思いますが、経験上風速5m/sの中をバイクで走るのはかなりハード、7m/sは危険ですから、初心者の方は日を改めるのもひとつの選択だと思います。

画像2: 5.気象情報のチェック、出発前準備

とくに、橋の上なんかは風の影響を顕著にうけます。神奈川県川崎市と千葉県木更津市と繋ぐ東京湾アクアラインは、走行していると隣の車線までどんどん流されてしまったりして、初めてだとトラウマになっちゃうと思うんですよね。

排気量250ccクラスの車両やオフロードバイクなんかに乗っている方はモロに怖い思いをする可能性がありますから、風には十分注意してください! 万一、強い風に拭かれたら、スピードを緩めるよりもある程度しっかりアクセルを開けてあげた方が車体が安定するので安全ですよ!

画像3: 5.気象情報のチェック、出発前準備

Ruriko 出発直前のバイクの準備として、バイクのトリップメーターをリセットをしておくのもおすすめです!

私のバイクには、トリップA、トリップBの2つのメーターがあるので、出発前にどちらもゼロにして、トリップAは給油タイミングを見計らうために、トリップBは最終的な総走行距離を測定するために使っています。燃料を効率よく補給するのに役立ちますし、なにより自宅に到着してから、「うわ!こんなに走ったんだ!」っていう達成感を味わえるのが良いんですよね。

画像4: 5.気象情報のチェック、出発前準備

Ruriko 最後に、前日は夜更かししすぎないよう早めに寝て、十分に睡眠をとってくださいね。

翌朝の出発時刻はプランによってばらばらだと思いますが、まだバイクに不慣れな方が日帰りツーリングに出かけるのであれば、日が沈む前、だいたい17時くらいには自宅に帰れるよう調節して出発しましょう。道の混雑状況を加味して、早朝に出かけて、15時にはお家に帰る、なんていうプランもおすすめですよ。

談:Ruriko/写真:webオートバイ編集部/まとめ:大冨 涼

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