日本人2人が表彰台獲得も悔しい結果に
土曜日に行われた予選では、山中が初のポールポジションを獲得。悲願の優勝に向けて最高の結果を残してみせた。
気温33度、路面温度41度のドライコンディションのなか、決勝レースがスタート。ポールスタートの山中はホールショットを奪いトップでターン1に侵入。その後、2番グリッドスタートのジョエル・ケルソ(LEVELUP-MTA)にパスされるもトップ集団でレースを進めていく。

ポールシッターの山中がホールショットを奪う。
後方では12番グリッドからスタートした古里が8位にまでポジションをあげ、上位を狙う。
トップ集団では、山中がホームストレートでケルソからトップを奪いかえし、ホセ・アントニオ・ルエダ(Red Bull KTM Ajo)、アンヘル・ピケラス(FRINSA - MT Helmets - MSI)を相手にトップ争いを展開していく。
トップ集団が抜け出すかと思われたが、激しいバトルが展開されたこともあり、ダビド・アルマンサ(Leopard Racing)、古里、リカルド・ロッシ(Rivacold Snipers Team)の5位集団が接近。
アルマンサが単独で転倒すると、古里が4位にあがりトップ集団に加わる。山中と古里はルエダやケルソ、アンヘル・ピケラスらと優勝争いを演じていく。しかし、トップに立ったとしても、1kmを超えるロングストレートでスリップが効くため、抜け出すことはできない。
誰も抜け出すことなく、周回数は残りわずかに。残り3周では古里が一気にトップに立つも、翌周のホームストレートでは山中が抜き返す。その時、なんとルエダのマシンから白煙があがりストップ。今大会も優勝大本命だったポイントリーダーがまさかのノーポイントとなった。

最後の最後まで接近戦が繰り広げられたトップ集団。
優勝争いは山中がトップでファイナルラップに突入。しかし、ターン6でピケラスがインをつきトップに立つと、古里がそのピケラスを抜きトップで最終コーナーへ。
このまま古里がトップチェッカーを受けると思われたが、最終コーナーでブロックラインを取り過ぎてしまったため加速が鈍る。
そしてフィニッシュラインでは古里、ピケラス、山中がなだれこみ0.009秒差でピケラスが優勝をもぎとった。2位は古里、3位は山中。両者とも初優勝にあと一歩届かなかったため、悔しい結果となったが、それでも日本人ライダーによるダブル表彰台となった。
次戦は4月25日から27日にかけて行われるスペインGP。今シーズンもついにヨーロッパラウンドに突入する。多くのライダーが走り慣れたサーキットが続くため、ライバルたちの成績の上向いてくる時期でもある。
しかし、今回表彰台を獲得した古里と山中も流れに乗っていきたいところ。悲願のGP初優勝に向けて彼らの戦いは続く。
2025 Moto3 第4戦カタールGP 決勝結果

レポート:河村大志