ホンダ×マウジーの最終回! “ピットイン”をイメージしたアパレル&車両が展示


バロックジャパンリミテッドが展開する、女性向けのカジュアルアパレルブランド・マウジー。トレンドを取り入れた“強め”なデザインが魅力で、定番のデニムは様々なシルエットやデザインのものをラインナップ。若い女性を中心に人気を得ている。
そんなマウジーは、2024年2月にホンダレーシングとのコラボレーションをスタート。すでに発表された第1弾・第2弾はともに、あまりバイクやレースに馴染みのない方々の間にも反響を呼んでいた。
今回発表されたのは、最後のコラボとなる第3弾。これまでと同じく、オリジナルのラッピング車両と、それにちなんだアパレルが公開された。

キービジュアルとなった今回の車両はレブル1100 Sエディション DCT。第一弾がCBR1000RR-R ファイヤーブレード、第二弾がCRF450Rと、レーシーなモデルが続いていたのに対し、一味違ったテイストの車両が選出された。
理由を伺ったところ、“レースの後にゆっくりとピットインしていく様子”をコラボ幕引きのイメージに投影し、最後は悠々と走るクルーザーモデルが相応しい、ということからレブルが選ばれたのだそう。白とブルーの2色をメインにしたトリコロールカラーのラッピングが施されたレブルは、これまでの2機種とは印象が一転。爽やかなスタイリングとなる。



コラボアパレルはすでに全国のMOUSSYおよびオンラインストアで販売中だ。また、第一弾〜三弾までに登場したコラボ車両は、今後鈴鹿8耐やモビリティリゾートもてぎなどに展示する方針とのことだ。

コラボアパレルは、キービジュアルに即してピットの作業員の姿も彷彿とさせるラフなアイテムが多数ラインナップ。店頭にはタイヤや工具箱などといった小物も飾りとして展示されていた。

コラボアパレルは、キービジュアルに即してピットの作業員の姿も彷彿とさせるラフなアイテムが多数ラインナップ。店頭にはタイヤや工具箱などといった小物も飾りとして展示されていた。

こちら店員の花凛さん。「HONDA RACING TINY TEE(税込6996円)」がお気に入りだそう。実際に着用して、「“Fusion” LOVUS×HONDA」展の作品の前で写真を撮影。

こちら店員の花凛さん。「HONDA RACING TINY TEE(税込6996円)」がお気に入りだそう。実際に着用して、「“Fusion” LOVUS×HONDA」展の作品の前で写真を撮影。

発表当日の夜8時からは、これを記念したパーティーが開催。コラボ車両やアイテム、アートギャラリーなどを眺めつつ、それぞれ談話を楽しんでいた。

発表当日の夜8時からは、これを記念したパーティーが開催。コラボ車両やアイテム、アートギャラリーなどを眺めつつ、それぞれ談話を楽しんでいた。
新進気鋭のアーティスト4名とコラボした「“Fusion”LOVUS×HONDA」展が開催
ホンダの新たな取り組みとして、コラボ第3弾と同時に発表されたのが、「芸術」との融合をテーマとしたアートギャラリー「“Fusion”LOVUS(ローヴス)×HONDA」。
ローヴスギャラリーは、マウジーと同様にバロックジャパンリミテッドが運営するアートギャラリーで、今回は“Fusion(フュージョン)”をテーマに、若手のアーティスト4名がホンダ協力のもと作品を制作。2025年5月6日まで同会場にて展示中だ。

本企画を提案したローヴスギャラリーの鈴木崇真さん。
今回のコラボ展示について、キュレーションを担当したローヴスギャラリーの鈴木さんにお話しを伺った。(以下、鈴木さん)
「今回のコラボは、これまでとはまた違った切り口から若い世代の皆様に向けてホンダの魅力を伝えてはいけないものか、という考えからご提案させていただきました。ホンダさんが長い歴史の中で人々に与えてきてくれたものって、車やバイク、モータースポーツなどがどうしてもフォーカスされがちですけれど、それだけではなく、カルチャーシーンでも大きな影響を与えてくれていたんですよね。そういった面からみると、今回依頼した4名のアーティストのホンダへのアプローチはバラバラで、それでいてどれも面白い、個々のスタイルが際立つ作品になっているんです。今回のギャラリーを企画して、“ホンダの多様性”みたいなものを改めて認識させられました」
「ホンダさんの懐の深いところなのですが、やはりこういった大きな企業さんになると、普通は昔のロゴを使わせてもらったりとか、ロゴを崩したりとかって、なかなかできないんです。けれどもホンダさんは、“アートの範囲である”と、ご許可をいただけて。展示されている作品をご覧いただければお分かりいただけると思いますが、アーティストの皆さんがかなり自由度の高い表現ができたと思うんですよね。そういった面において、のびのびやらせていただけましたし、作品をグッズにも落とし込むことができて、すごく感謝しています」
▶4名のアーティストと作品をご紹介
アーティスト:江頭誠さん

旅館や家などにある昔の毛布を用いて作品をつくる江頭さん。テーマは「お散歩」で、CBR1000RR-Rを犬に見立て、カウルやミラー、グリップ、マフラーなど各部をまるっと毛布で覆い、和やかで可愛らしい見た目に。
飼い主を彷彿とさせるマネキンも、その衣装は毛布で包まれており、ベースは実際にテストライダーが使用していたライディングウエアやブーツ、ヘルメットを使用しているのだとか。
物質的に硬いもの、男性的なゴツゴツしたものをやわらかな毛布で包むことで、元からあったものとは違った見方を鑑賞者に与えてくれる作品だ。



アーティスト:水野耕平さん


作品を手掛ける水野さんは、美術大学で学んだ油絵と、自身が得意とするストリートな要素とを掛けあわせ「自分たちが見ている世界が如何に表層的で曖昧なものか」を問いかける作品を3点展示している。
一見、金網とコンクリートのように思われる1作品目(上の写真)は、すべて木の合板から創られた彫刻作品。ほか2作品(下の写真)は、どちらも実際にホンダが使用している企業用封筒をベースにロゴや写真などを切り貼りしたコラージュとなる。
フェンスや金網、ウォールペイント風の瓦礫や文字グラフィックの繊細な描写からは、水野さんの高い技術力が伺える。コーポレートロゴを大胆に破き貼ったこの作品は、正式なコラボだからこそできる自由かつ斬新な表現となっている。



アーティスト:You2さん

履かなくなったスニーカーやウエアなど切り貼りした「コラージュ」を得意とするYou2さんの作品。ホンダのテストライダーが実際に着用していたライディングスーツとブーツを用い、「ウイングマーク」とジェットヘルメットをイメージしたマスクの2作品を制作した。
「劣化し、破壊されたもの」というマイナスのイメージを、「創作する」ことによってプラスの要素へと変化させてゆくのがYou2さんの作風で、度重なるテスト走行によってついたキズやシワをそのまま生かして新たなモノに。
“ライダーたちの度重なるテストにおける成果が製品化への翼となる”というイメージから、マスクにも、翼をモチーフとしたデザインが盛り込まれている。

学生時代からバイクが好きだったYou2さんは、自身の初個展の費用に充てるため、5年程前に泣く泣くCB400SFを売却。現在の目標は、作品を販売した資金で再びバイクを買い直すことだそう。

学生時代からバイクが好きだったYou2さんは、自身の初個展の費用に充てるため、5年程前に泣く泣くCB400SFを売却。現在の目標は、作品を販売した資金で再びバイクを買い直すことだそう。

学生時代からバイクが好きだったYou2さんは、自身の初個展の費用に充てるため、5年程前に泣く泣くCB400SFを売却。現在の目標は、作品を販売した資金で再びバイクを買い直すことだそう。
アーティスト:仲衿香さん





ホンダが紡いできたヒストリーをアートの形で表現してみよう、というコンセプトのもと制作された作品で、初代から現在まで合計5種類の「ウイングマーク」ロゴが絵画チックに表現されている。
この作品を制作した仲さんは、元から企業ロゴなどモチーフとした作品づくりを得意としており、厚塗りのペイントは、視覚的なインパクトをより深めるねらいがあるのだという。

仲衿香さんの作品は“Fusion”LOVUS×HONDA展の限定グッズとして販売されている。
まとめ:大冨 涼