住宅事情とフトコロ事情を筆頭に、いろんな理由があり、
もう何年も愛車のない生活を送っている私。
仕事柄、1〜2カ月に一度はバイクにガッツリ乗る機会があることも
手伝って(正確に言えば、それで満足しちゃって)、
なかなか愛車購入に踏み切れない状況です。
しかし! そんな私が本気の本気で購入を考えているのが、
ヤマハのMT-07なのです。
いつからでしょうか。私は大型バイクに乗り始めて結構早い段階で、「自分にはリッターバイクを扱いきれる技量がない」と、キッパリさっぱり諦めました。ただ、これまで250㏄モデルしか所有したことがなかったのもあり、一度は大型バイクを持ってみたい。だから狙うならミドルクラスだ! と決めたのが、2011年ぐらいだったんです。結構最近です。
だがしかし! 私が魅力に気づいたあの頃、ミドルクラスは
日本で地味な存在でした(あくまで本人の感覚的に)。
今でこそ、カジュアルミドルが百花繚乱ですが、当時の注目度は
低かったんじゃないかなぁ。こんなにも魅力的なモデルが多数出てきた現状は、まるで先見の明があったみたいで、少々鼻高々です、えへ。私の好みは、意外と世の中の流れとリンクしているんですよ(自慢)! ただいつも、私が「これ好き!」と思った時には、すでにどこかでブームが熟しているんですけどね。チョコレートしかり、白湯しかり、ももクロちゃんしかり…って、あれか、私はただブームに乗ってるだけなのか。
さておき、とにかくミドルクラスが私の最適バイク! と決めた私のハートを、ドキューンと見事に打ち抜いてくれたのが、MT-07だったのでした。
なぜ気に入ったのか。その理由をメカ的に性能的に、理路整然と説明なんてできません。そんな知識ないです。それに私は直感を信じる派。なんたって、見た目がいい。サイズがいい。乗っていい。私がそう感じた。それ以外に、惚れ込む理由が必要でしょうか? イヤ、ない!
これまで何度、仕事にかこつけてMT-07に乗ってきたことでしょう。今回だって、「ヤマハのレディースライダーミーティングの取材に行ってきて〜」と言われてスグさま、「じゃあMT-07を借りて、静岡県掛川市までバイクで行ってもいいですか!?」と、前のめり気味で叫びました。職権乱用です、その通りです。そして、約半年ぶり?(好きなわりには忘れっぽい)で乗ったMT-07は、やはり最高の乗り心地なのでありました。
去年からなぜか、仕事で乗るバイク乗るバイクが、リッタークラスの大型マシン、しかもツアラーだのビッグネイキッドだの、デカくて重量級のモデルばかりだったワタクシ。会社のガレージからMT-07を手押しで出した瞬間に、マジで叫びました。
「……軽いは正義‼」
なんでしょう、この安心感。人間は、「コカすかもしれない」という不安から解放されるだけで、こんなにも明るい気分になれるんですね。「ちゃんと起こせるだろうか…」と心配せずにバイクに跨るだけで、脳内にハッピーなアドレナリン(そんなもんあるか知らないけど)が、充ち満ちていくのですね。
じつは秘かに緊張する、高速道路料金所の支払いだって怖くない(巨体のバイクだと、カードやお金を出す時にグラグラするのがちょっと怖いのです)。フラつく心配も、クラッチの重さもないから、渋滞も苦じゃありません。走りは走りで、トロトロ走っても牧歌的な気持ちで楽しめるし、いざ追い抜きともなれば、余裕の加速感でこれまた気持ちいいのです。扱うのが怖くない。でもどんな場面でも必要充分なパワーがあるって幸せ。「パーフェット!」と、ケイン・コスギになりきって言いたくなります(古くてスミマセン)。どうやら私は、人様より延々走り続けるロングランが苦にならないタイプのようですが、MT-07だと本当にどこまでも行けちゃう気がするんですよ。
新橋の編集部から、イベント会場のヤマハリゾートつま恋までは約220㎞。取材だし念のためホテルを取ったのですが、正直、日帰りでもあまりツラくなかったんじゃないかしら…。
あぁ、07ちゃん。こんなに愛してるのに、主に経済的事情で(冒頭でいろんな理由って書いたのは…)、まだ我が子にしてあげられなくてゴメンナサイ。待っててね、いつか私は、あなたの立派な持ち主になるから!
そうむせび泣きながら、私は会社のガレージに、MT-07を返却したのでした(一部誇張あり)。
☆ ☆ ☆
結論、やっぱり何度乗っても「いま一番欲しいバイク」の座は揺るぎません。欠点も見えないほど、私とMT-07は相性が良いのだと思いますが(笑)、強いて言えば、収納力が欲しい…かなぁ。MT-09のように、MT-07トレーサーは出ないのでしょうか。あ、でもそしたら車体がデカくなっちゃうのか。悩むわ〜。
日常に溶け込むスポーツマインド
バイクが持っている本来の楽しさを追求したっていうけど、それは一体ナンダ…!? 乗ればわかる、ワクワクする乗り物なんだ。軽い車体はそれだけで性能が底上げされるし、人車一体となるポジションはライディングのイマジネーションを沸き立てる。日常でもスポーツパッションを感じられるぞ!
主要諸元
●全長×全幅×全高:2085㎜×745㎜×1090㎜
●シート高:805㎜
●ホイールベース:1400㎜
●車両重量:179[182]㎏
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
●総排気量:689㏄
●最高出力:73PS/9000rpm
●最大トルク:6.9㎏-m/6500rpm
●燃料タンク容量:13ℓ
●ブレーキ(前・後):ダブルディスク・ディスク
●タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17
※[ ]=ABS ◎実走燃費:約22km/ℓ
〜〜齋藤ハルコ〜〜
乗り物系を中心に活動するライターで、永遠のバイク初心者。
延々と「そろそろ買います」と言いながら、愛車買う買う詐欺(?)を
ズルズル続けているが、バイク歴はそこそこ長め。
でも大型2輪免許の取得は2011年と、そこそこ近め。
長々と中免でこの仕事を続けていた理由は長くなるので、また今度。