他メーカーのスーパースポーツマシンと並んで、最先端スーパースポーツの
代名詞とも言えるYZF-R1。今回は145PSになって昨年登場した国内仕様の
試乗ダイジェスト。最先端のメカニズムがいっぱい搭載されていて、
カタログだけ見ていると圧倒されてしまいますが、余計なことを考えずに
乗ってみればその乗りやすさと、回すことの快感を体感できるんです。
それでは本誌メインテストライダーの宮崎敬一郎による、インプレッションを
お楽しみ下さい!
[車種解説]
コーナリング性能に大きく影響する不等間隔爆発クロスプレーン型クラ
ンクシャフトをはじめ、モトGPレーサーYZR-M1のノウハウを随所に受け
継ぐ09年型YZF-R1の国内仕様。クランクシャフトをはじめ、アルミ鍛造ピ
ストンやクローズドデッキシリンダー、FSコンロッド、スリッパークラッチ、
ツインインジェクター式FI、YCC-I、YCC-Tなどを採用したエンジンは、日
本の騒音規制や交通事情に対応して最高出力を145PSに設定。「スーパ
ーコーナリングマシン」の本領がフルに味わえる設定となっている。好み
や走行シーンに合わせてパワー特性を3段階に切り替えられる「ヤマハ
Dモード」も装備されている。
[インプレッション]
クロスプレーンクランクにより、V4のように穏やかで伸びやかな吹け方を
する。極低回転域を除いてトルクにコシがあり、力強く、思い通りのパワー
が得られる。この独特の感覚を備えたエンジンが大いなる魅力。国内仕様
とはいえ145PSもの力があり、フルパワーに引けを取らない立ち上がり加速
も可能。これもスゴイ。ハンドリングは軽快で、その手応えの軽さはこのクラ
スでイチバン。しかも足まわりの良さからスタビリティも常識外れ。寝かしても
開けやすいのだ。乗り手を選ばない扱いやすいSSだが、操縦性キャラは開
けて曲がるR1と、曲がってくれるCBRといった違い。ただギアリングはレー
シーで、殆どの峠道はローギヤのみで足りてしまう。
(写真/赤松孝、ヤマハ発動機)
■YZF-R1(国内仕様) 諸元
全長×全幅×全高:2070×715×1130mm
ホ イールベース:1415mm
シート高:835mm
車両重量:212kg
エンジ ン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:997cc
ボア×ストローク:78.0×52.2mm
圧縮比:12.7
最高出力:145PS/11000rpm
最大トルク:10.0kg-m/10000rpm
燃料供給方式:FI
燃 料タン ク容量:18L
変速機形式:6速リターン
ブレーキ形式 前・後:ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・190/55ZR17
カラー:ディープパープリッシュブルーメタリックC、
ブルーイッシュホワイトカクテル1、ブラックメタリックX
■ 価格:141万7500円