400ccは53馬力まで」という自主規制をクリアし、堂々の61馬力で登場したGSR400。車体も600がベースなので、サーキットのスポーツ走行でも抜群の安定感だったりするんですねぇ。個性的な車体デザインのためか、アフターパーツが少ないのは気になるところですが、スポーツ派にはお勧めの1台です。それでは試乗ダイジェストをどうぞ。(オートバイ編集部・福助)
[車種解説]
GSX-R600のエンジン&フレームをベースにネイキッドに仕立てたスポーツモデル。馬力自主規制緩和を受け、09年モデルのマイナーチェンジで400cc史上最高の61PSをマークしたことでも話題となった。高回転型のパワー特性で、フレームやサスペンション設定など、かなりのスポーツ志向。ドッシリとした安定感が、高速高荷重域では軽快に変わっていく、ワインディングで真価を発揮するスーパー400ccだ。
[インプレッション]
高回転型エンジンを剛性の高い車体に搭載したGSR400は、ネイキッドというよりミドルクラスのハイパーネイキッド的な性格。同じ並列4気筒エンジンを積むCBや、Vツインのグラディウスとは明らかに毛色が異なる。
輸出仕様の600cc版ベースなので車体はやや大きめ。マッチョなボディデザインやテールカウル下に突き出したアップマフラーもあって、その存在感はどこか男っぽい。
GSR400の特徴はガチッとしたハンドリング。フロント回りの剛性感が高く、乱暴に振り回すような乗り方をしても頼りなさは感じないから、積極的にハンドルに荷重して初期旋回力を引き出せる。サーキットではリアサスの踏ん張りが不足気味だが、峠道ならまったく不満なし。フルバンク時間を短く取るストリートファイター的な乗り方が決まる。街乗りでは若干ゴツゴツした乗り心地だが、これは鋭いフットワークとトレードオフ。ハイパーネイキッドだと思えば当たり前のレベルだ。
エンジンは旧GSX-R600用がベースだけに高回転でパワーを絞り出す特性。実際、馬力規制撤廃後の2009年モデルからは61馬力を発生している。パワーバンドは9000~1万3000回転。クロスレシオのミッションを的確に操作してパワーバンドを保って走るエキサイティング感はクラスナンバーワン。金属的なサウンドも気持ちを盛り上げてくれる。
グラディウスはどこか女性的で、CBは中性的。逞しさを求めるならGSRだ。
(写 真/南孝幸)
■SUZUKI GSR400 諸元
全長×全幅×全高:2090×795×1075mm
ホ イールベース:1435mm
シート高:785mm
装備重量:210kg(※ABSは215kg)
エンジ ン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:398cc
ボア×ストローク:54.6×42.5mm
圧縮 比:12.2
最高出力:61PS/12000rpm
最大トルク:4.0kg-m/10000rpm
燃料供給方 式:FI
燃 料タン ク容量:16L
変速機形式:6速リターン
ブレーキ形式 前・後:ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・180/55ZR17
■ 価格:82万9500円/86万1000円