【途中経過】履き替えてから4ヶ月で3000kmを走行

多様な走行環境や、ペースに対応できるように設計されている公道用タイヤの評価は難しい。レース用タイヤならラップタイムという明確な評価軸があるけれど、公道用は現実問題として走行テスト環境を揃えるができないし、装着したオートバイとの相性とライダーのスキルや好みが評価を左右しかねない。

そんな理由もあって、できるだけ評価基準がブレないように、『ロードスポーツ2』のテストはこれまで7種類のタイヤを装着してきた僕とニンジャ1000のコンビで担当しています。ニンジャの走行距離が2万9000kmで8セットめだから、1セット平均3600km程度。う〜、もったいない……。

さて、ロードスポーツ2に履き替えてから4ヶ月で3000kmを走行しました。予定より距離が伸びていないのは、僕がくたびれた中古のKLX250を買い、走行→整備→走行を繰り返してるもんでニンジャに乗る機会が減っているから。でも、取材先までは市街地を走ることが多いし、自宅から編集部までは高速道路がメイン。それにワインディングお腹いっぱい(笑)のツーリングにも2回行ったので、ロードスポーツ2が想定する走行環境はサーキット走行を除いて網羅したと思う。

画像: 編集スタッフやカメラマン、ライターで構成されているGTCS(ジジイ・ツーリング・クラブ・新橋)のツーリングは毎回峠道たっぷりのルーティング。ペタペタと寝かせて楽しんでます。

編集スタッフやカメラマン、ライターで構成されているGTCS(ジジイ・ツーリング・クラブ・新橋)のツーリングは毎回峠道たっぷりのルーティング。ペタペタと寝かせて楽しんでます。

1回目のレポートにも書いたけど、市街地では路面のギャップをしなやかに吸収してくれる乗り心地の良さと、特に低中速域での落ち着いたハンドリングが好印象。直進安定性が高くて路面に掘られた縦溝や轍にハンドルが取られるようなこともないし、特定のバンク角から旋回力が強まることもない。とにかく疲れなくて扱いやすいから、車両メーカーとタイヤメーカーが協力して作り上げた標準装着タイヤのよう。ただ、「すごく変わった!」という感覚は得にくいから、物足りなさを覚える人も居るかもしれない。

高速道路クルージングでも乗り心地の良さに変わりはない。高架部分や陸橋の継ぎ目を通過したときのショックが想像よりもずっと少ないので拍子抜けするほど。道路上の障害物を回避するためにクイックな進路変更を余儀なくされたときもタイヤが捩れる感触は皆無だった。もちろん気になるロードノイズもないから、これまた疲れない特性です。

そしていよいよワインディング編。舗装林道のようなガタガタ、クネクネの峠道からサーキットのような高速コーナーが続く気持ちのいいワインディング区間まで走った結論は、『公道走行で要求される性能+α』でまとめられているということ。

特に舗装林道のような場所で強くメリットを感じたのが、市街地での印象と同じギャップ吸収性の高さと素直な旋回性能。バンク中にギャップを通過してもハンドルのバタ付きは最小限だし、バンク角と旋回力の関係が実にリニアで、ライダーが余計な操作をしなくても綺麗なラインを描いて旋回してくれる。

高速コーナーでの踏ん張りも充分で、かなり荒っぽく扱っても腰砕け感は出ない。タイヤの端の端まで使う深いバンク角の領域ではもう少し旋回力が欲しくなるけど、公道ではそうそう使わないフルバンク時の旋回力を出すために旋回力のリニアさが犠牲になったら本末転倒なので、このキャラクターには納得。グリップ力も1速でぶん回してそこそこ攻めても余裕あり。サーキット走行会のペースだったら不足はまったく感じないはずです。

ちなみに、タイヤの内圧もいろいろ変えてみたんだけど、ニンジャ1000との組み合わせでは前後とも車両指定のままでOK。一人乗りで市街地の乗り心地重視というときやスポーツ走行ではリアを2.7キロあたりまで落とすのもあり、という感じ。フロントは2.3キロ、リアは2.5キロを下回ると明らかにハンドリングが鈍重になるから、基本的には車両指定空気圧で管理することを推奨します。

3000km走行の時点で偏摩耗は起きていないし、ハンドリングも新品の時から変わらない。前モデルの「ロードスポーツ」は4000kmあたりからハンドリング性能が下がったから、あと2000kmぐらい走ると違いが感じられるかな。僕自身も楽しみだし、webオートバイでも引き続きレポートします。

画像: 峠道走行といっても革ツナギにフルフェイスという本気装備じゃないし、参加者全員年寄り(笑)なので無茶はしない。でも耐摩耗性重視のツーリングタイヤだとやっぱり物足りないので、ロードスポーツ2がちょうどいい。

峠道走行といっても革ツナギにフルフェイスという本気装備じゃないし、参加者全員年寄り(笑)なので無茶はしない。でも耐摩耗性重視のツーリングタイヤだとやっぱり物足りないので、ロードスポーツ2がちょうどいい。

画像: 「タイヤの単体重量を知りたい」というコメントがあったので、交換時の写真を引っ張り出してきた。フロントが4.425kg、リアが6.830kgでした。僕が履いてきた8セットの中では標準的な数値です。

「タイヤの単体重量を知りたい」というコメントがあったので、交換時の写真を引っ張り出してきた。フロントが4.425kg、リアが6.830kgでした。僕が履いてきた8セットの中では標準的な数値です。

画像: 【途中経過】履き替えてから4ヶ月で3000kmを走行
画像: 舗装林道走行後のリアタイヤ。1速を使って結構パワーを掛けたんだけど、トレッド面もグルーブ(溝)の角も荒れていない。

舗装林道走行後のリアタイヤ。1速を使って結構パワーを掛けたんだけど、トレッド面もグルーブ(溝)の角も荒れていない。

太田安治のタイヤレポート【DUNLOP スポーツマックス・ロードスポーツ2】編

ダンロップ【SPORTMAX Roadsport 2】 公式サイト

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