タフなルックスに見合ったオフロード性能を獲得!
XーADVはスクータールックのアドベンチャー。昨年登場したばかりだが、この2018年モデルで早くも小変更を受け、効き具合をセレクトできる(2段階とオフ)トルクコントロール機構・HSTCと、クラッチ制御でオフロードでダイレクトにトルクを伝える「Gスイッチ」が追加された。
基本的にはDCTミッション+270度クランクのパラツインを搭載する「NC750ファミリー」の1バリエーション。遥か遠くには「ご先祖」のインテグラが見えるが、XーADVはシート下の収納が大型スクーター並みだし、最新のDCTセッティングのおかげで、スポーツランでもストリートでも使いやすい。何より「スクーター型アドベンチャー」という特異な個性は、今のところ他には存在しない。これが何よりの魅力だ。
ただ、ココで問題なのは、この「アドベンチャールック」をドコまで信頼していいのか? だと思う。昨年のデビュー時は「タフなシティアドベンチャー」という、ファッショナブルなファンバイク的魅力を前面に出していたが、今年のモデルはひと味違う。
この新型、なんとオフを走る能力を本気でアップグレードしてきたのだ。おもに、冒頭で紹介したDCTの制御プログラムとHSTCがその役割の中心を果たしているのだが、リアをスライドさせた時などの御しやすさ、パワーの使い勝手がまさにダートツアラー的。サスやシャシーはこれまでと同じなので、大きな凸凹や溝にはかなわないが、フラットダートや未舗装路にあるワダチやウネリくらいなら普通に走破できてしまう。
HSTCの効きを強めに設定すれば、ほとんどスリップせずに加速する。これを弱めると、コーナリング中に少し流れては戻り、を繰り返しながら加速する。オフにすると、リアはよく空転するしスライドもするが、重心が低いのでハイサイドになりにくく、ドリフトが面白いように決まる。Gスイッチは、シフトアップ時に繋がりが滑らかになるのを体感したくらいで、このバイクのタイヤの性能だと、以前と変わらないように感じた。
このバイクが面白いのは、スクーターやミドルNKでは難しい悪路を走れる素性を備えていて、普通の道でも林道でも、まるでクルーザーのような感覚で走れること。粋でシャレた、タフなイメージのルックスに似合った走りもできて、DCTのイージーさも加わった、魅力的なモデルだ
SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高 2230×910×1345㎜
ホイールベース 1580㎜
最低地上高 135㎜
シート高 790㎜
車両重量 238㎏
エンジン形式/総排気量 水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒/745㏄
ボア×ストローク/圧縮比 77×80㎜/10.7
最高出力 54PS/6250rpm
最大トルク 6.9㎏-m/4750rpm
燃料供給方式 PGM-FI
燃料タンク容量 13L
キャスター角/トレール 27度/104㎜
変速機形式 DCT
ブレーキ形式 前・後 φ296㎜ダブルディスク・ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70R17・160/60R15