好バランスの車体が生み出す抜群の走りと乗り心地!
フルサイズの125㏄オフローダーはかつて各メーカーからリリースされ、ビギナーの入門用として、あるいはベテランたちのセカンドバイクとしても根強い人気のあったクラスだが、昨今はすっかり影を潜めていた。
そんな中、今回試乗したアプリリアのRX125はフロント21/リア18インチというフルサイズで、しかも税込み40万円を切ったモデルで、注目せずにはいられない1台だ。
実はこのモデル、2ストモデルとして長らく販売されてきたが、従来型は2008年のデビューで、吸気が未だキャブレターなど、旧さは否めなかったが、今回のフルモデルチェンジで、ついに4スト化されたのだ。
この新型、エンジンも車体も飛躍的に進化している。水冷単気筒エンジンはDOHC4バルブで、低回転域から発進に気を遣うことのない充分なトルクを発揮し、そのままフラットに高回転までスムーズに回ってグイグイ力を振り絞る。ピックアップは鋭く、スタートダッシュも中間加速もビシッと力強く、クルマの流れをリードして走るのも容易い。
フルサイズゆえに窮屈さがなく、アップライトなライディングポジションでゆったり乗れ、視線が高いのも市街地で有利。細く軽い車体と切れ角の多いハンドルで、混雑した都市部もスイスイ走り抜けることができる。
オフロードでの走破性も高く、斜面があればモトクロッサーのように車体を軽々と空中にジャンプさせることも可能。足まわりはクラスを越えた豪華なもので、フロントにφ41㎜倒立フォーク、リアもリンク式のモノサスを備え、フロント240㎜/リア200㎜という長いホイールトラベルを確保。フレームもスチールのダブルクレードルで、車体と足まわりの好バランスを実現。ダートでも思い切りアクセルを開けて楽しめるのだ。
足まわりの良さは舗装路でも実感でき、ハイスピードのまま大きな段差を乗り越えたときも何事もなかったかのように衝撃を吸収するし、ABSが効くハードブレーキングをしても車体は穏やかに落ち着いていて、フロントサスも踏ん張りきれずにハンドルが振られて収まらないということもない。
乗り心地もいいから、高速道路こそ利用できないが、一般道を使って遠出したくなる。普段は街乗りメインで、休日は林道まで足を伸ばすという使い道を想像すると、楽しくなって思わずにやけてしまう。まさに待望の本格125㏄オフローダーだ。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高 NA
ホイールベース NA
シート高 905㎜
車両重量 NA
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
総排気量 124.2㏄
ボア×ストローク 58×47㎜
圧縮比 NA
最高出力 NA
最大トルク NA
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 7.5ℓ
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ260㎜ディスク・φ220㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 90/90-21・120/80-18