メンテdeギアーズ
星の数ほどあるバイク用品。つぎつぎに登場するNEWアイテムの中から、注目の逸品を厳選してご紹介! 日々のバイクライフに役立つメンテナンス用品&使用方法を紹介する『メンテdeギアーズ』の第2回目もお届けします!
オートバイのタンクやカウル、ホイールといった外装パーツはピカピカなのに、ドライブチェーンはドロドロやサビサビというオートバイをよく見かける。チェーンの汚れはチェーンそのものやスプロケットを早く消耗させるし、走行中の騒音、燃費低下の原因にもなるので、定期的なメンテナンスが必須。
「チェーンなんて触ったこともない」というビギナーでも臆することはない。メンテナンス用のアイテムとケミカルを使えば30分ほどでグッドコンディションに仕上げられる。今回はドライブチェーンのクリーンアップから給油までを解説しよう。
チェーンの状態を確認
チェーンはオイルによって潤滑性能を保持して錆も防いでいるが、チェーンオイルに土汚れが付着したまま走っているとチェーンとスプロケットの摩耗が早まる。さらに油分が抜けてプレートが錆びるとキシミ音が発生し、摩耗も急速に進む。こうなるといくらケアしても本来の性能は取り戻せないから、写真の状態まで汚れていたらクリーンアップしよう。ちなみにモデル車は梅本まどかちゃんのCB400SF。RKの高級シールチェーンに新品交換してから1000㎞程度走った状態だ。雨天走行が多いこともあって、結構な汚れが付着していた。
クリーンアップは専用ケミカルで
チェーンの油汚れはガソリンやオイルクリーナーでも落とせるが、250㏄以上のオートバイに使われているシールチェーンの場合はOリング(ゴム製)にダメージを与え、封入してあるグリスが流れ出して潤滑性能が低下する。シールチェーンの汚れ落としには必ず専用のチェーンクリーナーを使うこと。家庭用の中性洗剤でもいいが、油分が落ち切るまで時間が掛かることが難点。チェーンクリーナーをザッと吹き付けてから、チェーンブラシでチェーンの両側面と上面を擦るという手順を2〜3回繰り返せば固まった油もしっかり落とせる。
余分なクリーナーを拭き取る
チェーンクリーナーは比較的粘度が低いので汚れと一緒にポタポタと垂れてくる。作業前に古新聞や段ボールを床に敷き、端をガムテープで止めておくと後始末が楽だ。余分なチェーンオイルは走行中に飛び散ってホイールやウエアに付着するから、ウエスで拭き取っておこう。拭き取りに限らず、クリーナーやオイルの吹き付け、ブラシを使う際にはタイヤを手で回しながら作業すること。エンジンを掛け、ギアを入れてホイールを回すとウエスやブラシが巻き込まれることがあるし、手も巻き込まれて指を切断するような大怪我にも繋がる。
チェーンケースも外して掃除!
チェーンケース(カバー)の内側には遠心力で飛び散ったチェーンオイルと泥が混ざり、粘土状になってベッタリとこびり付く。これが付着していても走行には支障ないが、ため込んでおいたところで何の得もない。徐々に溜まっていくものなのでさほど頻繁にケアする必要はないが、時間に余裕があるときにドライブチェーンと一緒に掃除してやろう。ただし車体に装着したままだと手が入らない。ほとんどの車種のチェーンケースはボルト2本程度でスイングアームに留められているだけなので、メガネレンチや平スパナで外してから作業した方が楽。
しつこい粘土状の汚れはこそいで落とす
チェーンケースを車体から外したら、粘土状の汚れが付いている面を上にしてチェーンクリーナーを多めに吹き付け、汚れが柔らかくなるまで15分程度放置しておく。僕はこの待ち時間をチェーンの張り調整や余分なクリーナーの拭き取り作業、リアホイールの掃除などにあてている。柔らかくなった粘土状の汚れはウエスで拭き取ってもいいが、太いマイナスドライバーの先やスクレーパーを当ててこそぎ落としたほうがはるかに効率的。ただしほとんどのチェーンケースは樹脂製なので傷付けないように。最後にウエスで拭き取ればスッキリだ。
チェーンオイルの着け過ぎに注意
チェーンオイルの役割はチェーンのローラーをスムーズに回転させ、チェーンとスプロケットの噛み合い部分の摩擦を低減させること。オイルは遠心力で外側に行くことを織り込んで作業しよう。プレートの内側部分にはスプレーしにくいので、スプレーのホース先をU字形に曲げるという技もある。ベタベタになるまで着けても意味はないから、クリーナーと同様に余分なオイルは飛散しないように拭き取っておこう。側面プレートには錆び防止の意味で薄く油分が残っていれば充分。繰り返すが、絶対にエンジンを掛けたまま作業しないように。
ここまでキレイになれば完璧!
作業前写真と比べればプレート部の泥汚れがキレイに落ち、ローラー部もツルツルになっていることが判る。細かく見れば内側のプレートと外側のプレートの隙間やプレートの裏側に古いオイルが少し残っているが、これを全部落とすには結構な時間が掛かるし、チェーンクリーナーの使用量も増えるのでDIYメンテとしてはこのレベルで充分。プレートに指で触ると薄くオイル分が付く程度だ。今回はモデル車がカラーチェーンだったので透明タイプのチェーンオイルを使用したが、ノーマルチェーンならより耐久性の高いホワイトタイプを使ってもいい。
使ったGEARSは
LAVEN チェーンクリーナー420㎖
DAYTONA チェーンルブ 高浸透タイプ420ml
DAYTONA チェーンブラシ
DAYTONA リアスタンド アジャスタブル
DAYTONA スイングアームリアスタンド
ココに注目!
防錆潤滑剤をクリーナーやチェーンルブの代わりに使うのは間違い。シールチェーンのOリングを傷めやすいし、潤滑性能も持続しない。必ずチェーン専用ケミカルを使おう。