そんなこんなで、ケニーさんが熊本入りした翌日の10/2からスタートした2018KRJRは3日、最初から予定されていた「走行しない中日」(ケニーさんここで、いつもゴルフに行くんですw)を経て、10/4木曜が2日目のスタートとなりました。
実は正規日程の走行1日目となる10/1月曜にも、運よく熊本入り出来ていたババ・ショバートさんご夫妻を含む小人数は「せっかくバイクもあるし、熊本に来たんだから」ってショートツーリング。やっぱりみんな、もう待ちきれない(笑)。
この日は、熊本のドゥカティショップ「ラ・ベレッツァ」上野さんホストの下、福岡のBMWショップ「ボクセルモト」池田さんがルートをリード。この日本チームのサポートチームなしではKRJRは成り立たないんです。だって、みんなが来日する何日も前から走行ルートを考案し、それが毎日なんだからカブらないようにお互いに調整しながら、中止になったらルート変更、予約しておいたランチもゴメンナサイするとか……もうタイヘン。今年はそういう意味でも、天候に振り回されたKRJRでした。ランチ予約は50人単位だしね。
このルートリードのみんながスゴいの。アメリカン約20台、日本人チーム20台とかの40台もの大集団のツーリングだからして、信号待ちではぐれてもいいように、何重ものバックアップを敷いてくれているんです。
先頭を、たとえばボクセルの池田さんがリードしていて、先頭5台くらいで信号で途切れちゃったとすると、信号待ちの間にいつのまにか後方から新しいリーダーが前を走ってくれて、きちんとルートに合流。その動きは「あれ、予行練習してるの?」ってスムーズさで、参加のみんなが昼食をとっている間にもスタッフがガソリン残量をチェックしてくれたり、宿に帰ると1台ずつ近くのガソリンスタンドへピストン輸送で給油に行ってたり、バイクの汚れは水洗いしてくれて、タイヤのエアもチェックしてたなー。本当に頭が下がります。
まさにプロフェッショナルのリードで、これが日本の「おもてなし」なんだな、と。インバウンドな外国人向け阿蘇ツーリングって新規事業、立ち上げられると思います(笑)。
10/2火曜日がオフィシャルな初日、ってことになるのかな。ケニーさんも含め、参加者がほとんど勢ぞろいしての2018KRJRがスタート! お昼は阿蘇・ケニーズカフェ<http://www.tkbb.jp/aso-kennys-cafe/>で。毎年、ケニーロードとケニーズカフェには行かないとね♪ 毎年、ケニーさんが来ることを知らずに来店したお客さんが、ホンモノに出会って腰を抜かすところです(笑)。
この日は、このKRJRのために20台近くのレンタルバイクを仕立ててくれる「神山モータース」神山さんとそのお客さんたちがルートをリードしてくれました。
10/3水曜日は走行のなかった日。ケニーさんと希望者はゴルフへ、他メンバーも自由行動で市内観光に、ショッピングに出かけていい自由行動の日なんだけど、やっぱり走ろうぜ、ってメンツでショートツーリングへ。神山モータースのお客さん有志一同のルートリードで熊本市内から天草方面へ走って、夜にウェルカムパーティを催してもらいました♪
昨年のウェルカムパーティでは神様に扮して、サポートチームのリーダーの結婚の見届け人になったケニーさん、僕がパーティ会場に着いた頃にはサムライになってた(笑)。ここで僕は、衝撃のエディさん&ババさんを紹介してもらったのです。
10/4木曜は、僕の初走行日であると同時に、エディさんも3日昼に熊本入りしているから、この木曜日が走行初日。心配された台風は熊本に接近しつつあって、その影響か天候は不安定そのもの……。曇りスタートで「きょう雨は大丈夫かな」って思ってたら小雨、豪雨、強風を経て小降りになって快晴、猛暑の中を帰る、なんて天気でした。
この日は「バルコムダウントン」前田さんのリード。僕にとって1年ぶりのKRJRは、いやぁスゴい。相変わらず、ワインディングとワインディングを裏道でつなぐ、ってルーティングで、もうおなかいっぱいだわ、ってくらいワインディングを走れます!
参加してるみんなも、もうすっかり慣れたもので、交通量の多い国道はすごいスローペースで走るんだけど、ワインディングにさしかかるとグンと加速して、とんでもないスピード(もちろん法定速度内ですよ・笑)でワインディングを走り始めるんです。
トップ引きはもちろんケニーさん。この人は給油順だってトップ引かないと気が済まない(笑)。エディさんが後ろに続いて、その後ろにアメリカンたち、ババさんはやや後方で、っていうのがメンバーの大体の走行順。30台以上の台数だけれど、ケニーさんやエディさんをはじめ、タンデムも多いから、決して無茶はしない。
――エディさん、どうですか? モンダイナイ?
「忙しいよ(笑)。天気がいいともっといいけど、素晴らしいルートだ。でも、もう少しリーンしていない時間を作ってもいいんじゃない?(笑)」
「モンダイナイ?」ってのはHow are you?とかNo problem?みたいな意味で使う日米共通のKRJR共通言語で、もちろんケニーさん作(笑)。なんか問題がある時は「ダイモンダイ」って答えます。
でも、よかった! エディさんも楽しそうじゃん! エディさん、あの雰囲気の通りの寡黙な人で、もちろん仲間たちとはハジけるんだけど、物静かな、ほっとくとエナジーバーでごはん済ませちゃうようなひと。タンデムシートの奥様の様子を気にかけながら、それでも初参加の走行ペースについて行っちゃうんだからスゴいなぁ。
少しだけ走りを見ていたんだけれど、もうタンデムのお手本というか、クルマを前後左右にあんまり動かさずに速いのね。きっと現役当時も、こういう走り方で速くて勝っていたから「ステディエディ」って呼ばれてたんだろうなぁ。
5日金曜もやっぱり天気に振り回されっぱなし。前日に「明日は無理かもな」ってみんなが覚悟したほどで、台風がどんどん近づいているからか、きのうの小雨は豪雨に、強風が突風にグレードアップw それでも出発時と夕方には晴れ間も見えたり、そういう台風接近らしい天候だったんです。
きっと平地が山に囲まれている熊本の土地柄だけに、天気の急変はざらだし、そこに台風接近だから、5分前までは晴れてたのに豪雨とか、下の国道は降ってなかったのに山に登ってくると強い雨で気温も下がって、ってことも多いんでしょう。
それでも「止めよう」って言わないのがKRJRメンバー(笑)。あさ雨が降っていると、アメリカンチームも日本人チームもひとつため息をつくんですが、日本人チームが「雨か、やだな」って思っている横で、アメリカンチームは「雨か、レインウェア着るのがめんどくさいな」って、ハナから休む気はなし(笑)。そういう猛者が揃ってるんです、KRJR。
この日は「バイクショップアール」山野さんのルーティングで約200kmを走行。日本側サポートチームは「阿蘇をメインとすること」「休憩もきちんと」「観光名所をルートに入れよう」ってコースを組んでくれるので、だいたい1日200~250kmを走ります。高速道路なし、移動じゃない周遊で200kmも走行できる阿蘇って本当にすごい! やっぱり日本一のワインディング天国だなー!
けれど、10/6土曜日はさすがにムリ! 本当は、AMT(=阿蘇モビリティツーリズム)のイベント「ピースライド」が開催される予定だったんだけど、台風接近のために中止。このウィーク、いちばん風も強くて、あのケニーさんが「今日は風だから走行は中止。豪雨ならイケるが風は危ない」と走行中止を宣言するほどでした。
豪雨ならイケる、もそもそもおかしいんだけれどw、ホテルにバスを仕立ててもらって、市内観光へと出かけたのでした。こういう日もないとねw
とか何とか言いつつ、せっかく熊本に来たんだから、って僕は僕で天草方面へひとっ走り。ふたり案内してくれて、ひとり「アタシも行く」ってサポートチームの女子が後に乗ってくれて♪3台でのショートツーリングとなりました。CB1000Rでのタンデムツーリングもなかなか楽しかったな~。
そして10/7日曜は最終日。この日は「ボクセルモト」池田さんが、雨で走れなかった2日分もルートに詰め込んでw、2018KRJR最長距離ツーリング! 小雨スタートながら台風も過ぎ去ってくれて、徐々に待望の晴天! いいなー、熊本の青空! この天気を待ってたよ……と思ってた僕は本隊を離脱して帰路へ。なかなかKRJRをウィークまるまるは参加できないなー、と思いながら福岡へ、そこでホンダドリーム福岡東にCB1000Rを返却し、空路、編集部に戻ったのでした。
天空の絶景レストラン「Bear」で食事を済ませて、ケニーさんにご挨拶。
――ケニーさん、僕これでみんなと離れて帰ります。
「ナニ、夜のパーティはどうするんだ」
――帰らなきゃいけないんです。だからここでサヨナラ。
「お前はいつも、最初と最後にいないな(笑)。でも気をつけて帰れよ。来年もきっと来るんだぞ」――May beね。I hope soとしか言えないや。
「来年はジャパンラリーの10回目なんだから、来なきゃだめだ。来なきゃお前とは絶交する」
――でたよ、Break off(笑)
「でもな」
――はい?
「お前が去年のこのラリーのことを書いたガゴーマガジンあっただろう」
――はいはい、GOGGLEですね。
「あれはよかったぞ。オレがカバーになったんだから売れただろう」
――あ、いつもよりちょっと売れたかも。
「コミッションよこせ」
――あるかっ!(笑)
「でもな、お前が何冊かアメリカに送ってくれて、それを参加したメンバーにも見せたんだ。喜んでたぞ。ありがとう」
――わ、ケニーさんに褒められた!
「今年は英語版も作るんだぞ」
――できるかっ!(笑)
<最終回につづく>