精悍に変わったルックスと節度あるハンドリングが光る

このSV650X、SV650の外装を少し変えただけとは思えない変身ぶりだ。レトロテイストのビキニカウルとセパハンの採用で雰囲気は勇ましくなり、ルックスにレトロともスポーティともとれるスパイスが利いていて、とてもいい感じだ。

画像: SUZUKI SV650X ABS 最高出力:76.1PS/8500rpm 最大トルク:6.5kg-m/8100rpm 価格:78万1920円 発売:2018年1月26日

SUZUKI SV650X ABS
最高出力:76.1PS/8500rpm
最大トルク:6.5kg-m/8100rpm
価格:78万1920円
発売:2018年1月26日

もともと、SV650は軽快なハンドリングとパンチのあるパワフルなエンジンが魅力のミドルスタンダードスポーツ。このクラスはツーリングやちょっとしたスポーツができる手頃なバイクとして欧州で大人気。レベルの高い万能性と扱いやすさを持っている。

ライポジと雰囲気を変えたこの「X」も、基本的にはそのキャラクターを継承する。足回りがしなやかに動くので、街中でも峠道を流すようなライディングでも乗り心地がいい。車重が197㎏と軽いのもあるが、フットワークもかなり軽め。クセのないハンドリングで、キレのある軽快な機動ができる。

ただ、以前乗った初期型から変わったと感じる部分がある。それはハンドリング。コーナリング中に走破する大きなギャップにずいぶん強くなっている。具体的に言うと、ハードなスポーツライディングを行っているときに、車体を大きく揺するほどのギャップを通過したときの感触のこと。衝撃に対する車体の収束が良好で揺れがすぐに収まるのだ。

フロントに荷重が乗る、上体を低めにしたXのライポジが影響しているのか、足回りのセッティングが変わったのかはわからない。だがいい感触だ。ほどよく車体に節度を増したことで、ネオレトロカフェレーサーの雰囲気に合った味付けになっているし、スポーティな走りも気分よく楽しめる。

ただ、新採用のハンドルが関係するライポジにちょっとクセがある。タンクを避けたグリップの絞り角が弱く、ヒジが開き気味になり、手首の角度の収まり方が良くない。僕はどんなライポジにも順応する方だが、自然な操作ができるようになるまで時間がかかった。

画像: 基本的なスタイルはスタンダードなSV650と大きく変わっているわけではないが、カウルやシート、そしてカラーリングを見直すことで大きくイメージが変わっている。

基本的なスタイルはスタンダードなSV650と大きく変わっているわけではないが、カウルやシート、そしてカラーリングを見直すことで大きくイメージが変わっている。

100㎞/h・6速の回転数は4500回転。ライバルのMTー07よりトルキーだが、200回転ほど多く回っている。クルーズ中の瞬発力などはダイレクトだし、7000〜1万1000回転のパワーバンドと伸びはこのクラスのNKの中でも強力だ。

このXのシャレたルックスや動力性能、そして走りは大いに魅力的。ネオレトロという演出に拘らずとも、身軽でよく走るイキなスポーツバイクと考えていい。

SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2140×730×1090mm
ホイールベース 1450mm
最低地上高 135mm
シート高 790mm
車両重量 197kg
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
総排気量 645cc
ボア×ストローク 81×62.6mm
圧縮比 11.2
最高出力 76.1PS/8500rpm
最大トルク 6.5kg-m/8100rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 14L
キャスター角/トレール 25°/106mm
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 ダブルディスク・ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70ZR17・160/60ZR17

DETAIL

画像: 車体はスリムで足着き性はこのクラスとしては平均的。ハンドル切れ角が少し少なめなのと、肘が開いてしまうハンドル形状が若干気になる。慣れてしまえば気にならないが、乗り手によっては好き嫌いが分かれそうだ。身長:176cm 体重:68kg

車体はスリムで足着き性はこのクラスとしては平均的。ハンドル切れ角が少し少なめなのと、肘が開いてしまうハンドル形状が若干気になる。慣れてしまえば気にならないが、乗り手によっては好き嫌いが分かれそうだ。身長:176cm 体重:68kg

画像: SV650Xを特徴づけるヘッドライトカウルから、タンク前下方のシュラウドまでを一体感のある連続したラインで構成、古典的なロケットカウルを想わせるデザインとした。

SV650Xを特徴づけるヘッドライトカウルから、タンク前下方のシュラウドまでを一体感のある連続したラインで構成、古典的なロケットカウルを想わせるデザインとした。

画像: 専用デザインのタックロールシートでレトロ感を強調する。シート高は790㎜とスタンダードなSV650よりも5㎜高いが、形状の工夫で足着き性は良好だ。

専用デザインのタックロールシートでレトロ感を強調する。シート高は790㎜とスタンダードなSV650よりも5㎜高いが、形状の工夫で足着き性は良好だ。

画像: クラシカルなヘッドライトカウル自体は非常にコンパクト。大径のヘッドライト横に設けられたスリットなど、ディテールにもこだわりを感じさせる。

クラシカルなヘッドライトカウル自体は非常にコンパクト。大径のヘッドライト横に設けられたスリットなど、ディテールにもこだわりを感じさせる。

画像: 初代SV650から熟成を重ねた水冷Vツイン。独特の鼓動感とスムーズなフィーリング、そして力強さが魅力。発進時に回転を上げるローRPMアシストも備える。

初代SV650から熟成を重ねた水冷Vツイン。独特の鼓動感とスムーズなフィーリング、そして力強さが魅力。発進時に回転を上げるローRPMアシストも備える。

画像: SV650ではバーハンドルだったが、SV650Xはカフェレーサー的なスタイルに合わせてセパレートハンドルを装備。ポジションもやや前傾が強くレーシーな傾向。

SV650ではバーハンドルだったが、SV650Xはカフェレーサー的なスタイルに合わせてセパレートハンドルを装備。ポジションもやや前傾が強くレーシーな傾向。

画像: フル液晶メーターは6段階の輝度調整が可能。速度計、回転計からオド/デュアルトリップ、ギアポジション、燃料計、各種燃費計など多彩な機能を装備。

フル液晶メーターは6段階の輝度調整が可能。速度計、回転計からオド/デュアルトリップ、ギアポジション、燃料計、各種燃費計など多彩な機能を装備。

公式サイト

This article is a sponsored article by
''.