華奢になったが捩じれ剛性はほぼ同等で特性が変った
このバイクでサーキットなどを走ったときに真っ先に恩恵を感じるのがこのフレーム。これまでのGSX−Rともっとも顕著に違うのは、ハンドリングの身軽さと篠操作のしやすさ。フレームにしっかりとした強度を確保しているにもかかわらず、これまでにはないバランスのいいポイントでたわみ、よじれるようになった事から、ライダーからの入力を容易く受け入れるようになった。
荷重がかかる高速コーナーやカントの強いコースはもちろん、低中速コーナーでも、まるで街中を走ってるかのように身軽にライダーの要求を受け入れる。また路面の荒れているコースでも、路面からの衝撃をサスと一丸となって受け流す。だから接地性がいい。
一度身体に滲み込むと戻れなくなるお気楽アイテム
シフトダウン側のクィックシフトはギアの回転を会わせるために自動でブリッピング(空吹かし)してやる必要がある。このシフトダウン側のクィックシフトを装備するシステムは、それを予めプログラムされているのだが、そのブリッピングのタイミング、回転の上げ方などでその機能が上手く働くがどうかが決まる。
このシステムはそのブリッピングが的確で、どんな急減速を併用していても確実にギアを繋げる。街中からサーキットでのスポーツ走行まで、シフトミスはなかった。ただし、半クラではプログラムが作動するので、意に反して回転が上がる事もある。クラッチを切るかクイックに頼るか、それをハッキリ決めて操作するのがコツだ。
使いこなせる197PSだった
一般道も250㎞近く走り回ったんだが、峠道は5000回転も回していれば十分以上にSSらしい走りができる。路面の荒れにもとても強い。ローギアやセカンドギアを駆使するような走りでもパワーを持て余す事無く使える。気がつくと、おもに使っていたのはフルパワーのAに、トラコンを3あたりにしていた。これはサーキットで気に入ってた組み合わせと同じ。普通に遊べるSSなのだ。
トラコンを積極的に使うライディングのススメ
この表示はフルパワーの「A」モードでトラコンは介入の少ない方から3番目の「3」。これを「4」にすると立ち上がりがいくらか遅くなるし介入頻度も多くなる。ソレをサーキットで「面白くない」と訴えると、開発ライダーのひとりが、無理矢理アプローチを速めて、立ち上がりをトラコン任せで開けっ放しにすると、トラコン設定を「3」にしたのと大して変らないペースで走れますよ、と教えてくれた。
PHOTO:南 孝幸