2018年のビッグニュースと聞いて、このバイクのデビューを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。初代登場から38年、いま再び歴史の新たなる1ページを紡ごうとしている、新型カタナである。本誌執筆陣のカタナに対する思いを見てみよう。
SPECIFICATION
全長x全幅×全高 2125x830x1110㎜
ホイールベース 1460㎜
シート高 825㎜
最低地上高 140㎜
車両重量 215㎏
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 999㏄
ボア×ストローク 73.4x59㎜
圧縮比 12.2
最高出力 149.6PS/10000rpm
最大トルク 11.0kg-m/9500rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 12L
キャスター角/トレール量 25度/100㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ310㎜ダブルディスク・φ250㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70ZR17・190/50ZR17
鈴木秀吉
2018年で一番のインパクトがありました。カタナを出すのはメーカーにしてみれば簡単ですが「出さなかった」し「出せなかった」。メーカーの立場からすると、これほど「嫌な博打感」があるバイクはないのではないか。全ては「タイミング」、まさに「天の時」が必要なバイクであったと思います。
ですが、いざ登場してからは、ツイッターでトレンドに上がるなど話題を独占しました。メーカーによる金をかけた作り物の話題ではなく、久々の「バイク乗りの期待と言葉で広がる本当の話題」でした。
これは乗用車の「ジムニー」が20年ぶりの新型で空前の大ヒットとなった事も大きな後押しになったかな…と。
ジムニーの宣伝メッセージに「時代を超え、世代を超えて、今新たな伝説の幕が開く」という言葉があり、まさにこれが2018年のスズキだったかと思います。次はバイクで「ガンマ」の復活、クルマでは「カプチーノ」の復活を心からお待ちしております。
青木タカオ
新型カタナを見て「ついに真打ち登場か」という印象を持った。ベースモデルとして、GSXーS1000という完成されたパッケージングがすでにあるから、性能に関してはお墨付き。考えてみれば、初代のカタナもGSX1100Eをベースにしていたわけだから、発展の経緯は新型も似たような展開だと言えよう。
かつて国内向けに発売されたナナハンカタナでは「耕耘機ハンドル」と呼ばれたアップハンをセパハン化し、警察による“刀狩り”が繰り広げられたという伝説(⁉)もあるが、こうなってくると、個人的には当時不人気だった3型(GSX750S3)もまた再現して欲しいところだ。
貧乏学生だった頃に限定解除し、“カタナ”の名に買おうか迷ったが、あまりに突き抜けたスタイルのため、購入に踏み切れなかった自分への戒めのためにも、もしリトラクタブルライト搭載車が復活するならば、ぜひ手に入れてみたい。問題は義務付けられている常時点灯をどうするかだ。