ホンダが誇る最強のモトクロッサー、CRF450を公道でも走れるように仕立てた異色のマシンがCRF450L。70%のパーツがレーサーそのままという異色のマシンだけに、そのインパクトも非常に大きかったようだ。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2280×825×1240㎜
ホイールベース 1500㎜
シート高 895㎜
最低地上高 299㎜
車両重量 131㎏
エンジン形式 水冷4ストOHC4バルブ単気筒
総排気量 449㏄
ボア×ストローク 96×62.1㎜
圧縮比 12.0
最高出力 24PS/7500rpm
最大トルク 3.3kg-m/3500rpm
燃料供給方式 PGM-FI
燃料タンク容量 7.6L
キャスター角/トレール量 29度30分/127㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ260㎜ディスク・φ240㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 80/100-21・120/80-18
青木タカオ
「まんまレーサー」という言葉は昔からよく使われてきたが、これぞ正真正銘、嘘偽りがない。かつてのVFR750R(RC30)やNRのように、きっと将来オフロードバイクファンの間で「まぼろし」と神格化され、伝説となるに違いない。その出力特性や足まわりは決して過激ではなく、モトクロッサーに乗り慣れた人には扱いやすく、トレール車からのステップアップならレーサーほど獰猛ではなく、コンペモデル入門としては最適だ。
野球やゴルフ、釣りなどスポーツ全般に言えることだが、道具が良ければ上達も早い。だから、このバイクはオフロードビギナーにこそ選んで欲しい。心配は無用、ナンバー付きだから宝の持ち腐れにはならない。
思い立ったら、すぐフィールドに行けるのも「L」の強み。トランポに積む手間や時間を省き、より気軽に次元の高いオフロードライディングが楽しめるのだ。それは贅沢な遊びであり、オーナーは幸せである。
アオキシン
この車輌を「出力」だけで云々言うことはナンセンス。実に稚拙だ。
メーカー製レーサーは、公道用量産車と異なるのはもちろんだが、個人やショップで製作したレーサーとも次元が違う。あらゆるフリクションロスが少なく、走りに特化し、妥協がなく、高度に緻密にバランスされている。
この車輌は、そんな本物のメーカー製レーサー、しかも「現行モデル」を、厳しい日本の法規上で「正式に」胸を張って「味わう」ことができるのだ。法のグレーゾーンを突いてナンバーを付けたレーサーとは「志」が違うのだ。
こんな型破りなバイクは国産車で他にはない。しかも、この価格。そういった意味では、RC213V-Sよりも凄いかもしれない。