TZR250 (3MA) 1989年

市販量販車初「後方排気」エンジン搭載の通称サンマ

画像: ●水冷2スト・クランクケースリードバルブ並列2気筒●249cc●45PS/9500rpm●3.8kg-m/8000rpm●136kg●110/70R17・140/60R18●59万6000円●1989年2月

●水冷2スト・クランクケースリードバルブ並列2気筒●249cc●45PS/9500rpm●3.8kg-m/8000rpm●136kg●110/70R17・140/60R18●59万6000円●1989年2月

NSR250Rの台頭で、レースとセールス両面で苦戦を強いられることになったTZR250は、TZにおける1年間の後方排気エンジンの熟成を待って、89年式にこれを投入した。

シリンダーの前にキャブレター、後ろにマフラーを配置する独特なレイアウトは、吸排気のフローをストレート化でき、2ストエンジンにとっては特に重要となるマフラーを直線的にデザインできるのが強みだ。そのパワー特性はかなりピーキーな味付けで、排気音もエキサイティングだった!

画像1: TZR250 (3MA) 1989年
画像2: TZR250 (3MA) 1989年

「3MA」という型式名から“サンマ”と言われたり、“後方排気”と呼ばれたりする2代目TZR250。そのインパクトは当時強烈なもので、いまなお語りぐさとなっている。

画像: 打倒NSRを目指し、斬新な策に打って出たが、結果的には車体がひとまわり大きくなり、ハンドリングもライダーの積極的なコントロールを必要とする特性となった2代目TZR250。ブレーキはダブルディスク化したが、ピーキーなエンジン特性を含めて性能をフルに発揮するには、相応な腕を必要とするマシンとなり、熟成が進むNSRに対し苦戦は続いた。しかしその個性は強烈で、いまなお強い存在感がある。

打倒NSRを目指し、斬新な策に打って出たが、結果的には車体がひとまわり大きくなり、ハンドリングもライダーの積極的なコントロールを必要とする特性となった2代目TZR250。ブレーキはダブルディスク化したが、ピーキーなエンジン特性を含めて性能をフルに発揮するには、相応な腕を必要とするマシンとなり、熟成が進むNSRに対し苦戦は続いた。しかしその個性は強烈で、いまなお強い存在感がある。

TZR250R (3XV) 1991年

V型2気筒を採用して集大成と言える完成度の最終型

画像: ●水冷2スト・クランクケースリードバルブV型2気筒●249cc●45PS/9500rpm●3.8kg-m/8000rpm●126kg●110/70R17・150/60R17●62万9000円●1991年3月

●水冷2スト・クランクケースリードバルブV型2気筒●249cc●45PS/9500rpm●3.8kg-m/8000rpm●126kg●110/70R17・150/60R17●62万9000円●1991年3月

起死回生を図った3代目では、Vツインエンジンをついに搭載した。ブラックに塗られたアルミデルタボックスフレームは91年型TZ250と同時開発したもので、TZと同じディメンションを持ち、これにワークスマシンYZR250のノウハウを活かした新開発の1軸クランク水冷90度V型2気筒を搭載したのだ。

ホイールベースを20㎜詰め、初期型と同じ126㎏まで軽量化。φ39㎜倒立フォークを備え、チャンバーとの干渉を避けて右側を大きく湾曲させた左右非対称のスイングアームも頼もしかった。
再びトップレベルの戦闘力を持ったTZRだが、レーサーレプリカブームの終焉はもうすぐそこに迫ってきていたのだった。

画像: ワークスのノウハウを受け継ぐVツイン投入

ワークスのノウハウを受け継ぐVツイン投入

後方排気の2代目が成果を上げられずにいると、1日も早いニューモデルの登場が待たれていた。ワークスマシンYZR250が採用するVツインエンジンの、TZR250へのフィードバックだ。フレームもTZ同様に新設計され、3代目はパフォーマンスを大幅に高めることに成功。軽快かつ安定感の高いハンドリングを実現し、高い評価を集めた。

画像: YZR250のノウハウを活かした新開発1軸バランサー水冷V型エンジンを搭載。サーキットでの使い勝手と速さを求めた装備のSPモデルが登場し、社外パーツを組み込むことでパワーアップも可能だった。

YZR250のノウハウを活かした新開発1軸バランサー水冷V型エンジンを搭載。サーキットでの使い勝手と速さを求めた装備のSPモデルが登場し、社外パーツを組み込むことでパワーアップも可能だった。

TZR250RS (3XV) 1992年/4月

画像: TZR250RS (3XV) 1992年/4月

92年2月には、キャブレターセッティングやCDI、スイングアームピポット構造に変更が加えられ、ヘッドライトを常時点灯式に。そして4月には、乾式クラッチを装備した写真のRSを1000台限定で発売した。

TZR250R SP (3XV) 1991年/2月

画像: TZR250R SP (3XV) 1991年/2月

3代目のデビューはレース仕様のSPが500台限定で1ヶ月ほど先行。シリンダー、ヘッド、ピストンを専用設計とし、電子制御TMキャブレターも28→36mmに拡大。φ41mmフォークやフルアジャスタブルショックなどを装備する。

TZR250SPR (3XV) 1994年/12月

これが最後のTZR

画像: TZR250SPR (3XV) 1994年/12月

レーサーレプリカブームの幕がおりると、最終型として発売され2000年頃まで売られたのが、SPとRSを統合したSPRだった。エンジンには補助排気ポートが設けられ、そこにも排気デパイスを装備したトリプルYPVSを採用。キャブレターはφ32mm相当の逆三角形ボアとなり、フレーム剛性も最適化された。

YAMAHAの2ストレプリカは大排気量にも小排気量にも

TZR50 1990

画像1: YAMAHAの2ストレプリカは大排気量にも小排気量にも

RZ50の後継モデルとして90年にデビュー。フロント16、リア17インチの足まわりを持つフルサイズボディに、兄貴分譲りのフルカウルを身にまとい、少しでも大柄なバイクに乗りたかった原付ライダーには嬉しかった。

RZV500R 1984

画像2: YAMAHAの2ストレプリカは大排気量にも小排気量にも

500ccV4エンジン搭載という最初で最後の正真正銘"YZR500"レプリカ。販売面では振るわず、およそ2年間で国内3700台、海外1万200台弱(RD500LC)にとどまり、追随したNS400RやRG500/400Γも短命に終わる。

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