トータル総距離5500km、延べ11日間の旅が幕を閉じた
絶対王者KTMと30年ぶりのダカール制覇を狙うホンダの熾烈な争いが予想されていた今年のダカールラリー。現地1月17日、ダカールラリーは、ピスコ~リマ間で今大会最終日となるステージ10を行いました。総移動距離359kmでスペシャルステージは112km。最終日は、例年通り距離が短く、総合順位の下位からスタートする「リバースグリッドスタート方式」で行われました。
「ラリー」と言う言葉には「再び戻って来る」と言う意味が込められています。ペルーのリマ•マグダレナビーチからスタートした、世界一過酷なラリーに挑んだライダーたちは、11日間、5500kmを超す旅を終え、再びリマの海岸へと戻ってきました。ラリーをここまで走り抜いてきた75名のライダーにとって、この最終ステージはビクトリーランとも言えるでしょう。
やはり最後まで強かったのは絶対王者KTM。ファクトリーライダーのサム・サンダーランド、マティアス・ウォークナー、トビー・プライスと歴代ダカールウィナーを揃えるKTMは大きなトラブルもなくステージを進み、結果的には1位から3位まで表彰台を独占するという圧倒的な強さを見せつけました!
ステージ10を見事2位でゴールした、ホンダのホセ・イグナシオ・コルネホは次のようにコメント。
「序盤のステージで時間をロスして、目標だったトップ10入りする可能性が低かったけど、最後まであきらめずに走ったよ。今日のステージでも2位でフィニッシュできてとても満足してる。結果的に総合7位だけど、とてもうれしい。来年はもっと強くなってこの場所に帰ってくるよ。個人的には、チームの目標であるダカール優勝に向けて頑張りたいね。一生懸命働いてくれたチームスタッフ全員に本当に感謝しているよ」
ステージ10 リザルト
1. T.プライス(KTM)01:14'01
2. ホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダ)01:16'22 +00:02'21
3. M.ウォークナー(KTM)01:16'39 +00:02'38
4. S.サンダーランド(KTM)01:17'20 +00:03'19
5. L.ベナバイズ(KTM)01:17'21 +00:03'20
ダカールラリー2019 総合ランキング
1位 T.プライス(KTM) 33:57'16
2位 M.ウォークナー(KTM)34:06'29 +00:09'13
3位 S.サンダーランド(KTM) 34:10'50 +00:13'34
4位 P.クインタニラ(ハスクバーナ)34:18'02 +00:20'46
5位 A.ショート(ハスクバーナ)34:41'26 +00:44'10
6位 X.ド・スルトレ(ヤマハ)34:51'16 +00:54'00
7位 ホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダ)35:05'22 +01:08'06
8位 L.ベナバイズ(KTM)35:06'26 + 01:09'10
9位 オリオール.メナ(HERO)36:05'57 + 02:08'41
10位 ダニエル・ノジリア(ホンダ)36:29'09 +02:31'53
2019年ダカールラリーの長い旅が終わりました。今年のダカールラリーでは、濃霧などによりスタートの遅れこそあったものの、悪天候でのステージ中止が一度もなく、完走した全てのライダーが5500kmを走破したことになります。結果的にKTMの圧勝というランキングとなりましたが、完走者、全てが「勝者」なのがダカールラリーなのです。
このダカールラリー2019のトータル•レースレポートは2月1日発売の月刊オートバイ(3月号)に掲載予定なので、こちらも是非ご覧下さい。
文責・岩瀬孝昌