アトリエに初代カタナを持ち込んで創られた「原型」
新型カタナの「原型」というべきモデルがカタナ3・0。
このバイクは、イタリアのモト・チクリスモ誌が企画したプロジェクト。
モト・チクリスモ誌の紙面掲載は2017年の4月からスタートしたが、11月のEICMA(ミラノショー)出展に目標を定め、企画自体は1年も前から入念に準備、実行されてきたものだ。
ベースに選ばれたのは「現代のスズキ4気筒スポーツ」ということで、GSX―S1000F。
まずはGSX―S1000Fの外装を外した状態で、フラスコーリ氏が自らのスケッチを基にクレイモデルを製作、それを3次元スキャナーで正確に測定、そのデータを使用して外装パーツが製作されていった。
クレイモデル製作にあたっては、カタナのイメージを尊重し、スタジオ内に実車の1100カタナを持ち込む熱の入れようだったようだ。
実際のバイクの製造に当たっては、メーカーの新型車プロトタイプの製作なども担当する、エンジンズ・エンジニアリング社が行っている。
そのためか、単なるワンオフのカスタムバイクとは次元が違う、まるで量産車のような高レベルの造り込みが特徴。
LEDヘッドライトやテールランプに至っては、完全専用設計品を装備するという力の入れようだった。
「単なるプロトタイプではない」と、モト・チクリスモ誌が胸を張るのもうなずける出来栄え。
この完成度の高さがスズキを動かし、量産バージョンである新型カタナへとつながっていったのだ。