シフトチェンジの「ガッチャンコ」感が少なくて
110の遠心クラッチのチューニングがいいですね
C125に対する不満はないですが、スマートキーは必要かな? とは思いました。
RC213VISもスマートキーですけど、革ツナギ着て乗るとスマートキーをどこに入れるか大変なんですよね(笑)。
個人的な意見ですが、バイク選びをするとき自分はスマートキーはマストではないですね。カードキーみたいな、ペラペラな形状なら良いと思うのですが……。
あと、欲を言えばC125は5速だと良いなと思いましたね。もしくは、ファイナルの減速比をもう少しロングに振っても良いかもしれません。
C125の方と違ってスーパーカブ110は、従来どおりのスーパーカブというのが乗ってみての印象でした。C125と比較すると、排気量が小さい分だけパワーがないですね。
でも、これがスーパーカブとしては「普通」のパワー感なのでしょう。
スペックの数値で比べてみるとC125とのパワー差は1•7PSですけど、数字よりも体感では差を感じますね。
一方CB125Rは13PSあって、C125との差は数字では結構あるんですけど、印象ではそれほど差を感じないので不思議なものです。
110で特に感心したのは、遠心クラッチのチューニングですね。
C125よりも110の方が、チェンジペダルを踏んだときにヌルっと入る感じで、「ガッチャンコ」感がないですね。
チェンジペダルを踏み込んだときにクラッチが切れる仕組みですけど、そのときの切れ方と繋がり方がとても良いです。
110は実用車としてのスーパーカブの正常進化、といったところで、外観のデザインも、自分が初めて乗った頃の昔のスーパーカブに比べると、おしゃれになったと思います。
ブレーキの効きは昔のものより当然良くなっていますが、フィーリングがリーディング・トレーリング時代のスーパーカブに近いものを感じましたね。
昔のスーパーカブから乗り換えたときに、違和感を覚えないようになっているのかな、と思いました。
あとスーパーカブならではのレッグシールドって、プロテクション効果ってどれくらいあるものなのですかね?
足の下にフロアがあるスクーターほどの、耐候性は感じませんでした。
今回のテストでは天候が良好だったので、分かりにくかったんですけど、雨が降ったらもっと有り難みを感じられたのかもしれません。
今までスーパーカブに熱心に接してきたわけでないのですが、多くの人にスーパーカブが好まれてきた理由は、今回のテストでわかったような気がします。
伊藤さんが特に気に入った、それぞれのポイントとは?
1959年の初代スーパーカブC100のカラーリングやディティールを模しているのが、C125のスタイリングの特徴。
伊藤さんは「125のカラーリングは、自分の好みのパターンですね。
水色のレッグシールドとサイドカバーと、赤いシートがとても良い雰囲気です」と高評価。
70年代のスーパーカブ的なデザインの110についても「実用車的デザインですが、とてもオシャレになってますよね」とコメント。
伊藤さんがスーパーカブ110で一番評価したのはクラッチをはじめとする駆動系でした。
「110の遠心クラッチはとても良く出来ていますね。
ガチャンではなく、ヌルっと入る感じで、変速のショックを感じさせませんでした」
シート下に燃料タンクを備えるのは、初代スーパーカブから受け継がれる伝統。
「単純にシートが持ち上がるのではなく、ちゃんとスイッチを操作して開閉する機構になっているんですね。とても凝った作りに感心しました」
PHOTO:柴田直行 まとめ:宮崎 健太郎 MODEL:大関さおり