両面テープによる貼り付けマウントがあれば、対応ヘルメットがもっと増えそう
先月号で『カルド』のパックトーク・ボールドを紹介し、「本体がもう少し小さくなれば……」と書いたが、その要望を厚さ僅か6.5mmという本体で満たしたのがパックトーク・スリム。
本体容積の多くを占めるバッテリー部分を分離し、帽体後部に装着することで薄さと稼働時間の両立を実現している。
性能は最高峰モデルであるボールドとほぼ同じ。
DMC(ダイナミック・メッシュ・コミュニケーション)という機能により、最大6kmの範囲で15人までの通話が可能で、信号待ちなどでライダー間の距離が離れて通信が途切れても、通信範囲に入れば自動的に再接続してくれるからグループツーリングでもストレスなく使える。
DMCを使わない通常のBT接続でも最大4人が同時に通話でき、2台間でも約1.2kmの範囲で通話できる。
連続通話13時間のバッテリー容量、2つのBT端末への接続、FMラジオ、ライダーとパッセンジャーでのオーディオと電話通話のシェアなど、実に多彩な機能を備えているが、スマホ用アプリを使えばモニターを見ながら迷わずに設定や操作が行えるし、走行中は日本語音声の機能ガイド、音声操作でハンドルから手を離す必要もない。
本体が軽くて薄いことで見た目がスッキリしていることはもちろんだが、ヘルメット左側に重量が掛からず風切り音も小さいことや、首を左側に傾けたときに本体と肩が当たらないこと、スクーターのシート下収納スペースにも収めやすいこともメリットだ。
通話品質も音楽の音質もいいし、スマホ用アプリと音声操作で使い勝手も良好。
その分、価格は高めだが、長く使うなら納得できるコスト・パフォーマンスだと思う。
Photo:赤松 孝、南 孝幸 Model:朱香 Tester:太田安治