専用装備を身につけてさらにバイク乗りに響きそうな「遊びの天才」にバージョンアップ。
スーパーカブの完成度アップに合わせ、クロスカブもぐんと楽しくなっている!
アウトドア好きはもちろん、スタイリッシュだからストリートにも映える!
スーパーカブはもともとビジネスバイクとして開発されたもの。古くはソバ屋のおやじさんが、オカモチを片手に運転できるように、とクラッチ操作なしの運転が可能な自動遠心クラッチを採用したり、スカート姿でもまたげるように、独特な形状のメインフレームボディが生まれたりしたのだ。
移動の足、商売の欠かせない手段。新聞配達や郵便配達、銀行員も会社の営業も、地域パトロールのお巡りさんもカブ乗り。カブは日本の、いや世界の「アシ」として、生まれてもう60年を迎えるのだ。
けれど、経済的で頑丈がゆえ、スーパーカブを「違う用途」に使う層が誕生した。
それが「遊びの相棒」としてのスーパーカブ。
「カブラキット」なるオプションパーツが発売されたことがあったり、かわいい「リトルカブ」も登場した。そして、さらに「アソビ」に使えるカブとして2012年に発売されたのが初代クロスカブだった。
2018年2月に発売された現行モデルは2代目。リニューアルされたスーパーカブ110をベースに、乗車定員を2名としてタンデムステップを装着、レッグシールドを廃止してスタイリッシュに仕上げている。
110㏄のエンジンは先代よりもグッと静粛性が増し、低振動になった印象。走り始めるとサスペンションがソフトで乗り心地がよく、ふわふわとした感触だ。
ミッションは4速リターンの踏み返しペダル付きで、つま先とカカトでミッションを操作する。
つま先で踏み込んで1→2→3→4速までシフトアップ、カカトで踏みこんでシフトダウン、停車時のみシフトアップして行って4速の次がニュートラルとなる。
さすがに排気量が110㏄もあるとトルクがあり、加速も鋭く、交通の流れをリードしやすい。ローギアだとすぐに吹け切ってしまうからぎくしゃくしがちだが、2速発進にしてみてもスムーズに走れる余裕がある。
セミブロックタイヤで、車体剛性もビシッとしている。直進安定性が高くて、ハンドリングも素直。前後ドラムのブレーキはちょっと心許ない気がするけれど、このブレーキに合わせた走りをすればいいだけの話だ。
のんびり走るのが楽しいクロスカブ。頑丈で、経済的で、便利。それにオシャレで可愛い、街乗りのパートナーになりうる一台なのだ。
文:中村浩史/写真:松川 忍
Honda CROSS CUB110
【主なスペック】
全長×全幅×全高:1935×795×1090mm
ホイールベース:1230mm
シート高:784mm
車両重量:106kg
エンジン形式:空冷4スト単気筒OHC2バルブ
総排気量:109cc
ボア×ストローク:50.0×55.6mm
圧縮比:9.0
最高出力:8.0ps/7500rpm
最大トルク:0.87kg-m/5500rpm
燃料供給方式:PGM-FI
燃料タンク容量:4.3L
キャスター/トレール:27度/78mm
変速機形式:4速リターン(停車時ロータリー式)
ブレーキ形式:前後ともワイヤー式ドラム
タイヤサイズ 前・後:80/90-17・80/90-17
メーカー希望小売価格:税込33万4800円
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