「走る・曲がる・止まる」を学べる参加型モータースポーツ!
いよいよ春到来、モータースポーツの2019年シーズンも本格的に開幕。二輪に限ってみても、MotoGPを頂点とするロードレースをはじめ、モトクロス、エンデューロ、トライアルといったさまざまなジャンルがあります。そんな競技の中の一つが「ジムカーナ」。この二輪のジムカーナ、正直なところ一般のライダーに広く知られているわけではありません。そこで、まずは二輪ジムカーナという競技そのものについてまず紹介してみましょう。
ジムカーナとは、おおざっぱにいうと「クローズドなコースを、1台ずつ走行してタイムを競う」タイムアタック競技で、二輪でも四輪でも基本的な内容は同じです。ロードレースとの最大の違いは、直接コース上で他車と速さを競わないという点。タイムは約1〜2分程度で、普通は2回走行してベストタイムを競う形式で行われます。多くはサーキットのような常設コースではなく、駐車場や自動車教習所のような広い舗装路面のある場所に、パイロンを並べてスラロームや回転といったセクションを配置する特設コースのため、同じ会場であっても大会ごとにコースが異なるのもジムカーナの特徴ですね。
そんな二輪ジムカーナ、絶対的な速度が街乗りに近い領域なので日常的なライディングに近い感覚で走れて、さらに転倒時のリスクも比較的小さいのも魅力。オートバイも車種・排気量に関する制限がゆるく、日常的に街乗りに使っているものでも参加OK、会場まで自走で来てアタックする人も珍しくないです。そして多くの場合ライセンスが不要なこと、参加費が低く抑えられていることなどと合わせて、ロードレースと比較すると参加への敷居はかなり低め。このように誰でも気軽に始められて、「走る・曲がる・止まる」という基本的なテクニックを磨くのにも最適な参加型のモータースポーツ、それがジムカーナです。
でも、敷居が低いからといって「簡単な競技なんだ」と思うのは大間違い! 速度自体は低くても限界までタイムを削るためにはスタートからゴールまで、加減速を息つく暇なく続けなくてはならず、さらに細かなセクションをクリアしながら最短距離を走るラインをトレースし続けるのは大変で、本気で速さを求めていくと奥は深いです。中でもトップクラスの選手の走りはまさに異次元レベル! パイロンに接触しないギリギリのラインを、右に左にフルバンクで切り返しながら全開加速とハードなブレーキングを続けるライディングはかなりの迫力で、初めて見る人は度肝を抜かれるでしょう!
主要な大会としては、関東で行われている「ダンロップ・オートバイ杯(ライセンスシリーズ)」や「JAGE杯」があり、そのほかにも全国各地で地方ごとの大会が行われています。ロードレースやモトクロスのような全日本選手権はありませんが、去年からはMFJとオートバイ杯などの運営を担当しているJAGEの共催で「MFJモトジムカーナ・グレートシリーズ」が、東日本・西日本で1戦づつ行われるようになりました。これらの大会だけでなく、ビギナーからベテランまでが、大会を目指して腕を磨くための練習会も盛んに行われています。これら全国で開催される大会、練習会などジムカーナイベントに関する情報は、JAGEホームページや「MotoGymkhana Calendar」で見ることができます。