3月31日に茨城県下妻市の筑波サーキット・ジムカーナ場で開幕したジムカーナの大会「ダンロップ・オートバイ杯ジムカーナ」に、タレントの平嶋夏海さんが念願のエントリーを果たした。デビュー戦となった昨秋の「事務茶屋杯」が初心者歓迎な大会であったのに対し、今回参戦した「ダンロップ・オートバイ杯ジムカーナ」は、国内屈指のハイレベルな戦いとなる。現在、グラビアなどでも活躍する平嶋さんが、なぜ同大会にエントリーしたのか、そしてシーズンを通して見据えるものとは。開幕戦を走った感想も含め、本人を直撃した。(※今回はオートバイ女子部モードではなく、選手モードです)
ーーーーーーそもそも、なぜ大会にエントリー?
「いままで警察の講習会で練習していて、レベルは上の方では無かったけど、みんなのペースにはついて行けるし、満足はしていたんです。でも、父から『ジムカーナの練習会はぜんぜん違う』って言われていたこともあって(平嶋さんのお父さんは、ジムカーナのシード選手)、あるタイミングからジムカーナの練習にも参加するようになって(毎回内ももが筋肉痛になるそうです)。そうなると、もう戻れなくなってしまったんです…『もっと回転(パイロンの周りを回る走行)しようよ!』みたいな(笑)。
それで、昨年になって練習を本格的に始めたんですけど、ここまでしっかり練習をするなら、大会で記録を残したいと思ったんです。そんな流れで、昨秋の『事務茶屋杯』に出ることにしました。そのときは、みんなを驚かせるような走りはできなかったけど、デビュー戦としては良かったんじゃないですかねぇ。悪くはなかったんじゃないですか(笑)
『あ、少しは練習してきたんだな』って思ってもらえるくらいの走りはできたと思います。」
ーーーーーー課題も見つかった?
「小回りが下手すぎるんです…。アクセルは講習会のときから『開けっぷりはイイよね』って言われてて良かったんですけど、初見のコースを走る上で経験値が足りなすぎて…。パイロンとパイロンの距離感とか、ブレーキポイントとか、アクセルの開け方とか、みんな自分の経験からイメージすると思うんですけど、1ヒート目から自分のベストを出すっていうのが難しい。練習会のときも、毎回10秒とか15秒とかタイムが縮まるんですよ。それはやっぱり、私は1回目が遅すぎるんです。でも、事務茶屋杯から上達した部分もあって、大きなコーナーで、これまではバイクを起こしたりバンクしたりしていたのが、いまはバンクしながらアクセルを開けていけるようになりました!」
ーーーーーーさて、いよいよ開幕戦を走りきった、いまの心境をお願いします。
「練習会の最後のときに感じた『ここまで出来る』のレベルは自分が一番分かっていると思うんですけど、1ヒート目、2ヒート目の走行を通じて、そこまで持っていけない悔しさと、もどかしさはあります。だから『やり切ったぞ』っていう感じが今はないですねぇ。もっと攻められたのに!って思っちゃうけど…。最悪、もし転んじゃったら、タイム残せないぞ、みたいに考えると、ちょっと日和っちゃったりして。あと、今回気をつけていたのは『ラインを気にしない』ってこと。一筆書きで書けるようなラインで走れるように、ハンドルをこねくり回してラインを直すようなことはしないように気をつけました。そのためにラインをイメージしながらコースウォーク(走行前の下見)もしたんですよ。前まではそんなことも考えずに、とりあえず目の前のことで精一杯だったんだけど、3つ先、4つ先、最後のコーナーまでどう入るかを考えるようになりました。だから、コースウォークのときに視線の送り方とか、周囲の景色も気にするようになりました。」
ーーーーーー今日のコースウォーク(コースの下見)は1人で歩いてた?
「基本、いつも1人で歩いてますよ。お父さんは、『オレと歩くより色んな人の意見を聞け。オレもアドバイスするけど、違うこと言う人も絶対いるし、女性ライダーからも聞いた方がいい』って言ってくれるので、自分なりに歩いてみて、そのあと速い女性ライダーを捕まえて『一緒に歩いてもらえませんか?』って言います。みんな自分の走りに集中したいでしょうけど、優しく教えてくれるんです。」
ーーーーーーそういえば、2本目はタイムが大幅にアップしたけど、路面の変化?(1ヒート目はウエット、2ヒート目はドライ)
「はい。そうですね。路面は全然違います。1ヒート目は(路面が)ツルツル・ニュルニュルしてて、回転のときでも『これ以上バンクさせたらヤバイ』って感じがすごい伝わってきたんです。1ヒート目は序盤にいきなり滑っているから(※動画参照)ビビったのもありますけど…。2ヒート目は不安が無くなって、アクセルを開けすぎてブレーキが追いつかなかったりして(笑)」
ーーーーーー初公式戦の自己採点は?
「え、自己採点ですか? う〜ん、60点くらい。失格ではないです。1ヒート目も滑るくらいアクセルを開けられたし、2ヒート目も攻めることは難しかったけど、アクセルは開けられたのかなと思います。でも、もっとパイロンの近くを走れたなとか、深くバンクできたな、とか失敗したところを言い出したらキリがないですけど。あそこもここも、みたいな。」
ーーーーーーいま直面している課題は何でしょう?
「いまはひたすら『回転』を練習したいんですよ。特に、速度が上がっているところからの回転。今回のコースでも、短いストレートの後に回転セクションが設けられていましたけど、ああいうレイアウトでもちゃんと対応できるようになりたいんです。あと、シグナル(スタート)ももっと練習したいです! いまは月1か月2でしか練習出来てないんで、「3歩進んで2歩下がる」っていうか、「3歩進んで3歩下がる」っていうか、ちょっともどかしいんです。やっぱり練習量に勝るものは無いですし…。」
ーーーーーー平嶋さんが感じる、ジムカーナの魅力って何でしょう?
「成長が目に見えて分かるんです! なにしろ、1日練習した後の伸び幅がすごい。あと、周りの人も優しいから、遅い人を冷めた目で見ない! 私ごときなのに『速かったね』って言ってくれるんですよ! もちろんその人のレベルに対してって面もあるんでしょうけど。ホントに貶すだけの人とかいないんですよ! あと、みんなが走っているのをずっと見ていられる。だから勉強も反省もしやすい。普段の走行にも役立つ技術が満載ですよ!」