電子デバイスでより快適に、そして安全に
2018年に開催されたインターモトでのトライアンフは、新型ストリートツインと同時にもう1台のニューモデルを発表していた。2017年にストリートツインをベースにデビューしたバリエーションモデルであるストリート・スクランブラーも、今回同時に新型ベースのものに生まれ変わったのだ。
スクランブラーとは、かつてトライアンフをはじめ世界中のオートバイメーカーがラインアップしていた、ロードスポーツのメカニズムをオフロード走行向けにアレンジすることで生み出された、古典的オフロードモデルのこと。
新型ストリート・スクランブラーはそのスタイルを、新型ストリートツインをベースにして現代に甦らせたモデルということになる。
ストリート・スクランブラーは、バーチカルツインエンジンや大柄な車体は、基本的にベースとなったストリートツインのまま、アップマフラーやブロックパターンのタイヤなどを装着するという、現代のオフロードモデルに慣れた眼からは乱暴に見える、スクランブラーの文法に則った手法を採用しているのは従来モデルと同様。
では何が新しいストリート・スクランブラーの注目すべきポイントなのか?
それはやはり、新型ストリートツインに採用された高出力化、高トルク化された新型エンジンが搭載されているということ。
もともと力強さで定評のあったエンジンに、さらなるパワーを上乗せしたことで、これまで以上に豪快なライディングを味わえる新型ストリート・スクランブラー。
そのライディングには、荒々しくワイルドな佇まいのスクランブラースタイルが良く似合うはずだ。
しかも単に乱暴なわけではなく、進化した電子制御デバイスによって優れた安全性や快適性も確保した上で、だ。
これこそトライアンフの現代的解釈によるスクランブラーなのだ。
SPECIFICAITON
全長x全幅×全高 2125×835×1180㎜
ホイールベース 1445㎜
シート高 790㎜
最低地上高 NA
乾燥重量 198㎏
エンジン形式 水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒
総排気量 900㏄
ボア×ストローク 84.6×80㎜
圧縮比 11
最高出力 65PS/7500rpm
最大トルク 80Nm/3800rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 12L
キャスター角/トレール 25.6 º/109㎜
変速機形式 5速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ310㎜ディスク・φ255㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 100/90 R19・150/70 R17
DETAILS
燃料タンク自体もストリートツインと同じものが装着されている。
ライダーがニーグリップする部分にホールド性を高めるラバーが装着されているのは、かつてのスクランブラーの文法を踏襲したから。
アナログ速度計に小型液晶パネルを合体させたメーターパネルや、オーソドックスな丸形ヘッドライトはベースモデルであるストリートツインと基本的に共通のものが装着されている。
左右2本出しだったストリートツインに対して、ストリート・スクランブラーは右側2本出しのアップマフラー。
ライダーの足が当たる部分を覆う武骨なヒートガードも、スクランブラーらしさを強く感じさせる。
ステップバーはストリートツインのようにラバーは備えず、泥が着いたライディングブーツでもしっかりとグリップできるような、ギザギザの金属むき出しなオフロード車的なものに変更。