圧倒的に扱いやすいので個人使用なら不満なし
オートバイに使われているボルト/ナットはほとんどがスチール製なので、放置しておけば錆びる。
表面に錆が浮いている程度なら美観はともかく実用上の問題はないが、錆がネジの頭を囲むように盛り上がるとドライバーやレンチが掛かりにくくなり、ボルト/ナットの角やドライバーを差し込む溝をなめてしまいがち。
さらにネジ山まで錆びて固着した状態を力づくで緩めるとボルトが折れてしまうこともある。
そこでワイヤーブラシで錆を削り取り、浸透潤滑剤を吹いてから工具を使うことが普通だが、それでもネジ部の固着が酷い場合に有効なのが錆び取りケミカル。
緩みにくいネジを回す各種プライヤー類が大好評を博している『ネジザウルス』シリーズに加わった異色のケミカル製品だ。
使い方は錆びたネジにたっぷり塗布するだけ。すぐに化学反応が始まって赤茶けた錆が紫色に変化しながら薄くなっていく。
テストは表面全体が錆びた鉄板と固着したボルトで行ったが、みるみる錆が消えていく様子に編集スタッフもカメラマンも「お〜!」と声を上げたほど。
一度で取り切れない場合は繰り返し塗布すればいい。
錆び取りケミカルは塩酸やリン酸を使った酸性タイプが多く、使用時と使用後の取り扱いに細心の注意が必要だが、ネジザウルスリキッドの成分は中性のチオグリコール酸アンモニウムなので、処理が終わったら水で洗い流せばOKというのもDIYメンテ向きだ。
通常のリキッドタイプと同成分の泡スプレータイプがあるが、オートバイに使うなら狙った場所に密着して液垂れしにくい泡タイプのほうが作業しやすい。
古いオートバイのケアやレストア作業におすすめのアイテムだ。
photo:柴田直行、関野温、南孝幸 Model:梅本まどか