かつての「最強ツイン」の末裔は俊足ロードスター!
トライアンフはボンネビル系のビンテージスタイルのツインたちを「モダンクラシック」というファミリーにカテゴライズしている。
ファミリーのイメージのベースになっているのは、かつて60年代末に最高速度記録に挑戦した「ポンネビルT120」。
このモデルは英国製ツインたちが日本製マルチエンジン搭載車に最強最速のポジションを奪われる直前に輝いた最後の「最強ツイン」。
かつて、直4たちが幅を利かせる前、峠道を走ってもシグナルグランプリをやっても、もっとも元気のいいバイクと言われていた。
そんなバイクをモチーフにしてスタートしたのだが、空冷エンジンの初期モデルはパワーも控えめで、ハンドリングやルックスも昔のツインテイストを重んじる味付けを主役にしていた。
だが水冷エンジンに生まれ変わった最新モデルは900、1200という2系統のラインナップとも、2割ほどもパワーアップし、かなりの俊速モデルになっている。
また全モデルともに、パルス感を生みつつトルクの発生バランスがいい270度クランクを採用した。
ベーシックモデルに相当するのは、900がストリートツインで1200がスピードツインだ。
ともにシンプルなパッケージながら、ネオクラシックというカテゴリーを意識させない走りをする。
正立フォークにリアは2本ショックというネオクラシックモデルとしてはオーソドックスな構成ながら、スタンダードなネイキッドモデルとして扱えるオールマイティな走りをする。
街中でのハンドルを使った強引なフットークにびくともせず、タイトな峠道から高速コーナーまで節度あるしっかりとした安定性を伴って走りきることもできる。
トライアンフのハンドリングテイストは、風流な走りをベースとしているカワサキのWとは違う方向。
パワーも瞬発力を生む排気量もかなりの差があるので、走りのベクトルに違いが出て当然なのだが、トライアンフのモダンクラシックシリーズの方がスポーツバイクとしてナチュラルなハンドリングにまとまっている。それが特徴だ。
DETAILS
1200㏄のハイトルク型エンジンは97PSを発揮。
コンパクトな車体を強烈に加速させる。
サイレンサーはブラック仕上げ。
ホイールベースはスラクストンより15㎜長い。
ブレーキキャリパーはブレンボの4ポットを採用し確かな制動力を確保。
THE ORIGIN OF “BONNEVILLE”
バイクに乗り始めた頃、このバイクはすでに旧車で値段もこなれ、色々な人が乗れるようになっていたが、その中にはボンネビル使いのオジサンたちがいて、国産直4や750をカモにして遊んでいた。
油断できない速さを持ってるヤツ…というイメージがある。
900ccシリーズもラインアップ
今年のモデルチェンジで大幅にパワーアップ、格段に活発な走りができるようになっている。
またカートリッジタイプのフォークも採用され、乗り心地、接地性などが向上。
これまでより快適さや走行性能の両面で大きくグレードアップしている。
T120の弟分に当たる、900㏄ユニットを搭載するクラシックロードスターがボンネビルT100。
ハイトルク型の900㏄エンジンが生み出す爽快な走りと、兄貴分のT120にも引けを取らない、優美なスタイリング、手頃な価格が魅力。
TRIUMPH BONNEVILLE T120
モダンクラシックシリーズの中で、由緒正しき「ボンネビル」の名前を継承するクラシックロードスター。
水冷の1200㏄エンジンはハイトルク型ながら、各モデルの性格に合わせたチューニングが施されており、T120のユニットは80PS仕様となっている。
クラシックスポーツのお手本のような古典的スタイルながら、ライドバイワイヤーやライダーモード、グリップヒーターなど、最新の電子制御アイテムもしっかり備えている