よみがえれ、XR250! バッテリーの脱着と充電方法をレポート
動かなくなったバイクを放置していることほど、嫌な気持ちになることはありませんよね。ふと、そのことを思い出すたびに陰鬱な気分になります。
約半年間、愛車のホンダXR250を放置してしまったモノグサ編集部員の西野です。
冬の間に転職とか引越とかいろいろあって、実家に一度XR250を避難させたのがまずかった。真冬を越えると、セルがシュルシュル、シュルシュル……と、か弱い声を出すのみ。押しがけも試しましたが、上手くいかずお手上げ状態。はい、全部イイワケです。
しかしバッテリーは昨年10月に新しくしたばかり。
また新しいのを買うのはいやだ! ということで、バッテリー充電器を買うことにしました。
選んだのは、ネットでもやたら評判がよく、メンテナンスの達人の先輩方にも勧められたTECMATE (テックメイト) 社のOptimate6(オプティメート6)。
日本では岡田商事が正規輸入販売元で、メーカー希望小売価格は税別20,000円。
Amazon等だと少し安く売っています。ちょっと高価な気もしましたが、一生モノだと思い、ポチっとカートに入れました。
パッケージには、「原付からトラックまで充電できる」とあります。頼もしい!
さっそくXR250のバッテリーを外します。
XR250は、車体の左側のサイドカバーにバッテリーがあります。
ああ、実家に置いたとき、マイナス側の端子を外しておけば、上がらずに済んだかもしれないのに……といまさら後悔。
しかしいまは、オプティメート6という、強い味方がいます。祈るような思いで作業を進めます。
バッテリーを外す際は、必ずマイナス端子(黒い方)から!
次に赤い方のプラス端子を外します。
しばらくの間バイクに乗らない時は、バッテリーのマイナス端子を外して外しておくだけでも、バッテリー上がりのリスクを減らすことができます。
※ただし、バイクとバッテリーは気温や湿度の影響を受けにくい場所での保管を心がけましょう。長期にわたって乗らない場合は、バッテリーを外して保管するのがベターです。
オプティメート6の説明書を読み、さっそく接続。
オプティメート6の「ワニ口クリップ」で挟んだのち、コンセントにプラグをさします。
基本的に全自動で、特に操作は不要とのこと。最初の一時間ほどは、バッテリーの膨張などの異常がないか気を配っていましたが、あとは再び祈りの時間です。
初期診断→回復充電→通常充電→均一充電及び充電確認、と進んでいきます。
二輪車のバッテリーの場合は1~3時間ほどで完了、と説明書に書かれてある通り、約3時間で充電が完了したようです。
その後、電圧保持テストやメンテナンスモードもありますが、これには12時間ほどかかるようなので、今回はパス。また今度、時間があるときにテストしてみたいと思います。
とにかく、これでXR250が動くようになったかどうかを試してみます。
XR250にバッテリーを再装填!
今度は外すときとは逆順で、プラス端子(赤い方)を先に付け、最後にマイナス端子(黒い方)を装着します。
いざ、イグニッションをオンにして、セルボタンをプッシュ!!
ぶろろろろろろぉ~~~ん!
かかりましたー! なんと一発! デルタのマフラーのちょっとやかましい排気音が懐かしい(泣)
ごめんよ、ごめんよ、XR250。もう放置したりしないから。
そんなこんなで実家を無事出発できました。
しかし、今度は実家にもう一台の愛車トライアンフ・ボンネビルT100を置いてきてしまった。バッテリーのマイナス端子を外さずに……。なるべく早くピックアップに行かないと。
ただ充電しただけのように見えますが、オプティメート6はいろいろ仕事をしてくれています。
毎秒バッテリー内部の抵抗値をチェックし、バッテリーに最適な電流を供給。
バッテリーの負荷をかけることなく、全自動で充電可能。
<初期診断機能>
バッテリーに接続したら、5段階で細かく診断。
バッテリーの状況に合わせた充電を行う。
<12時間保持テスト>
しっかりとバッテリーの電圧保持能力を診断。
劣化したバッテリーを見逃さない。
<パルス充電>
回復充電、及び通常充電後、パルス充電を行う。
各セルを均一に充電し、バッテリーをより100%に近づける。
(輸入販売元:岡田商事のHPより)
さらに「サルフェーション溶解」をしてくれるのも特長です。
サルフェーションとは、バッテリー内にある電極板に硫酸鉛が結晶となって付着し、電気が上手く流れなくなったり、充放電しにくくなってしまうこと。
そのサルフェーションを全自動で溶解してくれるというわけですね。
ていねいに優しく充電していくのもオプティメート6の魅力。
フロート充電といい、必要に応じ、必要な分を充電する方式が採られています。充電保持モードのときは、1時間のうち30分は電流をカット。次の30分で再度電圧をチェックし、電圧が13.3V以下に落ちているとき、再度13.6Vになるよう充電をしてくれます。
正直、すべては理解していませんが、かなり頭がいいバッテリーメンテナーということですね。
今回、実際に行なった作業は、バッテリーを外し、ワニ口クリップを挟んでコンセントにプラグをさしただけ。
あとは、表示される情報をときどきチェックしながら、充電が完了したのを確認。バッテリーを再装填したら、ミッションコンプリート。メンテナンスの知識はほぼ要りません。
長時間のメンテナンスモードはまたそのうちレポートしたいと思います!
TecMate「OptiMate」シリーズ(岡田商事)
使用する際は、取扱説明書をお読みいただき、安全管理をした上で、行なってください。