変更点は顔だけじゃないけれど、やっぱり顔が気になる初のマイナーチェンジ
2016年、ドイツのインターモトでMT‐09のモデルチェンジが発表された。
当時、欧州では「MTをブランドとして強くプッシュするぞ!」というヤマハの本気度がわかるように「MT‐10」「MT‐07」「MT‐03」「MT‐25」「MT‐125」とシリーズを拡大してきたなかで、何よりこのシリーズを切り開いたMT‐09のモデルチェンジ。
大胆な顔つきを採用し世界を驚かせた。
さらにこのマイナーチェンジでは、アシスト&スリッパークラッチやクイック・シフト・システム、圧側減衰の調整機能を追加したフロントサスペンション、ライセンスプレート懸架を兼ねたアルミ鍛造製ステーの片持ちリアフェンダーの採用と、なかなかのボリューム。
加えて、ABSが標準装備となり、ABSなしのモデルはラインアップからなくなった。
MT‐09が新型になった時には、まだ日本ではMT‐10は発売されておらず、個性の強い2眼に慣れてなかった人も多かったかもしれないが、不思議と見慣れてくるもので、今見るとモデルチェンジ前はかなりスマートな印象に見える。
数年前はあんなにも個性的だと思っていたのにね。
より走りにこだわったSPなMTの誕生
MT‐09というモデルは滑らかさもあれば、爆発的な加速力も併せ持つ3気筒エンジンと、スリムで軽量な車体を組み合わせた万能スポーツモデルだが、足まわりは良くも悪くも個性的な味付け。
バネも減衰力も非常にソフトな印象だ。
おかげで、街乗りや高速走行まで乗り心地はよいが、ハイペースでコーナリングするとピッチングが大きくなり、ライダーによっては荒れた路面でトラクションが抜けやすい足まわりと感じるかもしれない。
2018年に登場したMT‐09 SPは、その足まわりを強化したモデル。
KYBのフルアジャストフロントフォークとオーリンズのリアサスを採用し、クイックシフターまで装備する。
乗るとその印象は大きく違っており、コーナリング中の接地感がしっかりと強く、たとえバンク中に車体が跳ねてしまうほどの荒れに遭遇したとしても、SPなら滑ることはなかった。
元々、協力な旋回性を持つモデルだが、立ち上がりでがよりダイレクトになり、ハンドリングも切れが良い。
スポーティな走りを楽しみたいライダーはもちろん、一般的なライダーでもこの装備は魅力的。
そしてこれがスタンダードと価格を比較すると、とてもお得だと知っている。
だからなのかSPに注文が集中しているとか。