80余年の伝統を持つBMWの水平対向エンジンは、ボクサーが左右にパンチを打ち出すが如くピストンが動くため、ボクサーツインとも呼ばれる。今回、R1200GSやRTにも積まれる新型ボクサー搭載のロードスターが登場。それは誰もがボクサーの魅力を楽しめるものとなっていた。

ボクサーツインは特別な乗り物じゃない

BMWのボクサーツインには、どこか特別なバイクとのイメージを抱く人も多いのではないだろうか。

確かに、クランクシャフトが横置きではなく縦置きで、左右にシリンダが突き出ていて、後輪をシャフトで駆動。

そしてフロントサスは、93年のR1100RS以降、20余年も一貫して、一般的なテレスコピックフォークに代わり、テレレバーが採用されてきた(1年前登場のRナインTはテレスコピックだが)。

画像: ■最高出力:125PS/7750rpm ■最大トルク:12.75kg-m/6500rpm ■発売時期:未定 ■価格:未定

■最高出力:125PS/7750rpm
■最大トルク:12.75kg-m/6500rpm
■発売時期:未定 ■価格:未定

そうした車両形態ゆえ、決して特殊とは言えないにしろ、一般的なバイクにない一種の独自性が放たれていたことは事実だと思う。

ところが、フロントがテレスコピックになった新しいR1200Rには、初めてボクサーに接する人にとっても、違和感を感じさせるような個性はない。

あらゆる点において、すごくナチュラルなのだ。

画像1: ボクサーツインは特別な乗り物じゃない

いや、むしろ至って人当たりが良く、取っ付きがいい。他の多くのバイクと比べても、その点においてR1200Rは秀でていると言っていい。

見た目にボリュームがあって、存在感を感じさせる車体だが、跨ると意外なほどコンパクトに身体が納まる。

画像2: ボクサーツインは特別な乗り物じゃない

車体後部が低く、長くもないので、跨るのも楽だ。シート高は790㎜で足着き性が悪くないばかりか、低重心ゆえの安定感があって、実際よりもシートは低い印象だ。

試乗に際しバイクは、クルマが一方通行できる程度の道幅の狭いところに、横向きに停められている状況。

画像3: ボクサーツインは特別な乗り物じゃない

ハンドルを右一杯に切って、発進していかなければならず、足着きや低速バランスに不安があって、ハンドル切れ角も小さいバイクだと、緊張させられるところだ。

でもR1200Rは、難なく、小回りしながら発進していくことができる。

画像4: ボクサーツインは特別な乗り物じゃない

ハンドル切れ角は34度と、一般的なスポーツネイキッドよりかなり大きく、その切れ方も従順で分かりやすい。エンジンもスムーズそのもので扱いやすい。

そして、そのままスペインの石畳の街中を通過し、ワインディングへと繰り出していく。

取っ付きがいいから一層、ワクワク感が膨らむ。

SPECIFICATION
エンジン:空水冷4ストDOHC4バルブ水平対向2気筒
排気量:1170㏄
ボア×ストローク:101×73㎜
最高出力:125PS/7750rpm
最大トルク:12.75㎏-m/6500rpm
圧縮比:12.5:1
燃料供給装置:フューエルインジェクション
全長?全幅?全高:2165×880×1300㎜
軸間距離:1515㎜
シート高:790㎜
車両重量:231㎏
燃料タンク容量:18ℓ
ブレーキ前・後:φ320㎜ダブルディスク・φ276㎜ディスク
タイヤ前・後:120/70ZR17・180/55ZR17

ライポジはアップライトで、もはや体格を選ばない

画像1: ライポジはアップライトで、もはや体格を選ばない

本文にもあるように、快適かつスポーティに走れるライポジは、小柄な身体にも全く無理がない。

画像2: ライポジはアップライトで、もはや体格を選ばない

シートを選択できることも嬉しく、820㎜高のハイシートでも足着き性そのものはさほど変わらなくても、790㎜高の標準シートのほうが車体が傾いた際も安心感を保ちやすい。

ハンドリングはハイシート装着時のほうが素直で軽快な反面、標準シートでは操る面白さが濃厚という魅力もある。

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