サーフアイランド新島、その印象と実際の雰囲気
あたしが中学生くらいのころ、「新島」といえば男の子たちがナンパしにいくところだった。そんな印象があったから、いままで足を運ぶのをためらっていたの。
お休みができると、ここ数年、小さな島を攻めている。小さな島は少しの時間でも普段と全然違うところにいるみたいで好き。
伊豆七島へ向かうとき、いつもは夜中に出て約10時間後の朝に着くフェリーに乗る。
だけど今回は少し奮発してジェット船で行ってみることにした。5000円くらい高いのジェット船。
たまには、時も金なり。東京の竹芝から2時間半。あっという間に、新島についた。
いままで行った伊豆七島は、神津島、大島、八丈島。どの島も良かったけれど、今回は晴天! ってこともあり、新島の海が一番綺麗だと思った。
着いて早々、少しでも早くバイクで走りたくなった。なのにタクシーがまったく見つからない! 困っていたら、船着き場のおじさんが助けてくれた。一人旅は、こういう優しさが身に染みる。
タクシーがやってきて、運転手さんに「レンタルバイク屋さんで降ろして下さい」とお願いした。
あんまりバイクを借りる人いないのかな? お店の人は、奥の倉庫からバイクを出して一生懸命エンジンをかけてくれている。
車両はホンダのリード100。ゆっくり島を一周には充分なバイクだ。
地図を貰って、さっそく出発!
島を1周すると、新島ってこんなに美しんだって、島に対する変な気持ちも消えてきた。
日が落ちるころ民宿に着くと、おばちゃんが「暑いから、一息ついたら温泉に入ってきなさい。水着持ってきた?」って。
あたしが「ないの」と言うと、男性ものの海パンと上着を貸してくれた。
わあ、すごい! すごい!
水着で入れる公共の温泉場、「湯の浜露天温泉」。
スケールは違うけど、雄大な景色と雰囲気は大学の時に行ったギリシャのパルテノン神殿みたいな佇まい。
懐かしいなと、あの頃を思い出し、温泉に浸かった。あたしは前世はギリシャ人だったの。心のどこかが懐かしさでいっぱいになった。
ゆっくり静かに流れている、波と時間に揺られながら、べったりと肌と髪に張り付いた汗が解けていった。
文・写真:福山理子