転倒のダメージを軽減するスライダーはマストアイテム
オートバイという乗り物は「転倒」のリスクを排除できない。走行中だけではなく、立ち転けや取り回し中、駐車中の強風や地震もオートバイを転倒させる要因となり、転倒すれば車体は確実にダメージを受ける。
ハンドルやレバーの曲がり、ウインカーの削れ程度なら修理費用は1万円以下で済むが、エンジンのクランクケースが削れたり、ヒビが入るような破損状態になると250ccクラスでも10万円以上、大型車なら30万円を超えることさえ珍しくない。
その自衛策として最も手軽なのがエンジンガードやスライダーの装着。主流は『ジュラコン』と呼ばれる樹脂製のスライダーをフレームまたはエンジンブロックの左右にボルトで固定するタイプ。車体の左右に取り付けることで横幅が増えて転倒時の傾斜角が減り、エンジンや車体よりも先にスライダー部分が路面と接触するのでダメージを受けにくくなる。もともとジュラコンを使ったスライダーはレース用パーツだったが、白バイなどが装着している金属パイプ製の「バンパー」とは違って見た目の大げさ感がなく、取り付けも簡単とあって国内外のパーツメーカーから多くの製品が市販されている。
確かな知識と卓越した技術から生まれたカーボンコンポジットスライダーに注目!
アクセサリーの定番となってきたスライダーだが、取り付ける位置やマウントの強度によって保護性能は大きく異なり、設計が悪ければ衝撃力が集中してフレームやクランクケースにダメージを与えることもある。確実な保護効果を得るためにはスライダーの形状やマウントと取り付けボルトの強度、材質など、設計には充分な知識と経験が必要不可欠だ。
ストライカーのガードスライダーは豊富なレース経験から得たノウハウを元に開発されたもの。ロードレースやジムカーナといった競技用車両への装着率が高いことも信頼性の証し。そして新たに注目されているのがカーボンコンポジット仕様。ジュラコン素材は乳白色だが、顔料を混ぜて着色することもできる。ただし素材の特性上、表面には艶がなく、塗装も不可能。質感に物足りなさを感じるのも事実。そこでストライカーが開発したのが、ジュラコンに代えてカーボンファイバーを使用したカーボンコンポジットのガードスライダー。プリントによるカーボン柄ではなく、カーボンシートを1枚づつ丁寧に重ね貼りしたオールカーボン仕様。耐摩耗性と強度を最適化した形状で、アルミ削り出しベース部と併せて機能美を漂わす仕上がり。さらにスライダー部の円周方向に刻まれた2本のスリット(溝)によって、転倒時に過剰な力が加わったときはスリット部分から破断して力を逃がす構造も採用している。
確かなプロテクション性能とドレスアップを同時に満たす新世代のスライダーとして、人気急上昇中。人気に応えて対応車種も続々と増えているから、スライダーの購入を考えているならまずはストライカーのwebサイトをチェックすることをお勧めする。
スムーズなシフトフィールと可変ポジションのバックステップキットが、走りを変える!
ライディングポジションはハンドルのグリップ位置、シートの着座位置、そしてステップ位置の3点で決まる。中でもステップ位置はライダーの荷重移動とシフト操作、ブレーキ操作に直接関わるため、ライディングのリズムと正確さを左右する。事実、MotoGPライダーも走行前にはポジションを念入りに調整しているほどだ。
ストライカーのバックステップキットは、国内外の最高峰レースで活躍した新(あらた)社長が開発を担当しているだけに、剛性と操作性を徹底追求した仕上がり。前後位置と高さを4または6パターンに変更できるポジション可変機構を備え、車体をしっかりホールドできるローレット加工のステップバーを採用。素材は軽量・高剛性のA2017アルミ合金(ジュラルミン)で、左右ペダルの可動部にベアリングを入れて余分なガタのないスムーズな操作フィーリングを実現。レーシングユースにも対応した製品だが、ペダル類の肉抜きを最適化して転倒で走行不能となるようなパーツ類の損傷を最小限に抑え、ステップバーも長時間ライディング時の疲労を軽減する形状。
ノーマルのブレーキホースとスイッチがそのまま使用でき、カカトの巻き込みを防ぐヒールガードや色落ちの少ない高品位アルマイト加工を採用するなど、ストリートユーザーも満足させる作り込みがなされている。
バックステップを位置とデザインで選ぶユーザーが多いが、ストライカーのバックステップキットを装着すれば、シフトフィーリングとホールド性によってライディングの質が劇的に向上することを実感できるはずだ。