松屋銀座「天気の子」展で展示、10月7日まで
2002年に自主製作の短編「ほしのこえ」で注目を集め、今では日本を代表するアニメーション作家の1人として、海外でも高く評価されている新海誠氏。その最新監督作となる3年ぶりの長編劇場映画「天気の子」は、家出して東京にやってきた高校生・森嶋帆高と、「祈るだけで天気を晴れにできる」能力を持つ少女・天野陽菜が出会うことで起こった出来事を、新海誠監督ならではの美しい映像で描いた作品。
7月19日の公開から67日で興収130億円突破という大ヒットで、現在も全国で公開は続いている。
これに合わせて、「天気の子」の製作資料などを展示して作品の魅力に迫る「天気の子」展が、9月25日〜10月7日に東京・銀座の松屋銀座8階・イベントスクエアで開催されている。
シートの下のちょっとした“遊び心”
この展示では「天気の子」の絵コンテや設定、作画、背景美術といった貴重な資料が見られるだけでなく、作品の重要なキーとなる気象現象について、日本気象協会の協力を得て気象現象を再現できる装置を設置するなど、より多角的に、深く作品世界を知ることができる内容。
そんな会場の一角、来場者が記念写真を撮ることのできるフォトスポットに1台のスーパーカブ110が置かれ、自由にまたがって記念写真を撮ることができるようになっている。
このカブは、「天気の子」の劇中で主要な登場人物である夏美が、カブに乗って生き生きと走り回るのを観て感動したホンダマガジンとホンダモーターサイクルジャパンが企画し、本田技研工業(株)ものづくりセンターの協力で製作された、その名も『「天気の子」スペシャル・スーパーカブ』。
ディテールは劇中に登場するカブを忠実に再現。特に鮮やかなピンクのボディカラーは、スーパーカブのカラーラインアップには存在しないため、細かな色味にこだわって調色されているという。
可愛いイメージのピンクがカブの伝統的スタイルにもよく映えていて、「来年あたり新色として出せばいいのに」なんて声が関係者の間から上がるほど。
製作を担当した本田技研のスタッフの遊び心を感じさせるのが、普通は見えないシートの下にあった。シートを跳ね上げると現れる燃料タンクの上面には、補修などのためにカブの正式なボディカラーが分かるカラーコードのステッカーが貼られる。
『「天気の子」スペシャル・スーパーカブ』は量産されていないので本来カラーコードは存在しないが、しっかりとカラーコードのステッカーがあり、しかもカラー名・コード共に「723」=「夏美」となっていた。
初日にはオープニングイベントも行われ、森嶋帆高の声を担当した醍醐虎太郎さん、天野陽菜の声を担当した森七菜さんも来場。醍醐さんは充実した内容の展示を見た感想を「見るものが多すぎて時間が足りないと思うので、後の予定を入れずに見に来てください!」と熱く語った。
さらに二輪免許も持っていてバイク好きというだけに、印象に残っている展示を「僕はあのカブ。あのピンクが可愛くていいなぁ」と発言。森さんと2人でタンデムした写真も撮るほどのお気に入りだったようだ。
会場ではクリエイターや有名ブランドが「天気の子」からインスピレーションを受けて製作したコラボ商品や、会場限定のオリジナルグッズも販売。松屋銀座内の「MGカフェ」「美しくなるビアガーデン」では「天気の子」展コラボメニューを提供するなど「天気の子」が好きなら楽しめる、さまざまな企画が用意されている。
会期中は無休で、入場料は一般1200円・高校生900円・中学生700円・小学生500円。松屋銀座での開催後は、全国を巡回する予定となっている。