きょう11月1日は、本誌12月号の発売日。ここ3~4日、割とのんびり過ごしていて、実はこの「発売日前後」てのが、ぼくら編集スタッフがいちばん時間のある時だったりします。某月某日、ここんところ続いてた秋の長雨も止んで、久々に雨の心配のない一日。寒くもなく暑くもないバイク日和^^ 久々にちょっと走ってみっかな、ってショートツーリングに出かけたのであります。
行先は、先日のケニー・ロバーツ ジャパン・ラリー(=KRJR)で知り合った道家(=どうけ)さんが営む、千葉は大多喜町の「ライダースカフェBIG1」。このカフェ、前から名前は知っていたし、雑誌なんかで見たことはあったんですけど、まだ行ったことがなかったんです。
それとこの秋の千葉といえば、台風15号/19号、さらにその後の豪雨の被害があって、内房外房、それにBIG1の周辺の長生郡とか茂原町なんかに、水害なんかが出ていたばっかり。ニュースとかワイドショーなんか、どんだけ被害があったか、なんて報道しまくってるから、こんな時にバイクでへらへら走っていくのはダメなのかな、って躊躇していたんですが、前日に道家さんと連絡を取ったら、まるで逆のことをおっしゃる。
「やだな、そうやって自粛しないでばんばん出かけて来てください。通行止めが何か所かあるけど、そんな遠回りしないでたどり着けますから、じゃんじゃん来て!」と。
そーか、勝手に自粛しないで、被災地におカネ落とせ、の段階だね。よーし分かった、行こう!
編集部から大多喜は、アクアラインでひょい、じゃなくて、愛車CB125Rで行くので、国道14号から357を走って、千葉市を過ぎたあたりから中に入って行って市原方面、千葉・房総半島の中心へ。千葉市を過ぎるくらいまでは片側3車線とかのデカい国道で面白くもなんともないんですが、市原から中に入っていくと、ちょっとくねくねしてくる。お、楽しみ楽しみ^^
それでも、このあたりから台風15号の影響か、屋根にブルーシートをかけている家とかお店が見え始めて、19号やそのあとの豪雨の影響か、道に泥が流れ出たあとが見えたりで、だんだん災害の爪痕が見え始めました。うーむ、ニュースで見るような被害がひどいところには立ち入れないから見られなかったけど、このへんはアップダウンがあって、くぼ地のほうに水が流れていったんだなぁ。
途中、スマホのナビが「右折です」って案内してくれるところが通行止め、なんてことが2~3度あって、ニュースでやってたスーパーの駐車場とか、川沿いの道は走れなかったけれど、幹線道路はまったく普通に通れました。
少しの遠回りで目的地へ。実は途中、店に出勤する道家さんとセブンイレブンの駐車場で出っくわして、更に遠回りしながらBIG1へ。この遠回りは、実は道家さんが地元の被害視察のためにひと回りしたもので、それでも大きな被害はなく、お店へ。道路わきに土砂崩れがあったり、木が倒れちゃってるところはあったものの、道の寸断はなし。
「19号より15号のほうがすごかったですね。土砂崩れとか倒木で、店のアクセスも寸断されちゃったりしたんだけど、被害があった家とか、みんな自分で、できるところはサッサと片付けるんですよね。いや、千葉の人すげぇな、って」
初めてのライダースカフェBIG1は、大多喜の山の中。決して街道沿いではないけれど、その分たっぷりスペースがあって、お隣はデカいゴルフ場、目の前にキャンプ場も広がる、のんびり雰囲気のカントリーロッジ風カフェ。地図ソフトで「大多喜 風の村」とか「クラブ ビッグワン」って検索すると出てきます。クルマではなかなか行きにくいところだから、余計にバイクの聖地って感じ。平日のまっ昼間なのに、僕がいったときもバイクのお客さんが5~6人。
そこには、なんとカタナスペシャリスト、オオノスピードの大野さんも。なんだぁ、オレが来るって聞いてわざわざ来てくれたの、って思ったら「ちがうわ。開発してるパーツの実走テストに寄っただけだよ」だってやんの(笑)。大野さん、いろんなところで露出を始めているNewカタナのロングテールカウルキット車で来てました。
「台風のあとは全然いなかったんだけどね。道家さんと店の中にふたりっきりなんて日もあったんだぜ」と大野さん。大野さん、11/3(日曜)に「千葉にどんどん人集めしなきゃ」って思いで企画したカタナミーティングを控えて、走行ルート点検なんかにも走り回ってるらしい。
そんなこんなで千葉の現状とか、イベントの企画とか、道家さんと大野さんと3人でバカ話しつつ、BIG1名物「国産和牛ハンバーガー」を。道家さんが「サービスな」つってWパテで出してくれたんだけど、いやいやムチャでしょ、って大きさ。ヘルメットを隣に置いた写真みてもらえばわかるけど、どーやって食うのさ、これ!
「いや、うちのバーガーは口の周りべちょべちょにして足元にこぼしまくって食べて」って言うから食べましたとも、ええ。チャレンジっていうか、格闘っていうか、そういう種類のやつね(笑)。ギャル曽根ちゃんが食べるやつじゃん。
それでも国産和牛肉のあらびき肉のパテとか、手作りスモークベーコンとか、トマトとか玉ねぎとかレタスは地元野菜だし、まぁ美味しい♪ かるーく効いた西洋わさびがおいしかったぁ。これまた自家製のジンジャーエール、いまそこで採ってきた来たっていうレモン使ったレモネードも出してもらって、おなかパンパンになりましたとさ。数時間後にウチ帰って、晩御飯たべらんなかった(笑)。
編集部から下道で80kmくらい、125ccで2時間くらいかけてのんびり走った先に、こういう美味いもの出してくれるカフェがあるって、ライダーにはたまんないよね。千葉が災害の被害に遭ったとか、復興中は行きづらいとか、復興に協力しなきゃとか難しいことは置いといて、まぁBIG1に行ってみて♪ ハンバーガーもジンジャーエールもびっくりすっから!^^
そして、道家さんのお話をもうひとつ。道家さん、実は「オレンジバイカーズ」って活動もやっていらっしゃって今日はそのお話も聞きに来たんでした。
オレンジバイカーズっていうのは、千葉県と千葉市が取り組む「児童虐待防止活動」のことで、オレンジバイカーズって名前でもう4年、その前にはサンタライダーって、クリスマスに養護施設におもちゃ持って訪問する活動を2009年からスタートしていたもの。
「ニュースで児童虐待とか、育児放棄とか、いやなニュースたくさん見るでしょ? それをやめさせようよ、って活動を、バイクと自転車の愛好者でやってるんです。バイクって、とにかく『社会悪』のイメージあるから、そんなんばっかりじゃないよ、社会の役に立つことしたいんだよ、って始めた活動だし、児童虐待をやめさせることなんかできなくても、やめさせようぜ、って意欲を出すこと、意識を持つことが大事なんだと思うんです。それでやってるの」と道家さん。
具体的には、オレンジ色のベストを身に着けたバイカーと自転車が、千葉じゅうを走り回る、っていう活動。もちろん、これは年中通してやるものだけれど、年に一度のイベントとして「オレンジバイカーズラリー2019」が、この11月3日にスタート。2週間後の11月17日にも開催されて、それぞれチェックポイントを回りながら千葉をツーリングします。今年で4回目になるんだそうです。
千葉県と千葉市のオフィシャルな後援事業だから、3日は千葉市役所前で千葉市長の号令を合図にスタートするし、17日は千葉県庁がスタート。ケンサク知事は……来てくんないのかな。
役所の前がスタート地点なんて、なかなか緊張しそう^^ 詳細はコチラ。https://www.peace-maker.org/cobr 興味がある人もない人も、気軽に参加するのが大事なんです!
「気軽に参加してなんて、社会的に大きなテーマに気軽とは何事だ、ってお叱りを受けたこともあるんですが、いいの、そんなの。ひとりが児童虐待を止めることなんてできないかもしれないけど、よくないことだぜ、って意識をもって参加してくれることが大事なんです。オレンジバイカーがひとりでも増えて、そのバイクが千葉を走って『あ、あのオレンジバイカーって児童虐待防止活動やってる人たちだ』ってひとりでも気づいてもらえたら、ひとりでも虐待が減るかもしれないじゃないですか。それが狙いなんです」と道家さん。
「そんな児童虐待防止活動なんてガラじゃないよ」なんて思ったっていいんです。実際に家庭に踏み入るわけじゃないんだからそんなの偽善じゃん、なんて思われたっていい。偽善だろうがポーズだけだろうが、そういう意識を持つ人がひとりでも増えて、虐待されるこどもがひとりでも減ればいいんだもの。ワタクシも恥ずかしながら、オレンジバイカーTシャツ買って、今度はコレ着てバイクで走りまわってみます! そんなのへみたいなものかもしれないけど、なんにもしないより100倍いい!
そんなこんなで、今日の「ワンツーでツー」(=125でツーリング、って意味です・笑)おしまい。千葉の災害のこと、児童虐待防止のこと、いろいろ考えつつも、単純に「千葉ってもっとツーリングに楽しい場所あるんだなぁ」ってしか覚えてなかったりもするんだけど(笑)、それでもいいのだ。
オレンジTシャツを見るたびに、千葉の災害復旧のこと、児童虐待防止のことを思い出すようになるからね!
iPhone写真・文責/中村浩史