足つき性も向上させる女性用ブーツ
オートバイ女子部をはじめとする女性ライダーから、「ライディングウエアの種類が男性用よりも全然少ない！」という不満をよく聞く。
ライダーの男女比率を考えれば仕方ないが、それだけに女性用ウエアをしっかり用意しているブランドは信頼できるという。
ということで、古くから女性向け用品を手がけているナンカイ「ジャンニ ファルコ」のレディースブーツを紹介しよう。
前傾ポジションのスポーツモデルでも楽にシフト操作できる。ヒールがステップバーに引っかかるのでホールド性も高められる。サイドファスナーを外側に配置しているのは、乗車中にオートバイの車体と擦れて傷が付くことを防ぐための配慮。
ジャンルとしてはセミロングのツーリングブーツ。
アッパーに最高級本革のフルグレインレザーを使用し、質感の高さと丈夫さを両立。あえて甲側にチェンジガードを付けず、スッキリしたデザインに仕上げている。
アッパーの都会的なシルエットに対し、ソールのパターンはアウトドア指向。観光地に多い砂利の駐輪場でもしっかり踏ん張れる。
クロージャーはブーツ側面のファスナーとシューレースのコンビネーションタイプで、フィット性が細かく調整でき、履き脱ぎもスムーズ。
足首後ろ側にシャーリングを入れることでシフト操作のしやすさと歩きやすさを実現。かかと部分にABS樹脂を内蔵し、型崩れを防ぐと同時に安全性にも配慮している。
そして女性ライダーの要望に真摯に向き合っているのが5㎝のハイヒールソール。
小柄なライダーにとって足つきは切実な問題。厚手のソール＋5㎝ヒールで、スタンドを払って車体を起こすときの安心感は段違い。
ソール前側も厚めにすることで、足着き性を大きくアシストし、オートバイから降りたときのスラリと美しいシルエットにも貢献している。
普段はナイロン製ライディングシューズを履いている梅本まどかさんに試してもらったが、本革製ながら足を包み込むようなフィット感と優しい履き心地で、シフトチェンジ操作がやりやすく、歩いているときはヒール効果で背筋が伸びて気分がいいとのこと。
柔軟性のあるフルグレインレザーと、ソールパターンの工夫によって軽快な履き心地を実現。ツーリング先での散策も快適だ。
発売元のナンカイでは『ツーリングブーツ』に区分しているが、デザインと機能はストリートユースにも向いている。
足着きやシルエットを大事にする女性に履いてほしい。
文：太田安治／写真：南 孝幸／モデル：梅本まどか
太田安治の欲張りリクエスト
女性用なので24.5cmまでのサイズ設定だが、このデザインと質感、そして5cmヒールを望む小柄な男性ライダーも少なくないはず。サイズ展開を26cmくらいまで広げてもいいのではないでしょうか。
ジャンニ ファルコ／662 MISTY ツーリングブーツ（レディース）
価格：3万8500円
［サイズ］23.5、24.0、24.5（㎝）
［カラー］ ブラック
公式サイト
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