※この記事は月刊オートバイ2018年11月号(別冊付録 RIDE)で掲載したものを加筆修正しております。
優しさの奥にある鋭さ
神社から神社へ。そうして疾走りながら、鎌倉の中心部を通り抜けました。そして、とある看板に「正宗」という文字を見つけました。
僕は、25歳の頃から「居合道」を稽古しています。刀剣と書かれた看板には、よく出会うことがあります。
ですから、正宗の文字には反応せざるを得ません。日本刀に興味が無い人も、一度は聞いたことがある名前では無いでしょうか。
正宗とは鎌倉時代より活躍した刀匠です。その名を受け継ぐ、正宗工芸美術製作所へ伺いました。
ご主人にお話を聞くと、とても気さくに色々と教えてくださいました。なんとこの方が刀匠正宗! 24代目の山村さんでした。
僕が居合道を稽古していることを伝えると、ご自身が製作された刀を見せてくださいました。
流派を聞かれ、緊張しながら答える僕。実は居合には幾つもの流派があり、その流派毎に使う刀の長さが違います。
そうして話しているうちに、なんと刀匠が作った刀を持たせていただけることに。
全身に緊張が走り、その鋭く反射する光に言葉が出ません。その上、振らせていただきました。
僕が刀を握る手、降る時の腰。優しい表情のなかでも、それらを見る目はどこか鋭く感じました。
およそ700年もの間続いてきた技に、何気に出会えた街。高速道路や幹線道路を疾走っているだけでは、絶対に出会えないものばかりでした。神社拝走の旅は続く…。
この旅でいただいた名物
藤沢名物バラ丼の「里のうどん」
神奈川県鎌倉市雪ノ下2-5-18
大盛りのキャベツの上に、甘辛タレでコーティングされた厚切りのバラ肉がのった丼です!
そこに自由にかけられるマヨネーズときたから、最高としか言いようがないですね。
鶴岡八幡宮の道を挟んで西隣。大きな店構えなので、すぐに発見できますよ!
広い駐車場がありがたいです。
文:佐々木優太 写真:関野 温