日本にはハーフカウルを装備したスーパーボルドールがあるのだ
「佐渡ヶ島を巡るには400がベスト」ライダー役の編集者がそう言って選んだバイクはCB400スーパーボルドール。そのハーフカウルは絶妙にカッコいいと思う。佐渡でどんな写真が撮れるか楽しみだった。
このツーリングは『ゴーグル』のホンダCBシリーズの連載。CBとともに全国あちこち走り回った。この回はCB400SBともに佐渡ヶ島。
スーパーボルドールのベースになったのはCB400スーパーフォア。振り返るとスーパーフォアが発売された1992年は平成4年。スーパーボルドールは2005年に追加。いずれも長いライフのモデルとなっている。撮影したのは2015年の6月。
スーパーフォアは丸いヘッドライトを装備。カウルが無いのでネイキットと呼ばれていた。リアが2本サスだったり、二眼のメーター、メッキのパイプハンドルなど発売当初から少しレトロな雰囲気だと感じていた。そのネイキッドスタイルにハーフカウルの組み合わせがスーパーボルドール。
このハーフカウルのデザインが気に入っている。元々は車体はネイキットで設計されているのに、違和感なくフィット。上体を立てたアップライトなライディングポジションのままでも、風を防いでくれる。しかもその造形がカッコいい。LEDヘッドライトとの組み合わせでバイクのグレードがさらに上がって見える。
教習所でCB400SFに乗ったことのある人も多いだろう。この兄弟車が日本では最もポピュラーなバイクの1台。欧州ではセパハンのスーパースポーツ車に疲れたライダーが、アドベンチャー車やカフェレーサー風に流れているのだと思う。そんな欧州のライダー達に「日本にはCB400SBやCB1300SBがあるぞ」と教えてあげたい。
もともと乗りやすいCB400SBなので、佐渡ヶ島でも困ることはないと思っていた。実際、漁村の細い道でのUターンから海岸線をスローに流す時、山を一気に駆け上る時もベストバイクと言える組み合わせだった。
晴れたり曇ったりの佐渡ヶ島ロケ。キャンディレッドのCB400SBは上品で、どこに置いても絵になる。島を巡りながら海や空、和風の建物、夕陽と背景を変えながら楽しい撮影とツーリングであった。
写真・文:柴田直行
柴田直行/プロフィール
柴田直行 しばたなおゆき
1963年3月生まれ
横浜市在住
オートバイとライダーをカッコ良く撮るのを生業にしているカメラマンです。
ホンダVT250Fが発売になった1982年(19歳の頃)にオートバイブームに乗じて雑誌編集部にバイトで潜入。
スズキGSX-R750発売の翌年1986年に取材のため渡米。
デイトナでヤマハFZ750+ローソンの優勝に痺れてアメリカ大好きに。
ホンダCRM250R発売の1994年に仲間とモトクロス専門誌を創刊して、米国系オフロードにどっぷり。
カワサキニンジャ250が発表された2007年から、ゴーグル誌でも撮影を担当し現在に至る。
オンでもオフでも、レースでもツーリングでもオートバイライフが全部好き。