DUCATI Panigale V 4 S
贅を極めた“至高のメカニズム”
極限までムダを排した構造のシャシー。エンジンとフロントフレームを組み合わせ、その前端にマグネシウム製のライトステー、後端にアルミ鋳造のシートレールをマウントする。
1103㏄・V 4ユニットは214 PSを発揮。今回から新しいトルク・デリバリー・コントロール・ロジックが採用され、扱いやすさとコーナリングの安定性を高めている。
先に登場したパニガーレV 4 R同様、フロントフレームはヘッドパイプ脇にくり抜いたようなホールを設け、十分な剛性を確保しながらしなやかなねじれ特性も実現している。
高速走行時の車体側面の気流の模式図。ウイングが気流を裂き、車体を下向きに押さえる。
素材は違うがV4Rと同形状のウイングを採用。270㎞ /h時に30㎏のダウンフォースを発生。高速走行時のフロントホイールのリフトを抑え、コーナー進入時の安定性も高めている。
ウイングの端に設けた、縦方向のストレーキが渦を発生し、車体周辺を整流する。
上級グレードのSにはオーリンズの電子制御サスを採用。フォークは43㎜径のNIX- 30で、マウントは従来より4㎜下げられた。
カウルに沿った、独特の形状のサイレンサーと、リアバンク後方でとぐろを巻くエキパイはパニガーレV 4ならではのレイアウト。
スイングアームは片持ち式。今回リンクロッドを5㎜短く設定し、バイクの重心を5㎜アップ、コーナリング時の敏捷性を高めた。
Sはリアショックもオーリンズの電子制御。TTX36ショックに組み合わされるのは第二世代の電子制御システム、スマートEC 2 . 0。
スクリーンは高いものに変更され、ライダーの上半身周辺を保護する設定。ヘッドライトフェアリングは片側15㎜ずつ幅広になった。
ひと目でパニガーレと分かる、独創的な形状のテールランプ。シートカウルのホールをそのまま活かしたデザインとなっている。
写真はシングルシーター仕様だが、タンデム用のシート、ステップが標準装備。「ビポスト」仕様を楽しむこともできる。
トラコン、エンジンブレーキコントロール、など電子制御満載。ライディングモードはレース、スポーツ、ストリートの3種類。
DUCATI パニガーレ V4S 主なスペックと価格
全長×全幅×全高:NA
ホイールベース:1469㎜
最低地上高:NA
シート高:835㎜
乾燥重量:175/174(S)㎏
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒
総排気量 :1103㏄
ボア×ストローク:81×53.5㎜
圧縮比:14.0
最高出力:214PS/13000rpm
最大トルク:12.6㎏-m/10000rpm
燃料供給方式:FI
燃料タンク容量:16L
キャスター角/トレール:24.5度/100㎜
変速機形式:6速リターン
ブレーキ形式:前・後 φ330㎜ダブルディスク・φ245㎜ディスク
タイヤサイズ:前・後 120/70ZR17・200/60ZR17
価格 V4:277万2000円/V4S:344万2000円
撮影:Ducati 文:八代俊二/編集部