すでに再開後に2戦を消化したMotoGPに続き、今週末は世界スーパーバイク選手権(=WSBK)が再開しました。開幕戦・オーストラリア大会が3月1日でしたから、実に5カ月ぶり! WSBKもここまで以下の日程で開催が予定されています。

①3/1 オーストラリア(開催済み)
②8/2 スペイン(今回のヘレス)
③8/9 スペイン(ヘレス)
④8/30 スペイン(アラゴン)
⑤9/6 スペイン(アラゴン)
⑥9/20 スペイン(カタルニア)
⑦10/4 フランス(マニクール)
⑧10/11 アルゼンチン(折衝中)
⑨11/8 イタリア(折衝中)

第2戦以降、8戦のうち5戦がスペインなのは、ライダーやチーム、関係者の移動を最小限にするためなんでしょう。
MotoGPとWSBKは、同じくDORNAがプロモータだから、レース機材、放送機材なんかも留め置きできるってことで、今週末、来週の2連戦は、先に2連戦を終わらせたMotoGPと同じ、スペイン・ヘレスで行なわれます。つまりヘレスは7/19&26にMotoGPやって8/2&9にWSBKやるという4連戦なんですね。

画像: 桶スポで取材させてもらった岡谷 練習車はNinja250SL+ピレリタイヤです

桶スポで取材させてもらった岡谷 練習車はNinja250SL+ピレリタイヤです

そのWSBK、昨年同様に土~日曜でレース1/スーパーポールレース(SPR)/レース2の3レース制。レース1/2はフルポイント(1位:25P/2位:20P/3位:16P……15位:1Pまで)、SPレースは専用ポイント(1位:12P/2位:9P/3位:7P……9位:1Pまで)が与えられます。スーパースポーツ600(=WSSP600)は土~日曜に2レース、スーパースポーツ300(=WSSP300)も土~日曜に2レースが行なわれます。
5カ月前の開幕戦・オールストラリアではWSBKで、カワサキからヤマハに移籍したトプラック・ラズガトリオグルがレース1を制し、SPRでジョナサン・レイ(カワサキ)、レース2でヤマハからカワサキに移籍したアレックス・ロウズがそれぞれ優勝。

□レース1
①トプラック・ラズガトリオグル②アレックス・ロウズ③スコット・レディング
□SPR
①ジョナサン・レイ②トプラック・ラズガトリオグル③スコット・レディング
□レース2
①アレックス・ロウズ②ジョナサン・レイ③スコット・レディング

3レースそれぞれに優勝者がかわって、1戦3レースを終わってロウズがランキングトップ、レース1/SPR/2で3位に入った、2020年にWSBKスイッチを果たしたスコット・レディング(ドゥカティ)がランキング2番手、ラズガトリオグルが3番手、レイが4番手というスタートでした。
それから5カ月ぶりのWSBKでは、開幕戦で3レース連続3位に入ったレディングがレース1/2を優勝。SPRをレイが制し、開幕戦と違う顔ぶれで言えば、SPRでマイケル・Vd・マーク(ヤマハ)が3位に入り、チャズ・デイビス(ドゥカティ)がレース2で2位入賞。ここまでの2戦6レースで表彰台に上がって来たこの5人を軸にシーズンが進んでいきそうなWSBK、って印象付けました。

しかし!第2戦スペインでの注目はWSSP300! このカテゴリーには、昨シーズンから岡谷雄太が日本人として唯一フルエントリー、岡谷はデビューシーズンで予選敗退することも多く、シーズンを通して15位入賞が1度だけ。シーズンを通して1ポイント獲得のみ、というホロ苦い1年を送りましたが、シーズンオフ、そしてこのコロナウィルス関連の自粛期間~自粛期間明けに徹底して走り込み、営業再開した桶川スポーツランドで周回しまくり、シーズン開幕(WSSP300はこのヘレスが開幕)に向けての準備を進めていました。

画像: <WSBK> ドゥカティヘレスを制圧!
~けれど光ったWSS300岡谷!~

「桶川スポーツランドさんに走る場所を提供してもらって、ピレリジャパンさんには練習タイヤをサポートいただきました。それでもう、桶スポを走って走って走りまくりました!」という岡谷は、準備万端で渡欧。岡谷については渡欧前に桶スポでインタビューさせてもらいましたが、それは発売中のオートバイ9月号でご覧ください♪

画像: オートバイ9月号にて オートバイはヤングライオンを応援したいです

オートバイ9月号にて オートバイはヤングライオンを応援したいです

WSSP300は、今シーズン50人以上がフルエントリーという大盛況。ちょうどMotoGPで言うMoto3のような登竜門的な扱いで、15歳から25歳まで、ヨーロッパだけでなくブラジル、トルコからもエントリー。そして日本から岡谷ですね。
50人ものライダーの決勝進出へは、フリープラクティスを3回行ない、スーパーポールで上位30台が決勝進出。さらに「ラストチャンス」があって、その上位6台が滑り込み、計36人が決勝を走ることになります。

画像: 桶スポでの練習風景 もうフロントタイヤがへんな方向向いてます

桶スポでの練習風景 もうフロントタイヤがへんな方向向いてます

岡谷は昨シーズン、開始3戦まで予選落ち。もちろんマシントラブルや巻き込まれクラッシュもあったけれど、充分に世界の壁の高さを味わっていました。決勝に進出できたのが4戦目で、それから4レースで15位入賞、という足跡を残していたんです。
そして2年目となる2020年、開幕戦のFP1を16番手でスタートした岡谷は、FP2で4番手にジャンプアップ! FP3で16番手につけると、スーパーポールで10番手タイムをマークして決勝レース進出を決定! それも、岡谷によると「タイムアタック中に遅いライダーにひっかかってタイムを伸ばせなかったんです」ってことでした。

画像: レース2終盤、アライヘルメット+クシタニレザーのゼッケン61が岡谷です 11アンナを外から行ってるか、インをつかれたかの瞬間ですね

レース2終盤、アライヘルメット+クシタニレザーのゼッケン61が岡谷です 11アンナを外から行ってるか、インをつかれたかの瞬間ですね

土曜に行なわれたレース1では、岡谷はややスタートで順位を下げるものの、2番手集団のトップからトップ集団に追いつき、また離され、と繰り返しながら周回を重ね、トップ3台、その後に少し間を開けて4~5台のグループにポジショニング。
しかし、ラスト3周で4台くらいの2番手争いのグループに参加すると、そのバトルがフィニッシュラインまで続き、集団の2番手=全体の3位でフィニッシュ!したかと思ったら、3位まで0秒055という超接近戦で4位フィニッシュを果たしました。
これ、すごくないすか? 世界選手権2年目の、去年は1ポイントしか獲れていないライダーが、開幕戦でいきなり僅差の4位とは!

画像: ついにトップ走行中の61岡谷 ここにもトップを走る日本人ライダーがいますよー!

ついにトップ走行中の61岡谷 ここにもトップを走る日本人ライダーがいますよー!

日曜に行なわれたレース2では、なんと序盤1~2周目の大混雑のポジション取りでスルスルスルっとうまく順位を上げて6~7台によるトップグループを走行! そのまま3周目には単独3位に、4周目にはほぼ2番手でトップ争いを演じ、そのまま2~3周のトップ争いから7周目には飛び出してトップに浮上! あと3周だ!って思ったところでパスされかかった時に接触したみたいで、そのまま転倒! 転んだ後にしばらく立ち上がらなかったから、あぁぁぁぁ……と思っていたら「自分の走りができて上位を走ってたのに当てられて転んでショックだったんで」って理由で、本人によるとケガは大したことがないです、とのことでした。

画像: これも桶スポでの1シーン! ロードスポーツでこんなモタードアクション!

これも桶スポでの1シーン! ロードスポーツでこんなモタードアクション!

けれど、可能性充分! オフの走り込みの成果を見せた岡谷の第2戦は、もう今週末、ところは同じヘレスです! ちょっと大注目してみたいです!

WSBKのレポートはまたのちほど!
写真/Kawasaki 文責/中村浩史

This article is a sponsored article by
''.