軽い! 快適! 安い! のシステムヘルメット
フルフェイスの帽体前側が上方に開くタイプを「システムヘルメット」や「フリップアップヘルメット」と呼ぶ。フルフェイスと同等の保護性能を備えながら、前側が開くことで被り脱ぎがしやすく、停車中の視界の広さはオープンフェイスなみ。実用性と安全性を両立した構成だ。
弱点は構成部品点数が増えることで重量が増し、価格も高くなることだが、カブトの『リュウキ』は帽体を量産しやすい熱可塑性プラスチック製とし、各パーツのデザインや配置も合理化して重量(Mサイズ実測重量1675g・通常のシステムヘルメットより約100g程度軽量)と製造コストの抑制に成功した。
被り心地はやや浅めでホールド性もソフト。大きく首を振ると僅かなグラ付きが出るが、締め付け感がないうえに軽量なので現実的な走行シーンでは実に快適。高速走行でも浮き上がりやブレは一切感じなかった。加えて感心したのがフリップアップ部分の仕上がり。チンカバーを持って強く揺すってもガタはなく、帽体との段差から発生しがちな風切り音も気にならない。開閉のしやすさ、節度も文句なしだ。
さらに紫外線を99%、赤外線を74%カットするシールドと、素早く出し入れできるインナーサンシェードで目にも優しい。ツーリングから街乗りまで、多彩なシーンでメリットを実感させる仕上がりになっている。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
コスパの高さは言うことなしで、システムヘルメットの普及に勢いが付きそう。帽体がもう少しコンパクト(特に横幅)になれば、体の小さいライダーが被ったときの頭でっかち感が減ってスタイリッシュだと思う。