ダカールラリーを知り尽くした男・三橋 淳が新型アフリカツインを満喫するこの連載企画。今回は2週間ぶりの更新で大変お待たせしてしまいましたが、以下、三橋 淳本人のコメントです。「忙しかったわけではなく、体調不良を起こしておりました。ひとつは、お恥ずかしいかな尿道結石で、脇腹に激痛を抱え苦しんでおりました。そしてこの痛みが治った直後に今度は風邪…。そんな事がありまして更新が遅れたのですが、その間編集部からの催促は全くなく…」オホン!えー、ということで、強い信頼関係のもと、北海道編の続き、第20話をお届けします!

北海道ツーリング最大の「目玉ポイント」を目指して北上!

ノッマカップ岬でいい絵が撮れたものだから、すっかり道東あたりへの興味が一気に薄れてしまった。いいところはいっぱいあるんだけど、この辺りは夏になれば四六時中雲の中と言うか、霧に覆われるエリア。天気予報もそれを裏付けるようにずっと曇りマーク。このまま残っていたら、もしかしたら晴れるかもしれないのだけれど、アテにならない希望を抱いて待っていられるほど、わたしゃ気が長くない。

と言うわけで再び北へと移動を開始する。今回の北海道ツーリング・最大の目玉にしている「道北スーパー林道」に向かうためだ。

「道北スーパー林道」というよりも「函岳」と言ったほうが通じる人も多いかもしれない。正式名称は「美深歌登大規模林道」。美深から海沿いの歌登まで抜ける42kmのロングダートだ。

しかも! それだけじゃなく、途中にある加須美峠から伸びる10kmの林道が函岳の山頂まで伸びている。そこが絶景スポットとしては有名で、バイクだけじゃなく、車も多く登っている。

アフリカツインで来てるのに、この道を走らないわけにはいかない!

画像1: アフリカツインで来てるのに、この道を走らないわけにはいかない!

というわけで、霧多布から約400km、6時間もの長旅を経て、やってきたのは函岳スーパー林道入り口の美深。ベースキャンプは決まっている。美深の道の駅にあるキャンプ場だ。

実はここには以前来たことがある。園内には湖があり、温泉やレストランもあって、とても便利なのだが、正直言うとここは避けたかった。というのも、ここは長期ステイの方が多く、洗濯物などがドドーンと展開されていて、生活感丸出しなのだ。

別にそれが悪いわけではないのだけれど、せっかくのキャンプ場。他人の洗濯物をここまで来てわざわざ見たくない、というのが偽らざる本音だ。でも、背に腹は変えられない。ここからだと、函岳方面の天気がよく見えるのだ。

画像2: アフリカツインで来てるのに、この道を走らないわけにはいかない!

ただ、ここはオートキャンプ場とフリーサイトとに分かれていて、オートキャンプ場側を選んだら、ソーシャルディスタンスが確保できて、周りのキャンパーも視界に入らない。これなら長居もできそうである。

さて、肝心の天気だが、天気予報は曇り。でも、このキャンプ場は雲こそ多めだが晴れているし、夕焼け空も出ている。これはもしかしたらもしかするかもしれない、と期待したのだが、地元の人に聞くと函岳はほとんど晴れ間のない山らしいので、楽観視は出来ない。

ここに滞在できる猶予は1週間。そう、随分長くいたが、北海道の旅も、もう残り1週間なのだ。

悩んでも仕方ない。まずは地元スーパーのウニを堪能することに

画像1: 悩んでも仕方ない。まずは地元スーパーのウニを堪能することに

明日は晴れるといいな。と思いつつ用意した夕飯は、贅沢にもウニである。

実は、朝スーパーで一箱1800円のウニを買ってきたのだ。夕飯として考えれば高いのかもしれないが、寿司屋で食うよりは安いし、うまかろう。1日ずっと移動していたので、飯を作るのも億劫。なので、つい勢いで買ったのだ。

画像2: 悩んでも仕方ない。まずは地元スーパーのウニを堪能することに

とは言ってもこの色。きれいな色のものもあるが、中には真っ黒なのもある。味は期待しないほうがいいかな…そう思いつつも、きれいな色のものから食べてみる。

う、うまい! マジでうまいぞ!

しかもかなり上等で臭みもない!これがスーパーで手に入るのか!? 思わず夢中でかきこむ。ただ、黒いところはさすがにダメだった。臭い。百円寿司のウニレベルだ。しかもその割合の多い事…。

まぁ、スーパーで買ったものだから仕方がない。少しではあるが、うまいウニが食えたのは嬉しかった。ご飯だけでもちゃんと炊いておいてよかった。

そして翌朝。晴れはしたが、山は曇天なので引きこもって作業

画像1: そして翌朝。晴れはしたが、山は曇天なので引きこもって作業

翌朝は晴れ! いつもなら嬉々としてアフリカツインに乗り込むのだが、今回はちょっと違う。というのも、このように、お目当ての函岳は雲の中なのだ。ふもとが晴れていても、肝心の山の上が雲の中では意味がない。

画像2: そして翌朝。晴れはしたが、山は曇天なので引きこもって作業

ただ、こうなることもあらかじめ予想していたので、溜まった仕事をこなすことにする。ちょうどこの時、レーシングドライバーの脇阪壽一とのコラボ番組「三橋淳と脇阪寿一の本気で遊ぼう」の編集に追われていたのだ。

すでに公開されているものだけれど、この編集には苦労したなぁ。この時はMTB編だったっけ。よかったら見てください。

そうそう! 寿一もバイクの免許を持っていて「ツーリング企画もやりたいね」と言ってたので、ツーリングに連れ出すかな。もちろん林道ツーリングにね(笑)。

黙々と作業…のはずがやっぱりアフリカツインで出動!

とはいえ、ふもとはこんなに晴れているのに、ずーっと引きこもって動画編集していると、なんだか落ち着かない。もしかしたら、函岳は晴れてるんじゃないの? なんてつい思ってしまうのだ。

そうなってしまうと、もう気になって仕方がない。で、結局昼過ぎになってアフリカツインに乗って偵察に行ってしまうのであった。

函岳への道のりは、山頂までの27kmがダート、つまり往復50キロ越えの林道が待っている。

偵察とか言いながら、ただ走りたいだけじゃないの?

という声が聞こえてきそうだが、全くもってその通りだから仕方がない(笑)。 何しろ、北海道らしい真っ直ぐな道と、抜けの良いロケーション。一度行ったら病みつきになる林道なのだ。

画像: 黙々と作業…のはずがやっぱりアフリカツインで出動!

最低限のカメラだけを持って、いざ出発!

この道は、生活道路というより観光道路なので、国道からの入口に、このような大きな看板が出ている。そこからしばらく舗装を走ると、いよいよ林道の入り口だ。

往復約50kmものダート。でも毎日通っても晴れません…

この林道はよく整備されていて、砂利がきっちり敷き詰められている。ただ、乗用車にはいいかもしれないが、砂利が深くて、バイクでゆっくり走ろうものならハンドルを取られて転んでしまう。実際、ここで転んでしまい、フルパニアのアドベンチャーバイクで1人で起こす事ができず、他のツーリングライダーがくるのを待ったという人もいるほど。

そんなバカなと思うかもしれないが、実際本当に砂利が深い。ストレートはまだいいが、コーナーなどに深く敷き詰められていると、慣れないと大変。だから、整備したての日に当たってしまうと大変なのだが、なんと、今日がまさにその日だった(笑)。

画像: 往復約50kmものダート。でも毎日通っても晴れません…

深い砂利に用心しながら進む。初めは天気が良かったものの、標高を上げるにつれて雲が気になりだす。

で、最後は結局雲の中…。

ですよねー。だって下から見ても雲がかかってたもの(笑)。

北海道の霧は本当に半端なく、写真のスクリーンのところを見てもらえばわかるが、もうビチョビチョ。仕方なく退散する。

…こんなことを3日も続けてやってしまった。

そう、3日連続の函岳。往復50kmのダート通勤(笑)。おかげで不快な砂利道にもだいぶ慣れた。

画像: …こんなことを3日も続けてやってしまった。

そんな数日間を過ごしたわけだが、ようやく夜空も晴れてきた。

見て、この満天の星!

久しぶりに見たぞ、天の川! これなら明日こそ、函岳も期待できるんじゃないの!?

協力:ホンダモーターサイクルジャパン、野口装美、ダートフリーク、サイン・ハウス
写真:三橋 淳

【次回予告】いよいよ北海道絶景巡りの旅もクライマックス!曇天が続いてばかりですが、一発大逆転はあるのか…? 次回、北海道編最終回「虹の彼方に」をお楽しみに!

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「アフリカツイン 北駆南走」前回の模様はコチラ!

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