画像: 日本でもおなじみ、トライアルキング、トニー・ボウ!

日本でもおなじみ、トライアルキング、トニー・ボウ!

ふだんはちょっとレーシングオートバイから縁遠いトライアルです。今年はコロナウィルスのおかげで日本グランプリも中止となり、トライアル世界選手権は9月に開幕して4週間連続の全4戦、1戦が2レース制ですから、計8レースでのシーズンとなったわけです。
世界トライアル選手権と同じく開催されているX-トライアル(所謂インドアトライアルです)は19年11月に開幕、2月に第5戦を消化した後に、2戦を残してシーズンを終了。ここでもボウがチャンピオンに輝いています。

画像: こちらがXトライアル インドア戦、お客さんビッシリはいってます!

こちらがXトライアル インドア戦、お客さんビッシリはいってます!

トライアルに君臨している絶対王者が、レプソルホンダのトニー・ボウ。2004年の世界チャンピオン、日本の藤波貴久のチームメイトで、もうすぐ34歳、トライアル世界選手権デビュー17年目の「絶対王者」が、今シーズンも圧倒。8戦6勝という驚異の勝率で、14年連続14回目の世界タイトルを獲得しました。2018年かな、参戦200レースで100勝達成!って快挙を成し遂げたライダーでもあります。200戦やって半分も優勝してたんですよ!

画像: ボウ、コロナウィルスによる自粛期間中に自宅の中でトライアルやってニュースになってました

ボウ、コロナウィルスによる自粛期間中に自宅の中でトライアルやってニュースになってました

トライアルは、オートバイのレースの中で唯一スピードを競わない競技としておなじみですが、それでも14年ですよ? うーん、例えが見つからない……1996年にGP125にデビューしたバレンティーノ・ロッシがいくらすごいったって、14連覇はないものねぇ。
ずっとトップを張り続けているスポーツ選手として、テニスのスーパースター、ロジャー・フェデラーとかラファエル・ナダルが、よく引き合いに出されますね。
ちなみにロードレースMotoGPでは、マシン排気量が800cc規定となった2007年、ボウはホンダに移籍し、初めてのワールドチャンピオンに輝いています。ずいぶん昔のことのように思えますぇ……。

インドアのレース日程終了の後にアウトドアがスタートした今シーズン、ボウは開幕戦フランスGPの1ヒート目で優勝して1/3位を獲得すると、第2戦スペインGPでダブルウィン、第3戦アンドラGPで2/1位、最終戦イタリアGPでもダブルウィンを飾り、最終戦のレース1でチャンピオンを確定させました。

これでボウは2007年にモンテッサHonda入りして14年連続で世界チャンピオンに君臨。インドアもアウトドアも勝っているので、14×2=計28の世界タイトルを持っていることになります。まさに超人、鉄人、前人未到! ボウの天下はいつまで続くんだろう――。

画像: <世界トライアル> トニー・ボウ 前人未到の14連覇!
~インドアでも14連覇中、合計28タイトルの超人君臨

トニー・ボウ
「初日でタイトルを獲得できるとは思っていませんでした。例年もそうですが、今年もとても厳しいトライアルです。そして今年の特徴として、1位だと思えば次の瞬間には7位にもなるという、順位の変動が簡単に起こりえます。したがって、失敗をするわけにはいかない、難しい戦いになるのです。私は、このタイトルに非常に満足しています。インドア・アウトドア両方のタイトル獲得も、とてもうれしいことです。いつもと違うシーズンとはなりましたが、大いに祝いたいです」

HRC代表取締役社長 野村欣滋(よししげ)
「まずは自身の記録を更新する14連覇を達成したトニー・ボウ選手の栄誉を称えたいと思います。連覇というプレッシャーのみならず、今シーズンは短期間でチャンピオンシップが決するため、体力的にも、精神的にも、彼自身がかつて経験したことのない、非常にタフでシビアな闘いを強いられたと聞いています。このような状況で困難をはねのけ獲得したタイトルには、これまで以上の重みがあり、前人未到の偉業を成し遂げ続けるボウ選手に、改めて最大の敬意を表したいと思います。また、彼の連覇に尽力してくれたチームスタッフ、そしてレース活動を支えてくれた多くのスポンサー様と、世界中のトライアルファンの皆様に心から感謝いたします」

写真/Honda 文責/中村浩史

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