呼ばれたくないコントロールタワーの3F?
10月17.18日にツインリンクもてぎで行われた全日本ロードレース選手権。
既にUPされている観戦記事はもう見て頂けたかな?
実はこの日、「レースの裏側」コース上にいないオフィシャルさんの動き、現場も見せて頂ける機会がありました。
コース上で行われているレース内容をしっかりチェックし、タイムなども管理している場所がコントロールタワー3Fにあります!
ここで沢山の方が一生懸命お仕事をして下さっているからレースが出来ているんだなぁと改めて感じると共に、「こんな事もしているの?!
プロ技!!」と驚く事も沢山ありとても貴重な時間を過ごさせていただきました。
今までオフィシャルさんのイメージで1番最初に出てくるのがコース脇で旗を振って合図をしていたり、転倒車両が出た時に駆けつけたり、メディカルの導線を確保したりと、コース上で働いている皆さん。
それだけでも、沢山の方がいるのですが、コース以外でも、各コーナーがわかりやすいようにUPされている映像が見える場所でチェック、審議する人、タイム管理する人、間違っていないか確認する人などホントに大勢の人が動いているのです!
今回はツインリンクもてぎのスタッフさんに案内、説明をして頂きながらその現場を見せて頂きました(*´꒳`*)ノ
1番最初に案内して頂いた場所は、レース事務局。ここは、何かあったら選手が呼ばれる場所でもあり、管理している部屋になります。
後ろにあるホワイトボードには、違反した事が書いてある通告書から嘆願書、検査結果書、呼び出しチェック表などがあり、しっかりと管理されているんですけど、いろいろな審議のもと、決まったペナルティがいつ、誰が、どんなことをして、課せられるペナルティがどの内容になったかが書かれていました。
全て書面になり、競技委員長などのサイン、ペナルティを受ける人はサインと始末書の提出をしていたのですが、それが済んでいるもの、まだ終わっていないものなどシンプルで、また整理しやすいような配置には、さすが全日本ロード選手権、ツインリンクもてぎさんだなぁ...と、長年の経験からこういう作りになっているんでしょうね。
もうひとつ驚いたのは、審査委員長の所に元MotoGPライダーの中野真矢さんの名前があり、「中野さんって審査委員長をされていたんだ!!」と、初めて知った事です。レースを見ていても、審査委員長や競技監督など今まで全然気にした事がなかったんだなと、そんな自分自身にも驚きました。
あと、「始末書」の存在にもびっくり!!
ここには、みんな呼ばれたくないだろうなと思いながら、いろいろ見せて頂くと、ブリーフィング遅刻で罰金という内容を発見。
こういうのもしっかり管理されているんだと思うと同時に、「罰金」の文字に目が点になってしまいました。
スポーツマンらしく、そういったルールや時間にも厳しく、ちゃんとしているんだと思いながら、なぜか自分の背筋もピンと張るような空気を感じました。
また、すぐに課せられるペナルティだけでなく、サッカーでいうイエローカードのようなペナルティもここで選手に伝えたりするそうです。
この部屋にはホントに呼ばれたくないだろうなと思ったのですが、もっと重たい空気の部屋がありました。
それは、、、
審査委員会の部屋。
ここは、名前の通り審議する時に使われる場所だそうです。
他の人に聞かれてはいけないような機密事項に関わる審議は、特にこういうお部屋で行なわれるそうで、選手というよりチーム代表が行く事の方が多いみたいです。実際、この大会でも使われていたみたいです…
普通の部屋なのですが、なんだか薄暗くて怖いと思うのは(電気が点いていないだけ?)、お話しを聞いたからなのか、、、⁈(^^;
その重みが伝わる雰囲気でした。
レース事務局の隣の部屋?!奥の扉を進むと、モニターが沢山!!!
パッと数えると45台くらいありました。
ここでは、各コーナーからスタート、ピットレーンなどがそれぞれわかりやすくモニターに映し出されています。真ん中にある大きい画面は、巻き戻しをして審議しやすいようになっているそうです。
1コーナーから左上に順に並んでいて、それぞれ名所が書いてあります。
その隣にも文字が書かれていて、例えば1コーナーの所には「T1」の表記が。
これは何か聞いてみると「T1」というのはMotoGP用で、呼び方が違うそうなんです。
今回は、全日本ロードレース選手権なので「1コーナー」を共通認識で使われていました。
やっぱりMotoGPは特別なんですね!
でも、その時だけ準備するのではなく、ずっと変わらない環境なんだなと思いました。
あと、それぞれの席にもパソコンが置かれていて、そこでも巻き戻しして見ることのできる人がいたりもするそうです!
役割によって作業は違い、またじっくり検証する為に巻き戻ししてみる事はよくあるそうなんですが、何かあると話し合ったり、アクシデントが同時多発的に起きると、大きいモニターの取り合いにもなるそうなんです。
検証したい案件が増えるとそれぞれチェックしないといけないので、なるべくアクシデントは起こらない方がライダーもですが、オフィシャル側も嬉しいと教えて下さいました。
この部屋にお邪魔した時に、元全日本ライダーの亀谷長純さんもいらっしゃり、みんな真剣にチェックされていました!
あと、部屋の端にはボードがあり、どのクラスで転倒がいつ、どこであったか記載する書記の方もいました!
他にも場内ではなく、ピットやオフィシャルに伝える為の放送をしている人もいたり。
モニターも沢山でしたが、人も多かったです。
後ろの方の席の人はコロナウイルス対策で飛沫対策としてビニールが設置され、「やっぱりちょっと見づらくなったよ」と教えて下さった方も。
窓ガラスからPITレーンをチェックしている方も!
ちょっと目線を変えると、コース側のガラス窓の近くに3人横並びで外を向いている人がいたのですが、この方達はPITレーンなどのチェックをしているそうです。
ここからもしっかり見ているなんて驚きでした!
その近くには、スタートのシグナルスイッチがあり、ボタンが沢山付いていたのですが、これは点灯方法を変える事も出来るそうです(実際あまり使う機会はないそうですが)。
次に案内して頂いのは計時室。
この部屋の後ろには沢山の機械があり、それでタイムを管理しているそうです。
4つくらいのシステムでどれかにバグが出ても測定できるよう、リカバリーしているそうなのですが、ホントに念には念をと対策されているのだなと感じました。
それだけではなく、コンピュータ計測のバグがないか、通った順番をチェックし確認する人が何人もいたりと、選手の全力にしっかりと向き合う姿勢に圧倒されました。
通った順番を書く方の動きはプロ技で、ストレートだからかなり速いスピード。
そんな中、あの距離感で誰か見極め、すぐに番号を書きます。思わず「凄い!!」と声が漏れそうでした。
そして、それを間違っていないか確認する人が2人ペアで合計4人。
ここも沢山の方が仕事していました!
他にもアプリでレース状況が見れてる「RACE NOW」の情報もここから流して管理しているそうです。
私はツインリンクもてぎでの観戦では必須としているアプリなので、ここから発信されているんだと感動でした。
あと、この計測をする部屋にもモニターがあり、どういう時に使うか聞いてみると「もし転倒した車両があったら番号を見て、確認しています。どうしてコントロールラインを通過していないのかを早く理解できないと機械の故障なのか、転倒なのかわからないため、チェックするんです」と教えて下さいました。
なるほど!!
全てスピーディーに対応するために、沢山の人だけでなく、設備もしっかりされているんだなと感じました。
他には、リザルトなどを作っている人もいました。
それぞれ資料をまとめ、コーディネートし、印刷して、審査員のサインをもらうそうなのですが、ホントにいろんな仕事があるんだなと、思うのと同時に、やっぱりこうした現場で見ると思っていた以上の環境と、プロの仕事ぶり。
これを間近で見ることができ、とても貴重な体験をさせて頂きました。今までも感じてはいたけど、レース観戦が出来ているのもこういったオフィシャルさんの仕事があるからなんだと改めて感じることが出来ました!
これからもこうやって仕事している方への感謝の気持ちも忘れず、レース観戦は思いきり楽しみたいと思います♪