文:西野鉄兵/モデル:葉月美優/写真:松川 忍
ホンダ「X-ADV」車両解説
高速巡航もスポーツ走行も楽しい
車体の剛性が高く、高速道路を走っているとリッタークラスにも負けないほど快適だと感じた。スクリーンは手動で5段階の高さ調整が可能。もっとも高くすると、少しかがめば頭の高さまでカバーし、雨天走行でも安心。下半身も走行中はほとんど濡れないので、何日も走るロングツーリングでは非常にありがたい。
オートマチックでギアチェンジを行なう「DCT」の性能向上も感じた。ライダーに衝撃をほとんど与えることなくスムーズにシフトアップ・ダウンを行なってくれる。燃費のいいDモードでの時速100km時は3200回転ほど。高速域からの加速も鋭く、時速120km区間でも交通の流れを軽々とリードできる。燃費は、キャンプ道具を満載にして、高速&一般道を半々程度で約250km走り、約26km/Lだった。
ニーグリップはできないものの、くるぶしでがっちりとグリップでき、峠道も安心して走れた。DCTをSモードにすれば、高回転までひっぱりスポーツバイクのようなエキサイティングな走りも楽しめる。
ネガな点は、シート高の数値以上に足つきがキツく感じたことと、取り回し時の重さだ。運転にあまり自信のない方は、まず試乗してから購入を検討することをおすすめしたい。
ホンダ「X-ADV」主なスペックと価格
全長×全幅×全高:2230×910×1345㎜
ホイールベース:1580㎜
最低地上高:135㎜
シート高:790㎜
車両重量:238㎏
エンジン形式:水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒
総排気量:745㏄
ボア×ストローク:77.0×80.0㎜
圧縮比:10.7
最高出力:54PS/6250rpm
最大トルク:6.9㎏f・m/4750rpm
燃料タンク容量:13L
変速機形式:電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ(前・後):120/70R17M/C 58H・160/60R15M/C 67H
ブレーキ形式(前・後):ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格:マットビュレットシルバーは税込126万3900円/グランプリレッドとマットアーマードグリーンメタリックは税込129万6900円
ホンダ「ADV150」車両解説
ゆったり乗れて旅でも快適
発売と同時に年間販売計画台数を大きく上回り、早くも大ヒットとなっているADV150。エンジンは水冷単気筒149ccで、完全なオートマ車だ。最高速が気になり時速120kmの高速道路で試したところ、時速115kmでリミッターが働いた。それでも、時速110kmくらいまでの加速はスムーズで巡航する分には何の問題もない。燃費は、高速&一般道を半々程度で約250km走り、約37km/Lと、非常に経済的。
共有部品の多いPCX150との大きな違いは、サスペンション。フロントはクラス最長の130mm、リアは120mmのストローク量を確保し、リザーバータンクまで備わっている。ただ、荒れたダートをガンガン走れるというわけではなく、あくまでも軽い未舗装路を想定した仕様だ。
ハンドルの切れ角が大きく小回りも得意で、Uターンもラクラク。特筆すべきは、ポジションの快適さ。身長175cmの僕の場合、窮屈感はまるでなく、ハンドルの位置もフットボードの距離感もジャストフィットと思えるものだった。
収納スペースはX‐ADV以上の容量を誇り、さらにリアシートへの積載もしやすい。そして電源ソケットを標準搭載するなど、キャンプに役立つ装備が満載されている。
ホンダ「ADV150」主なスペックと価格
全長×全幅×全高:1960×760×1150㎜
ホイールベース:1325㎜
最低地上高:165㎜
シート高:795㎜
車両重量:134㎏
エンジン形式:水冷4ストOHC2バルブ単気筒
総排気量:149㏄
ボア×ストローク:57.3×57.9㎜
圧縮比:10.6
最高出力:15PS/8500rpm
最大トルク:1.4㎏f・m/6500rpm
燃料タンク容量:8L
変速機形式:無段変速式(Vマチック)
タイヤサイズ(前・後):110/80-14M/C 53P・130/70-13M/C 57P
ブレーキ形式(前・後):シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格:45万1000円
文:西野鉄兵/モデル:葉月美優/写真:松川 忍