ジクサー150への荷物積載はけっこう悩む
キャンプツーリングに欠かせない荷物の積載。
正直に言いますがジクサー150、大荷物の積載はあまり得意とは言えないと思います。コンパクトな車体の150ccロードスポーツなんですから、そもそも大荷物の積載性を求めるのが間違っている、という気もしますが。
理由はひとつ。
シートバッグやコードなどを引っかける荷掛箇所がリアシートの後部にひとつもないことです。
ただ、これはジクサー150に限ったことでなく、スズキ以外のメーカーを車両と比べても、いまの時代のスタンダードともいえます。
僕がバイクに乗り出した15~20年前のネイキッドバイクには、必ず使いやすい荷掛フックが備わっていたものですが、これも時代の変化なのでしょう。
今回、半ば強引ともいえる方法でなんとかキャンプツーリングを行なうことができましたが、安全に楽しむには何か策を講じる必要があります。
手っ取り早いのは、荷物を減らすことでしょう。僕は今回はあえて、普段使っているキャンプ道具を何ひとつ減らしませんでした。むしろ寒さの具合が読みにくかったため、防寒着をかなり多めに持っていっています。
もしくは、キャンプやロングツーリング目的なら、いっそリアキャリアやトップケースを装着してしまうのもアリだと思います。
キャリアを装着すれば、積載できるスペースが増えるだけでなく、リアシートの後ろに荷掛箇所が増えることとなり、結果としてうんと荷物を積みやすくなります。
ジクサー150の走りは穏やかになり、安心感の塊だった
もともと自然なライディングポジションと軽い車体で扱いやすさが抜群のジクサー150。
荷物を載せていない状態では、スポーティな走りも楽しめるキビキビとした印象もありました。
それが大荷物を載せたことで、穏やかな特性になり、「安心感の塊」と呼べるバイクに一変。シートバッグを積んでいるうえにザックを背負っているため、普段よりもだいぶ乗りにくい状態でのこの特性は本当にありがたいものでした。
重さでサスペンションが沈み込んで足つき性もアップ。跨ったままペタペタと取り回しできるので、立ちごけする不安もなし。
向かったキャンプ場は、砂利のサイトだったため、この安心感は絶大なものでした。
さすがのジクサー150も燃費は落ちるけど、それでも充分にいい!
おそろしく燃費がいいことで知られるジクサー150。さまざまな二輪メディアやブログなどで、ジクサー150の燃費のよさは話題となっています。
僕は逆にイジワル燃費調査を行ないました。キャンプ道具満載、しかもスロットルは開けまくり、燃費走行を完全に無視した実験です。
結果は個人的は非常に満足でした。計測した数値は下の記事でご覧ください。
一番大事なのは安全性と楽しさ!
今回のキャンプツーリングは、荷物の積載に苦戦したところから始まりました。正直にいって、ノーマル状態のジクサー150はキャンプツーリングに向いているバイクとは言えないでしょう。
でも、ジクサー150が好きで買って、その後キャンプツーリングをしたくなったら、何とかしたくなるもの。
キャンプがしたいから、それに向いていそうなVストローム250を買う、という考えでVストローム250を選ぶ人も多いと思います。それも正解だと思います。
僕もこのタイプの考え方だったので、初めて選んだバイクは「荷物がたくさん運べて快適そうだから」とビッグスクーターを購入しました。
でも、その後、経験を積んで、荷物を安全に積載するコツや、荷物を積んだ状態で安全に走るコツを学んできたつもりです。
そうすると、用途を考えず「一目惚れ」でバイクを選べるようになりました。
ジクサー150は、キャンプに向いているわけではないけれど、苦手だとはいいません。
少しの工夫で可能性が大きく広がる、ロングツーリングに適した一台だと思います。
燃費はいいし、扱いやすいし、走っていて楽しい。
敢えて比較するなら250ccバイクの余裕は確かにいいと思うけど、ジクサー150にはジクサー150だけの良さがあると思ってます。
また、ネイキッドバイクだからカスタムの可能性にも満ち溢れています。
初めてジクサー150に乗ったとき、幅広のハンドルと直立よりやや前傾となるほどよいライディングポジションで、「スクランブラー風にしたら、それはそれで面白いんじゃないか?」なんて思った次第です。
タイヤを履き替えるだけでも見た目の印象や乗り心地は大きく変わるでしょう。
(下に続きます)
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ロングツーリングでより快適なバイクにしたいと思えば、トップケースやサイドケース、さらにはスクリーンを装備すればツアラー風にもなります。
もちろん、ノーマルのスタイリングが大好き! という方にとってはそれがその人にとっての正解です。
なにが言いたいかというと、いろいろ楽しめる、楽しみやすいバイクだということ。
ジクサー150は色んなワクワク感が詰まったバイクですから。
文:西野鉄兵/写真:岩瀬孝昌・西野鉄兵