レガーレ「ヤマハ MT-25 ロースタイル」試乗インプレ(平嶋夏海)
ヤマハ・MT-25はとっつきやすいバイク。クセのない素直なハンドリングで、エンジンのレスポンスもマイルド。ビギナーでも不安なく楽しめるモデルです。ノーマルのシート高は780mm。身長154cmの私だと、お尻をずらさずにまっすぐ両足をおろせて、足つき性は両足の親指が接地するぐらいです。
これまでの経験上、私の場合はシート高が800mmを超えるとスニーカーを厚めのソールのものにしたり、インソールを入れたりと、足つきのための工夫がいるのですが、ノーマルのMT-25はその必要がないギリギリの高さ。ただ、親指は接地しますが踏ん張れるわけではないので、またがって両足をついたままバイクを動かすのは難しいし、気は抜けません。
今回試乗したMT-25ロースタイルはノーマルから25mmローダウンしていますが、乗るとこの差はやっぱり大きいと実感します。親指しか着かなかった足つきは両足の土踏まずの手前、母指球あたりまで着くので踏ん張りがきき、傾斜地でバイクに乗るときも怖くないし、Uターンも不安なくこなせます。
あと、着座位置が少し下がったことで前傾姿勢がゆるくなって、ライディングポジションがアップライトになるので、腕の伸びが少なくなって操作がノーマルよりしやすく感じられるのも安心材料です。足つきがつらい人が一番不安定になりやすい、停車直前のサイドスタンドを出す瞬間もスムーズだし、シートが低くなったことで乗り降りもラクになりました。
専用のナイトロン製リアショックは乗り心地も上々で、路面の凹凸をフワッとかわしてくれる感じ。全体的にまったりとしたフォーリングで、穏やかなレスポンスのエンジンともよく合っていると思います。
ノーマルから乗り換えてもすぐにわかる足つきのよさと安心感、そして穏やかで優しい乗り味。このLSは「ローダウン仕様があったらいいのに」と思っていたライダーにはピッタリの一台だと思います!
ロースタイルとスタンダードの足つき比較
ロースタイルのシート高:755mm
スタンダードのシート高:780mm
平嶋夏海さんの身長:154cm
ロースタイルの最低地上高は30mmダウンの160mmだ。身長154cmの平嶋夏海さんがまたがると、どちらもかかとは浮いているが、ロースタイルの方がつま先の接地面積が大きく、かかとが浮く角度が緩やかなのがわかる。
ライディングポジションは、ノーマルがややハンドル位置が遠めに見えるのに対し、着座位置が低くなり、アップライトになったロースタイルは腕の曲がりに余裕がある。
レガーレ「ヤマハ MT-25 ロースタイル」試乗インプレ(太田安治)
これまでレガーレのローダウン仕様車すべてに試乗してきたが、今回のMT−25は最も自然なハンドリングだ。ナイトロン製リアサスペンションのセットアップと、フロントフォークの減衰/バネ特性とのバランスを取りながら設定された突き出し量変更がきれいに合っている。
ショックユニット長が短いので実効ストロークはノーマルの方が長いが、乗車1G(車体に体重が加わった状態)近辺の微細な動きがスムーズで、沈み込みと伸び上がりはしっとりしたもの。
車体姿勢がやや「後ろ下がり」でハンドリングは穏やかだが、ノーマルと乗り比べないと体感しにくい程度の差で、街乗り、ツーリングではネガティブ要素を一切感じなかった。
レガーレ「ヤマハ MT-25 ロースタイル」各部装備・ディテール解説
「ロースタイル」車は、MT-03・YZF-R25・YZF-R3もラインアップ
今回試乗したのはMT-25のロースタイルだが、レガーレでは兄弟車のMT-03、YZF-R25/R3のロースタイルも展開中。装着されるショックユニットやフロントフォークの突き出しなど、セッティングは基本的に共通だ。
MT-03 ABS LS :78万1000円/82万5000円(Sopra)
YZF-R25 LS :73万7000円/78万1000円(Sopra)
YZF-R25 ABS LS:78万1000円/82万5000円(Sopra)
YZF-R3 ABS LS:81万4000円/85万8000円(Sopra)
※いずれも税込価格
問い合わせ:ピットインオート(03-3268-6559)
レガーレ公式HP
ピットインオートHP
文:平嶋夏海、太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸