80年代、90年代、00年代、10年代があって今がある
ジョアン・ミル、マルク・マルケス、バレンティーノ・ロッシもいいけれど、ウェイン・レイニー、ケビン・シュワンツ、フレディ・スペンサーはもっといい――そういうオートバイレースファン、いまだに少なくありません。
そんなオールドファンにお勧めなのが、今日2/9から3/17まで東京・品川で開催されている「JRPA50周年写真展」です。
JRPAとは「ジャルパ」の愛称で知られる日本レース写真家協会のこと。このJRPA所属のカメラマンたちが中心となって、古今東西のレースシーンを日本に紹介してくれている、ってわけです。特に今回、ギャラリーに入ってすぐ目につくジャコモ・アゴスティーニのマン島TTレースのスタートシーンなんか、おぉぉ、この頃から日本のカメラマンが現地に行ってたんだぁ、って歴史にも触れられる写真展になっています。
パネル展示は、ジャコモ・アゴスティーニ、バリー・シーンから、ケニー・ロバーツ、フレディ・スペンサーの雄姿はもちろん、バトルシーンやオフショット、もちろん外国人ライダーだけじゃなくて、平忠彦さんも水谷勝さんも――。日本と世界のレースシーン、特に、まだネットも発達していないどころか、オートバイ雑誌に海外のレースシーンが紹介される機会も少なかったころからのドラマを日本に伝えてきたレース写真家のみなさんの作品がパネル展示されている写真展なのです。
もちろん、オートバイだけでなく、4輪レースの模様もパネル展示されていて、えーと、こちらは不勉強で申し訳ない(笑)、F1に限らず、富士のグラチャン、WRCやパリダカにいたるまで、幅広くレースシーンの美しい写真に熱中できる写真展でした。
しかし、やっぱりオートバイ好きに行ってほしいなぁと思うのは、ギャラリーに展示されているレーシングマシンがスゴいの! なんと、門外不出のはずの1984ホンダNS500と1983ヤマハYZR500が中央にでーん! この2台が鼻を突き合わせて展示されているなんて、まさにここJRPA写真展でしか見られない夢のシーンです。マシンの貸し出しをお願いしたJRPAのみなさん、そのオーダーに応じてくれたホンダ、ヤマハの担当者さん、ホントにありがとうございます。ホントいいもの、じろじろじろじろじろ見せてもらいました(笑)。
ん?84年のホンダ500はNSRじゃないの? なんでNS? この83YZRは誰のマシン? ケニー? エディ? なんて質問、現場にいるスタッフにじゃんじゃん疑問をぶつけてみてください。
パネルを見ながら、展示会の会場で偶然会った仕事仲間と話が尽きませんでした。
「おぉ、この写真、89年のホッケンハイムじゃない?」
『これ鈴鹿……どのコーナーから撮ったんだろ……』
「これ1988年って書いてあるけど89年じゃない? ワインのゼッケンが2だもの」
『クルマ、空飛んでるやん! WRCのフィンランドって!』
とかなんとか。しばしのタイムスリップを味わいに行ってみてください。
写真展は、きょう2/9(火曜)から3/17(水曜)まで。場所はJR品川駅から徒歩10分ほどの、キヤノンSタワー1Fで行なわれています。もちろん、入場無料!
詳細はこちら→http://jrpa.org/news/2021/0208.html
場所:キヤノンギャラリーS 東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー1F
JR品川駅港南口・京浜急行品川駅より徒歩約10分
写真・文責/中村浩史